ジューンベリーは犬猫にとって危険な植物。高濃度の青酸配糖体による中毒の可能性

ジューンベリーとは

寒さに強く育てやすいジューンベリーは、花を楽しむ他にも実を食べることができるため庭木に人気の果樹です。

白く可憐な花を咲かせ、初夏には実る果実を楽しみ、秋の紅葉から美しい樹形と四季を通じて楽しめます。

その名の通り6月に結実し、ジャムなどで楽しまれる方も多くいるのではないでしょうか。

食用できる果樹が犬猫にとって危険?と思われるかもしれませんが、問題は結実した果実ではなく枝や葉にあります。

ジューンベリーの基本情報

学名:Amelanchier
和名:ジューンベリー
その他の名前:アメリカザイフリボク
科名 / 属名:バラ科 / ザイフリボク属
花言葉:「穏やかな笑顔」「穏やかな表情」

ジューンベリーの枝や葉には致命的な毒が含まれる!

ジューンベリーはバラ科の植物です。バラ科の植物で犬猫にとって危険なものと言えば、ウメ、サクランボ、モモ、アンズ、リンゴなどが挙げられます。

これらのバラ科の果樹は、種の中や未熟な実に高濃度の青酸配糖体の「アミグダリン」が含まれているため、犬や猫が食べてしまうと命の危険も考えられるといわれています。

ジューンベリーもバラ科として同様の毒性成分を含み、枝や葉に青酸配糖体が多く含まれるといわれています

ジューンベリーの枝や葉の誤食によって起こる主な中毒症状例

  • 多量のよだれ
  • 呼吸困難
  • 痙攣
  • 心血管虚脱

全株、特に葉に強い毒性成分を含むと考えられるジューンベリーなので、少量の誤食でも個体差によっては致命的となる場合があります

犬猫がジューンベリーの葉や枝をムシャムシャと大量に食べるケースが多いとは考えにくいのですが、落ちている枝、揺れる葉に興味をそそられる犬猫は多くいます。

青酸配糖体は動物、そして人間にも命に係わる危険な毒性成分として知られているので、たとえ少量であっても犬や猫に誤食させないように注意しましょう。

ジューンベリーの実は犬猫が食べても大丈夫?

熟したジューンベリーの実に関しては、犬猫にとって危険であるとの明確な情報は今のところ確認されていません。

そのため、ジューンベリーの実は犬や猫が食べても大丈夫とされる記事も多く見かけますが、当サイトとしては念のため積極的に食べさせる必要はないと考えます。

バラ科の他の果樹において、未成熟の果実や種子にアミグダリンが含まれ危険であることは広く知られています。

ジューンベリーも同じ科の植物、そして実の中には小さな種子があり、犬や猫が器用に種子を食べ分けられるとは考えられません。

たとえ熟した果実に毒性成分が含まれないとしても、種は消化に悪く、猫の場合は特に果実の食物繊維で下痢や嘔吐などの消化器系の症状を示す可能性があります。

とはいえ、黒くなるまで熟した実を少量犬や猫が食べた程度であれば慌てる必要はなく、その後に体調の変化がないかしっかりと様子を見てあげるといいでしょう。

万が一、未熟果を食べてしまった、食後に異変が起きたなどがあれば動物病院を受診しましょう

まとめ

ジューンベリーは四季を楽しめ、また実も食べられることで人気の果樹ですが、枝や葉に毒性成分である青酸配糖体が多く含まれるといわれています。

犬や猫は好奇心旺盛なので、枝をおもちゃにしたり葉をかじってしまうことは多々あるので、中毒症状を引き起こす植物を屋内に飾る事や、犬猫の行動範囲内で育てるのは危険を伴います。

ジューンベリーに含まれる青酸配糖体は摂取量によっては命の危険もある強い毒性成分なので、少量であっても誤食がないように飼い主は十分に注意しましょう。

参考:ジューンベリーの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox

参考:アミグダリン

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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