犬猫はウコンを食べても大丈夫?肝機能への影響や副作用について解説

ウコンってそもそも何?

ウコンはショウガ科の植物で、いくつか種類があります。

秋ウコン、春ウコン、紫ウコンなどがあり、一般的に使われているウコンといえば秋ウコンです。

カレーのスパイスとして使われる黄色い粉で、『ターメリック』という呼び名でも知られています。

ウコンは室町時代に日本の沖縄に伝わり、『うっちん』と呼ばれ生薬として重宝されていました。

犬猫はウコンを食べても大丈夫?

スパイスと聞くと、犬猫にとって刺激物となり危険な食材なのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、ウコンは犬猫が食べても大丈夫な食材です。

犬猫の総合栄養食であるドライフードに使用されたり、サプリメントとして販売もされています。

ウコンに含まれる成分が肝臓の機能を高める働きがあることから、昨今ではお酒を飲む前などに服用することで二日酔い対策になるとされるドリンクや顆粒タイプのウコンが含まれた商品が有名です。

また、宇宙飛行士の放射能による影響を防ぐために、宇宙食のカレーにも使われていたりもします。

肝臓の機能を高めるほかにも様々な効能が期待されるウコンは、猫にとっても健康的メリットが期待できる食材です。

ウコンを犬猫に与えるメリット

ウコンには肝臓によいだけではなく、豊富なミネラルの含有や病気の予防に活躍が期待されています。

ここでは栄養やその効能について解説します。

ウコンに含まれる『クルクミン』の有効性

ウコンにはポリフェノールの一種であるクルクミンという成分が含まれています。

このクルクミンは特に秋ウコンに多く含まれている黄色の色素成分です。

クルクミンには抗酸化作用をはじめ、肝機能を高める効果、胆汁の分泌を促進してコレステロールを低減させる働きがあります。

他にも、病気の原因となるたんぱく質の蓄積を予防する働きがあることからアルツハイマー病の予防になることが注目されています。

また、抗炎症効果の作用も期待されることから犬猫の骨関節炎に対する有効性や、細胞の形質変化や腫瘍発生、血管新生、浸潤転移を抑える効果の報告などもあります。

参考:犬の乳腺腫瘍におけるNF-κBの活性化あるいは抑制と悪性度との関連に関する研究

参考:骨関節炎を伴う犬及び猫における緑イ貝、クルクミンおよびクロフサスグリ葉エキスを含む栄養的サプリメントの有効性

食欲増進や血流改善効果に期待!

ウコンには強い抗酸化作用が期待されています。

この抗酸化作用は、血中の悪玉コレステロールの酸化を防ぐ効果やコレステロール値を下げて血流を改善する効果が期待されています。

これらの効果によって、動脈硬化の予防や脳卒中、心臓病などの予防にも繋がると言われています。

また、ウコンには胃の働きを活発にする作用があり、食欲を増進される効果があると言われています。

胃液の分泌を高める効果や胃粘膜の保護の効果が期待され、人間に対してではありますが、消化不良患者にウコンの摂取をさせたところ、患者の症状改善が認められたとの報告があります。

これらのことから夏バテや消化不良などで食欲不振を起こしている犬猫にとっても有効的であると考えられます。

参考:Phase II clinical trial on effect of the long turmeric (Curcuma longa Linn) on healing of peptic ulcer

食物繊維

ウコンには食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維は食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したり、腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善し、便通を促してくれます。

またコレステロールの排出のサポートや腸内の不要なものを排出する効果があるので便秘気味であったり、ダイエット中の愛犬愛猫にも活躍する物質です。

ミネラル

ウコンはカルシウム、マグネシウム、鉄分、カリウムなどのミネラルも豊富です。

カルシウムは体を支える骨格の強化に活躍する働きがあり骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。

マグネシウムはカルシウムと密接なかかわりながら筋収縮の制御や血栓を作りにくくするといった役割があります。

カリウムは利尿作用が期待でき、ナトリウムを排出する事で塩分の摂り過ぎを調節する重要な役割を果たします。

ウコンを与える際の注意点

過剰摂取は副作用や肝機能障害の悪化を招く

ウコンは生薬として知られ、人だけではなく犬猫に対してもサプリメントが販売されるなど健康効果が期待されていますが、長期的に大量に摂取することは過剰摂取となり逆効果となるケースも報告されています。

通常、食事中に含まれる程度の量の摂取であれば安全であると考えられますが、過剰摂取が続けば消化管障害などを引き起こすと言われています。

またすでに肝機能障害がある場合には、ウコンに含まれる鉄分が体内に蓄積しやすくなり、更に疾患を悪化させることもあるようです。

その為、愛犬愛猫に肝機能障害などの疾患がすでにある場合には獣医師にウコンを与えても大丈夫か、またどの程度の量を与えるべきか相談をしてから使用しましょう。

参考:「健康食品」やサプリメントを摂りすぎていませんか?(日医ニュース)

参考:健康食品の摂取により薬物性肝障害を発症することがあります-「医師からの事故情報受付窓口」から-

まとめ

ウコンは犬猫のドライフードにも使用されていたり、犬猫用のサプリメントとして販売されるているように、犬猫が食べても大丈夫な食材のひとつです。

ウコンは人間でも生薬として扱われるように、肝臓の機能を高める効果や、抗炎症効果、抗酸化作用、食欲増進や血流改善効果が期待されています。

またウコンの食物繊維や豊富なミネラルは犬猫の健康維持に役立つと考えられます。

ただし、過剰摂取はその健康的効果を得られるどころか健康被害を及ぼす場合があるので禁物です。

現在、肝機能障害を患っていたり、その他消化器官の疾患を持つ場合は必ずかかりつけの獣医師に相談してから犬猫に与えるかどうか判断しましょう。

参考:食材大全(NHK出版)

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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