愛犬・愛猫に与えるマスカットについて
強い甘みとジューシーな果肉が特徴のマスカット。日本生まれの「シャインマスカット」は特に人気があります。
シャインマスカットは主に山梨・長野・山形・岡山などで生産されており旬は生産地によって少しずれがありますがおおよそ夏から秋(7月~10月)にかけてです。
おうちでシャインマスカットを食べているときに愛犬・愛猫が興味を持ってきて一粒あげたくなるなんて場面があるかもしれません。
今回はマスカットは犬猫は食べても大丈夫なのかについて解説していきます。
犬や猫にはマスカットを食べさせないで!
犬猫にマスカットを食べさせてはいけません。
ぶどうは犬猫が食べてはいけない食材なのですが、マスカットはぶどうの品種のうちの一つなので食べさせてはいけません。
なぜ食べさせてはいけないのでしょうか。理由については以下で解説します。
ブドウ中毒の危険性がある
犬猫がマスカットを食べると「ブドウ中毒」になる可能性があります。
ブドウ中毒になる原因
犬猫がマスカットなどのぶどう類を食べるとブドウ中毒になるということはわかっていますが
なぜブドウ中毒になるのか、なんの成分が原因なのかなど詳しいメカニズムは解明されていません。
殺虫剤・農薬・ビタミンD類似物質・カビなどが疑われており、実より皮の部分が危険性が高いと言われています。
そのため通常皮ごと食べるマスカットはもしかするとぶどうより危険かもしれないのです。
ブドウ中毒の症状
ブドウ中毒になった場合、数時間で下痢や嘔吐などの症状が現れ、震えやけいれんが見られる場合もあります。
悪化すると急性腎不全になる危険性があります。
急性腎不全の危険性
急性腎不全とは腎臓の機能が急激に弱まってしまう病気で、最悪の場合死に至ることもあります。
腎臓は体の中にある老廃物や余分な水分を外へ出して、血液をきれいにするとても大切な器官です。
腎不全の症状の中でも特に危険なのが尿が出なくなる「無尿症」です。発症すると命に関わる非常に危険な状態なので注意しましょう。
犬猫がマスカットを食べてしまわないために
まずは保存方法に気をつけましょう。
シャインマスカットは冷蔵保存(野菜室での保存)が推奨されていますので冷蔵庫で保存するのが一般的かと思います。犬猫が冷蔵庫を開けてしまわないように注意しましょう。
食べるときの注意点ですが、猫は肉食動物ということもありますので突然マスカットにかぶりついてくることはあまりないと思います。
犬を飼っている方は、マスカットを食べているときに一粒落としてしまってそれを愛犬がくわえてしまったり食べたりすることがあるかもしれません。注意しましょう。
食べた後の生ゴミにも注意してください。マスカットはぶどうと違って皮ごと食べるのが一般的なので皮のゴミはあまり出ないかもしれませんが
痛んでいた粒を食べずに捨てた場合などには犬猫がゴミ箱からそれを発掘してしまわないように気をつけましょう。
マスカットを食べてしまったときの対処法
どんなに気をつけていても食べてしまうこともあるでしょう。食べてしまったものは仕方ないので焦らず迅速に対処しましょう。
すぐに獣医に相談
愛犬・愛猫がぶどうを食べてしまったとわかった時点で動物病院に連絡するのが一番確実な対処方法です。
過去には複数個食べても平気だった場合もあれば一粒で重傷化した場合もありますので自分で経過観察はせずに獣医のアドバイスを聞くのが最適でしょう。
口内に残っている場合は取り出す
もし愛犬・愛猫がマスカットを目の前で食べた場合はすぐに止め、口を開き、マスカットが見えていたら取り出してあげましょう。
吐き出させたとしても破片を飲み込んでしまっているかもしれないので油断は禁物です。
無理矢理吐き出させるのはダメ
犬猫がマスカットを飲み込んでしまった場合、塩や塩水を舐めさせて吐き出させるという方法があるようですがこれは絶対にやめてください。
もし吐き出したとしても塩分過多は犬猫の腎臓に負担をかけてしまいます。
まとめ
犬猫にマスカットは食べさせてはいけません。大事なポイントをおさらいしましょう。
- 原因不明の「ブドウ中毒」の可能性がある
- 急性腎不全の危険性がある
- もし食べてしまったら可能な限り迅速に獣医へ相談する
今回はマスカットについて紹介しました。マスカットは犬猫にとって大切な腎臓を痛める可能性がある食材です。
腎臓の細胞は一度死んでしまうと回復することはありません。十分に注意してください。