犬猫は平茸を食べても大丈夫!よく似た毒キノコ「ツキヨタケ」に注意。栄養などを解説

平茸はヒラタケ科ヒラタケ属のきのこです。

見た目が牡蠣に似ているので、英語では「オイスター・マッシュルーム」とも呼ばれています。

人工栽培で作られることが多く、1年中流通しているのでスーパーなどで購入したことのある方も多いのではないでしょうか。

香りと歯ごたえの良い美味しいきのこで、炒め物や味噌汁、揚げ物、パスタなど和洋を問わず様々な調理方法で親しまれています。

犬猫は平茸を食べても大丈夫!

平茸は犬猫の食べられるきのこですが、いくつかの注意点もあります。

本記事では、

  • 平茸ってどんなキノコ?
  • 山で採った平茸には注意が必要
  • 平茸を犬猫に食べさせるメリットや注意点
  • 愛犬愛猫用の平茸を使った手作りフードのレシピ

などの内容についてお話していきます。

買ってきた平茸に白いフワフワが付いてたけどカビ?

カビではなく、「気中菌糸(きちゅうきんし)」と呼ばれるきのこの一部で、平茸のみならずきのこ全般で発生する可能性があります。

きのこは言うなれば菌糸の塊であり、この白いフワフワはきのこ表面の細胞が伸びたものです。

したがってそのまま食べられます。

もし気になるようであれば、軽く濡らしたふきんやキッチンペーパーで払うと簡単に落とせます。

平茸ってどんなきのこ?

平茸は世界中の温帯の山林に発生し、世界各地で食用とされているきのこです。

主に広葉樹の枯れ木や切り株などに生え、大きな塊となって幾重にも重なっています。

栽培も世界的に盛んで国内では沖縄を除く全国で生産され、生産量は茨城県が25%と最も多く、新潟・長崎がそれに続きます。

天然平茸の旬は11月~3月頃ですが、栽培されている平茸は年間を通して美味しく食べることができます。

山で採った平茸には注意が必要

山にきのこ狩りに行ったら平茸をたくさん採ることができた、もしくはきのこ狩りに行った友人から平茸をもらったという時は、人間や犬猫が食べる前に確認すべき点があります。

それは、「そのきのこが本当に平茸なのか?」ということです。

平茸や椎茸によく似た毒きのこ「ツキヨタケ」

ツキヨタケは平茸や椎茸によく似た毒きのこです。

口にすると下痢や嘔吐を引き起こしてしまい、ひどくなると痙攣や脱水症状なども起こすようになり幻覚を観ることもあるそうです。

平茸と見分けるための「ツキヨタケ」の特徴は、

  • 裂くとカサと柄の間に黒っぽいシミがある
  • 軸の部分がしっかりとしていて固い
  • 平茸と違い夏から秋にかけて発生する

などが考えられます。

見分けが不安な場合は天然のものではなく、スーパーなどで買える市販の平茸を食べるようにしましょう。

平茸に含まれる代表的な栄養素

平茸 生 100g当たり

含有量
エネルギー34kcal
脂質0.1g
食物繊維2.6g
ビタミンD0.3㎍
ビタミンB10.40g
ビタミンB20.40g
ナイアシン11.0mg
パンテトン酸2.40mg
葉酸92㎍

参考資料:八訂 食品成分表 2022

平茸に含まれる栄養素の主な働きや健康メリット

主な栄養素とその働きやメリットを簡単にまとめます。

  • 食物繊維:きのこ類はβグルカンという食物繊維が豊富です。胃や腸で吸収されず腸内の免疫細胞に直接働きかけ、整腸作用に期待できます。
  • ビタミンD:カルシウムの吸収効率を良くし、骨を丈夫にするのに役立ちます。
  • ビタミンB1:糖質を分解しエネルギーに変えるのを助けます。精神安定にも働く疲労回復ビタミンです。
  • ビタミンB2:細胞の再生を促します。皮膚や粘膜の健康をサポートし、傷の治りを早めるのにも役立ちます。
  • ナイアシン:ビタミンB群の一種で、補酵素として新陳代謝やDNAの修復や合成など様々な機能に関わっています。
  • パンテトン酸:ストレスに対抗するためのホルモンを生み出す副腎の働きを助けます。
  • 葉酸:造血ビタミンとも呼ばれる栄養素で、赤血球の合成をサポートし貧血を予防します。

平茸は低カロリー低脂質でありながら栄養も豊富です。

犬や猫に平茸を与える際の注意点

生食はNG。必ず加熱を

きのこ類は食中毒の可能性があるため、茸を犬猫に食べさせる際は必ず加熱しましょう。

加熱することで中毒成分が無毒化します。

平茸の食中毒の原因は今現在特定されていないそうですが、シアンによる中毒があると考えられています。

与えすぎないように

平茸には食物繊維が含まれているので、たくさん食べると犬猫が下痢を起こしてしまう可能性があります。

また、同じものを多く食べると栄養が偏ってしまいます。

普段の食事からバランス良く与えることが犬猫の健康に繋がります。

細かくしてあげる

犬は元々が肉食動物であり、猫は肉食動物のため、植物の消化は苦手です。

大きな平茸を食べるとうまく消化できず、下痢や嘔吐を起こしてしまうことがあります。

犬猫に食べさせるときは、包丁やフードプロセッサーで細かくしてあげると犬猫も食べやすくなります。

「ツキヨタケ」に気を付ける

冒頭でお話しましたが、平茸によく似た毒きのこ「ツキヨタケ」には要注意です。

ツキヨタケと平茸の見分けに不安があれば、天然のきのこではなくスーパーなどで購入できる商品を食べさせましょう。

愛犬愛猫用の平茸を使った手作りレシピ

当サイト掲載のレシピを紹介します。

鶏挽肉のまぜご飯

鶏ひき肉とご飯に人参と平茸を混ぜ込んだレシピです。

ひき肉と平茸の香りが犬猫の食欲をそそり、ご飯で満腹感も得られます。

食べさせる量は愛犬愛猫の体格や状況に合わせて調整してください。

【まとめ】犬猫は平茸を食べても大丈夫

平茸は犬猫が食べても大丈夫です。

香りと歯ごたえがよく食べやすいきのこで、食物繊維による整腸作用やビタミンB1による疲労回復効果などの健康効果にも期待できます。

注意点を4つ紹介します。

  1. 生食は食中毒の可能性があるので必ず加熱してください。
  2. 与えすぎは下痢や食中毒の可能性があるので少量に抑えましょう。
  3. 与える時消化をよくするために細かく刻みましょう。
  4. 平茸によく似た「ツキヨタケ」という毒きのこがあるので、天然の平茸を扱う時は注意してください。

食べやすく美味しい上に栄養もある平茸。ぜひ愛犬愛猫のフード作りに取り入れてみてください。

参考
農林水産省「本当に安全?STOP毒きのこ」
神奈川県「毒キノコによる食中毒の発生に伴う注意喚起について」

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鈴木 利奈

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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