犬猫はもずくを食べても大丈夫?過剰摂取はNG。ネバネバの有効成分フコイダンについて

少量であればもずくは犬猫が食べても大丈夫

もずくはスーパーなどで一年中手に入るほど日本人の生活に密着した海藻の一種で、猫が食べても中毒を引き起こすような成分は含まれていないため、少量であれば与えても問題ないでしょう。

海藻には犬猫にとって有益な効果もあれば注意点もいくつかあります。

この記事ではもずくについて解説します。

もずくの種類について

スーパーなどに並ぶもずくには、生のほかにも乾燥・塩蔵・もずく酢として調味されたものと種類があります。

生もずく

生もずくは採れたもずくを洗浄し、そのままパック詰めしたものを指し、塩抜きなどの必要はなく、流水で洗えばすぐに食べられるのが特徴です。

常温保存や長期保存はできないので冷蔵庫で適切な管理と早めに食べる事に気をつけなければいけません。

乾燥もずく

もずくを採った後に乾燥させたもので、常温で長期保存ができるのが特徴です。

好きな量をを取り出し、水で戻すだけで使えるお手軽さも重宝されます。

塩などの添加が無いものであれば、浸透圧などによる影響で養成分の流出も少なく済むことが考えられます。

塩蔵もずく

塩蔵もずくは長期保存を目的としもずくを塩漬けに加工したもので、常温で長く保存ができるので常備する事ができます。

塩がもずくに浸透しているので食べる前には必ず十分な塩抜きが必要となり、塩抜きをする際にもずくの栄養成分も流出してしまうこともあるようです。

もずく酢

スーパーなどでもずく酢として食べきりサイズで販売されており、一番手軽にもずくが食べられる商品でしょう。

ただし、このもずく酢は人間が食べやすいようにすでに酢や砂糖などで調味されているものなので、犬猫に与えるのには健康被害の懸念からおすすめできません

もずくを犬猫に与えるメリット

もずくのネバネバ『フコイダン』には様々な有効効果が!

もずくはわかめや昆布、ひじきなどの仲間で褐藻類の一種です。

もずく特有のネバネバ(粘質)はフコイダンという成分で、褐藻類のほとんどに含まれていますが、ずくが特に有量が多と言われています。

フコイダンには様々な健康効果がある事で知られており、コレステロールの低減作用、血糖値上昇抑制作用、アレルギー緩和作用、抗酸化作用など多岐に渡ります。

これらの他にも、胃の粘膜をを保護する効果や抗がん作用に対する研究報告も多くあります

参考:内閣府認証 特定非営利活動法人 NPOフコイダン研究所

2種類の食物繊維で整腸効果に期待

もずくには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類が豊富に含まれています。

水溶性食物繊維は食後の血糖値の上昇を抑え、コレステロールの排出をサポートし、不溶性食物繊維は水分を吸収し、便のカサ増しや腸のぜん動運動を活発にする作用で便通の改善に活躍します。

上記でも解説したフコイダンには下痢や便秘の症状を緩和させる効果があるといわれていますので、もずくは腸内環境の改善に活躍してくれる食材といえるでしょう。

犬猫にもずくを与える際の注意点

尿路結石(結石症)や腎臓の疾患に注意

もずくにはミネラルが比較的豊富に含まれています。

わかめやこんぶに比べれると含有量は少ないですが、大量に与えてしまえば犬猫にとってミネラルの過剰摂取となり、尿路結石を引き起こす原因となる可能性がある事が知られています。

特に猫は尿路結石(結石症)にかかりやすいので注意が必要です。

また腎臓疾患をもつ犬猫はミネラル成分の摂取制限がある場合があり、もずくの摂取が状態の悪化を招いてしまう事もあります。

もずくに含まれる主なミネラル

主なミネラル含有量
ナトリウム90mg
カリウム2mg
カルシウム22mg
マグネシウム12mg
リン2mg
0.7mg
藻類/(もずく類)/もずく/塩蔵/塩抜き100gあたり

食物繊維の摂り過ぎに注意

もずくは食物繊維も豊富なので、摂り過ぎは下痢や嘔吐を伴う消化不良を引き起こす原因となります。

ダイエット効果や様々な健康効果があるとはいえ、一度に多量に与えたり毎日のようにもずくを与える事は犬猫にとっては好ましくありません。

与える際には毎日のように与えず、時々少量をトッピング程度にする程度や、手作りごはんの食材の一部に少量を使用する程度にすると良いでしょう。

参考:食品成分データベース

味付け不要!塩蔵もずくや乾燥もずくに注意

もずくはもずく酢として食べられることが多く、酢や砂糖、他の調味料で調味済みのものが販売されています。

しかし犬猫にとって人間用に調味されたものはその塩分や糖分などによって健康被害を起こす可能性があり、食べさせるべきではないものです。

犬猫におすすめのもずくは、調味料や添加物の使用がない生もしくは乾燥のものでしょう。

ただし乾燥もずくは水で戻すと約20倍前後に増えるといわれているため、そのまま食べさせてしまうと胃の中の水分を吸って膨張し、消化不良や腸閉塞などの恐れがあります。

また塩蔵もずくに関しては大量の塩を使用しているので、しっかりと塩抜きしたものをさらに流水で洗う、サッとゆでるなどしたものを使用するひと手間を惜しまないであげると良いでしょう。

もずくの加工状態によっては上記のような注意点がありますので、必ず水で洗う・水で戻す・塩抜きをするなどそれぞれの状態に合った下処理を行ってから犬猫へ与えるようにしましょう。

まとめ

もずくは犬猫が食べても大丈夫な食材です。

豊富な食物繊維による整腸作用や、褐藻類特有のフコイダンによる様々な健康効果は犬猫にとっても有益な成分でしょう。

ただしミネラルが比較的豊富に含まれた食材なので、過剰摂取をしてしまうと尿路結石を引き起こす可能性や腎臓病などの疾患を悪化させてしまう可能性があります。

犬猫に疾患がある場合には獣医師に確認してから判断しましょう。

健康な犬猫であってももずくを過剰に与えることはせずに、あくまで少量を時々与える程度に控えるといいでしょう。

もずくの加工状態によっては適切な下処理が必要となりますので、しっかり処理方法を確認し、犬猫にとって安全な状態であるものを与えるようにしましょう。

参考:食品大全(NHK出版)

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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