ケチャップについて
ケチャップはトマトに糖類・お酢・食塩・たまねぎ・香辛料などを加え、煮詰めて作られるものです。
トマトに含まれるグルタミン酸は他のうま味と合わさることでさらに美味しさを増すので、ケチャップは様々な料理や食材と好相性です。
定番のオムライスはもちろんのこと、エビチリや酢豚などの中華、煮物や豚汁と言った和食にも意外と合うようです。
犬猫にケチャップは与えてはいけない
トマトを使っているケチャップは他の調味料類と比べなんとなく健康なイメージがあるので、犬猫の食事にどうかな?とお考えの方も居るかも知れませんが、犬猫にトマトケチャップを与えるのはNGです。
こちらの記事では、
- 犬猫にケチャップを食べさせてはいけないその理由
- 致死量や中毒になる量、考えられる症状
- 誤食してしまった場合の対応方法
などを解説していきます。
ケチャップで犬猫が血便になる?
トマトに含まれる玉ねぎの成分により犬猫が中毒を起こし、症状の1つとして血便になってしまうことがあります。
血便の状態で病気などの緊急度を判断する際に、ケチャップと便の状態が似ているかどうかが判断基準となることもあるそうですが、これにはケチャップを口にしたかどうかは関係していません。
ケチャップの様な「血液の下痢」がみられる場合、菌の感染が疑われ、発熱・嘔吐の症状が出るケースも多いです。
多量の血液便がみられる場合は貧血や感染に伴う敗血症の恐れもあり、命に関わる事態となるため、注意が必要です。
犬猫にケチャップを与えてはいけない理由
玉ねぎやにんにくが原材料に使われおり、中毒症状が出る可能性
どのメーカーの製品なのかにもよりますが、ケチャップにはトマトの他に玉ねぎやにんにくが使われています。
玉ねぎやにんにくが分類されるネギ属には「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれていて、犬猫が摂取すると中毒を引き起こし赤血球が破壊される可能性があります。
赤血球が破壊されてしまうことで、
- 下痢・嘔吐
- 食欲不振
- 呼吸困難
- 歩行障害
- 溶血性貧血
- 血尿・血便
- 急性腎障害
などの症状が現れはじめ、酷い場合は死に至る可能性もあります。
塩や調味料で味付けがされている
ケチャップは塩や調味料で味付けがされています。
これらは少し口にして今すぐ重大な危険があるわけではありませんが、犬猫にむやみに口にさせるのは適していません。
塩分は多少なら犬猫にも必要ですが、過剰に摂取すると腎臓病や尿路結石のリスクがあり、ほかの調味料に関しても、刺激のあるものは胃や腸を刺激し下痢・嘔吐などを招くことが考えられます。
ケチャップの致死量は?
ケチャップに含まれるネギ属は犬猫に大変危険な中毒症状を引き起こすとお話ししました。
どの程度摂取すると中毒を起こすのか、命の危険があるのかなど気になるとは思いますが、はっきりとお伝えすることは難しいです。
- 体重1kgに対して5g食べると中毒症状
- 体重1kgに対して20g食べると致死量
こちらがネギ属を犬猫が摂取した際に症状が現れる目安と考えられていますが、あくまで目安です。
人間でも同じような体格の人が同じものを食べたのに、元気だったり体調を崩したりと個人差があるように、犬猫も様々な個体差があります。
たくさん食べても元気な子もいれば、少量でも重い症状になってしまう子もいますので、目安より少ないから、元気そうにしているからと軽く考えないようにしましょう。
ケチャップを口にしてしまった時は
まずは動物病院へ連絡を
犬猫がケチャップを口にしてしまったときは症状の有無にかかわらず動物病院へ連絡を取りましょう。
ネギ属を食した時の症状はすぐに現れることもありますし、1日ほど時間が経ってから現れることもあります。
自己判断で大丈夫とはせず、獣医師と相談し病院へ連れていくべきなのか自宅で様子を見るべきなのか指示を仰ぐようにしましょう。
- 現在の犬猫の様子は?
- ケチャップをどの程度食べてしまったのか?
- ケチャップ以外に食材や入れ物の誤食はないか?
- 口にしてからどの程度の時間が経過しているのか?
以上のことがある程度分かっていると診察がスムーズになります。
トマトは犬猫が食べられる?
トマト自体は犬猫が食べても大丈夫な食材です。
リコピンやビタミンCが豊富で健康効果に期待できますが、注意点もありますので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
マヨネーズは大丈夫?
マヨネーズも犬猫に食べさせるべきではありません。
玉ねぎやにんにくが使われていないのでケチャップよりは危険性が低いと考えられますが、油・調味料・アレルギーなどを考えると誤食を避けるべきです。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
まとめ
犬猫にケチャップを与えてはいけません!
多くのケチャップには原材料として玉ねぎやにんにくなどのネギ属が使われており、犬猫にとって大変危険です。
ネギ属で中毒症状を起こすと、
- 下痢や嘔吐
- 溶血性貧血
- 血尿・血便
- 急性腎障害
などの重い症状になる可能性があり、酷い場合は死に至る可能性も。
その他に塩や調味料が使われており、これらも犬猫の健康のためにはむやみに摂取させるべきではありません。
万が一誤食が起きてしまった際は、症状の有無に関わらず動物病院へ連絡を取り指示を仰ぎましょう。
参考
KAGOME「トマトケチャップのおいしい話」
発行:ねこねっこ「猫が食べると危ない 食品・植物・家の中の物図鑑」