ハート型のかわいらしい葉っぱが印象的なかいわれ大根は、シャキシャキとした食感と、少しピリッとした辛味が特徴です。
サラダで使われるのが定番ですが、それ以外にも薬味として餃子やお刺身に添えられたり、スープや炒め物などにも使われる名脇役的存在です。
犬猫はかいわれ大根を食べても大丈夫!
かいわれ大根は細い見た目に反して様々な栄養素を含んでいて、犬猫が食べても大丈夫な食材です。
本記事では
- そもそもかいわれ大根とは?
- 普通の大根との栄養面での違い
- かいわれ大根を犬猫に食べさせるメリットや注意点
- 愛犬愛猫用のかいわれ大根を使った手作りごはんレシピ
などについてお話ししていきます。
そもそも「かいわれ大根」ってなに?
かいわれ大根は、スプラウト野菜の一種です。
大根の種を暗所で栽培し、発芽して双葉が開いたところに光を当てて緑化させることにより作られます。
ちなみに「かいわれ」は漢字で「貝割れ」と書き、かいわれ大根の葉が開いた様子が二枚貝に似ていることが名前の由来と言われています。
スプラウト野菜って?
スプラウト野菜は植物の新芽を野菜にしたものの総称を指す言葉です。
植物の赤ちゃんのような存在であり、大豆から作られる「もやし」をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
大きく成長するための栄養素を内に秘めており、成熟した野菜よりビタミンやミネラルが多く栄養価が高いのが特徴。
大根の他に
- ブロッコリー
- マスタード
- レッドキャベツ
- アルファルファ
などの種類が栽培されています。
かいわれ大根と大根の栄養素
かいわれ大根(芽生え 生)と大根(根 皮なし 生)100g当たりの栄養素
かいわれ大根 | 大根 | |
---|---|---|
エネルギー | 21kcal | 15kcal |
たんぱく質 | 1.8g | 0.3g |
食物繊維 | 1.9g | 1.3g |
カルシウム | 54mg | 23mg |
マグネシウム | 33mg | 10mg |
リン | 61mg | 17mg |
βカロテン | 1900㎍ | 0㎍ |
ビタミンE | 2.1mg | 0mg |
ビタミンK | 200㎍ | Tr(微量) |
ビタミンC | 47mg | 11mg |
葉酸 | 96㎍ | 34㎍ |
ビオチン | 47㎍ | 11㎍ |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
かいわれ大根と大根、それぞれ100gあたりの栄養素を比較してみると、かいわれ大根の方が大根より栄養面で秀でていることがわかりますね。
大根にはβカロテン・ビタミンE・ビタミンKはほぼ含まれていませんが、かいわれ大根は豊富に有しており、特に注目すべき点です。
かいわれ大根を犬猫に食べさせるメリット
かいわれ大根に含まれる主な栄養素の働きを簡単にまとめます。
- βカロテン:犬の場合体内でビタミンAに変換され、目を守り免疫力を高めます。また、これ自体に抗酸化作用があります。
- ビタミンE:強い抗酸化作用を持ち、老化予防・がん予防・動脈硬化予防に期待できます。
- ビタミンK:血液の正常な状態を保つ効果と、丈夫な骨作りを助ける役割を持っています。
- ビタミンC:コラーゲンの生成に不可欠で、筋肉や皮膚などを強化します。抗がん・抗ストレスの効果もあります。
- 葉酸:赤血球の合成をサポートし貧血を予防する他、DNAの合成、動脈硬化予防など様々な働きをしています。
- ビオチン:皮膚の健康維持のために必須のビタミン。アレルギーやアトピーの抑制効果も持っています。
これ以外にも「がん予防」に期待が持てる辛味成分「イソチオシアネート」を含んでいますし、「抗酸化作用」と「ホルモン調整」の働きをする「メラトニン」も有しています。
また、非常に低カロリーで食物繊維もあるので、栄養補給とダイエット両方に期待できる食材です。
かいわれ大根を犬猫に食べさせる時の注意点
鮮度が落ちやすい
かいわれ大根は非常に鮮度の落ちやすい野菜です。
犬猫に食べさせる時は買ってきたその日か、遅くてもその次の日までには与えるようにしましょう。
辛味を嫌がる子も中には居る
かいわれ大根は辛味成分「イソチオシアネート」により独特の辛味を持っています。
著しく辛い訳ではないので犬猫は気にせず食べることもありますが、中には嫌がって全く食べない子も居ます。
加熱処理を行うと辛味成分「イソチオシアネート」は減少し食べやすくなるので、調理の際は愛犬愛猫の好みに合わせて検討してみてください。
水溶性の栄養素が多いので調理法に注意
加熱処理の際に茹でると、葉酸・ビオチン・ビタミンCなど一部の栄養素が溶け出してしまうことに気をつけてください。
- 加熱処理を行わず生で与える
- 炒めるなど水を使わない加熱を行い、栄養を溶けさせない
- スープにして栄養の溶け出した水分ごと摂取させる
などの方法を取ると栄養をしっかり摂取出来ます。
甲状腺に疾患のある犬猫は気を付けて
大根を含むアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という成分が含まれていますが、これは甲状腺ホルモンをつくるのに必要な「ヨウ素」の吸収を妨げてしまいます。
健康な犬猫であれば気にするようなものではないですが、既に甲状腺に疾患のある犬猫には食べさせないほうがいいでしょう。
アレルギーを考慮する
かいわれ大根が特に危険な訳ではないですが、初めての食べ物を食べさせる時は少量からにし、アレルギー反応が出ないか様子を見ましょう。
- 目や皮膚の赤身・痒み
- 下痢・嘔吐
- 体毛が抜ける
の様な症状が出た際はアレルギーの可能性があるので、食べさせるのをやめましょう。
酷い場合は動物病院へ連絡を。
犬猫への与え方
かいわれ大根は細長いのでそのまま犬猫に食べさせると、喉に引っかかったりうまく消化できなかったりすることが考えられます。
食べさせる時は愛犬愛猫の体格や体質に合わせなるべく短くきざみましょう。
与える量もごく少量が望ましいです。
辛味を嫌がっている様子であれば加熱処理を行うと和らぎますが、無理して与えないようにしましょう。
犬猫用のかいわれ大根を使った手作りごはんレシピ
かいわれ大根と鶏ささみのスープ
材料
- かいわれ大根
- 鶏ささみ
- にんじん
- しめじ
作り方
- 具材をそれぞれ愛犬・愛猫に合った食べやすいサイズにカットします
- 鍋に水を入れたら中火にし、にんじんとしめじから先に茹でていきます
- 野菜に火が通ってきたら鶏ささみを鍋に入れ、さらに加熱します
- 最後にかいわれ大根を入れ、一煮立ちさせたら完成です
水溶性の栄養もスープごと摂取できる出来るヘルシーなレシピです。
かいわれ大根は細くすぐに火が通るので、最後に少しだけ加熱させます。
作る時の量や実際に与える量は愛犬愛猫に合わせて調節してください。
あまったスープにはコンソメや塩コショウで味付けし、人間用にできます。
【まとめ】犬猫は大根を食べても大丈夫
かいわれ大根は犬猫が食べても大丈夫です。
大根の種から作られるスプラウト野菜であり、βカロテン・ビタミンE・ビタミンKをはじめ様々な栄養素が含まれています。
カロリーも低いので、ダイエット中の栄養補給にも使えます。
注意点はこちらの5つです。
- 鮮度が落ちやすい
- 辛味を嫌がる子も中に入る
- 加熱するときは水溶性の栄養が溶けることに気を付ける
- 甲状腺に疾患のある犬猫には食べさせない方がいい
- アレルギー反応に気を付ける
細い見た目に反して様々な栄養を持つかいわれ大根。
ぜひ、愛犬愛猫の手作りごはんに取り入れてみてください。