みょうがとは
爽やかな香りと美しい紅色をした香味野菜のひとつであるみょうがは、アジア原産で古くに日本に伝わり、各地の山野に自生しています。
現在ではハウス栽培で一年中スーパーに並ぶ野菜ですが、通常6月頃の初夏から10月頃の秋にかけて旬を迎えます。
このみょうが、実は野菜として食べるのは日本人と中国のごく一部だけといわれています。
みょうがの食べ過ぎはバカになるという昔の言い伝えがありますが、実際に脳に影響を及ぼすなどの成分はみょうがには含まれていません。
食べても大丈夫だが推奨はできない
みょうがはショウガ科ショウガ属の植物で、犬猫が中毒症状を引き起こすような有毒成分は含まれていませんが、安易におすすめはできません。
ごく少量であれば食べても大丈夫と言えるのですが、みょうがには辛み成分が含まれ犬猫にとっては香りや刺激が強いため、たくさん食べててしまうと消化器系に不要な負担を与えてしまう可能性があります。
犬猫へみょうがが推奨できない理由
みょうがに含まれる辛み成分『ミョウガジアール』
みょうがにはミョウガジアールと呼ばれる辛み成分が含まれています。
辛み成分=犬猫にとって有害と考える方も多いと思います。
みょうがの辛味の強さは、トウガラシのカプサイシンの約1/100程度といわれており、この程度のやわらかな辛みであれば犬猫の健康に被害を及ぼすほどではないとされることもあります。
ミョウガジアールは、強い抗菌効果があることでも知られていて、抗炎症、抗アレルギー作用も期待され、慢性炎症疾患の治療に役立つ可能性があるとの報告もあります。
このようなメリットがあっても、過剰に摂取すればその辛味成分が犬猫の体に負担がかかることは簡単に想定されます。
丸ごとかじらせたり一度に何個もかじってしまう事があれば下痢や嘔吐などの症状を引き起こす可能性も考えられるため、積極的に与えることはおすすめしません。
食物繊維が豊富で消化不良を起こす可能性
みょうがは食物繊維が多く、食感としてもシャキシャキとした硬めの食材です。
また、ミョウガジアールと呼ばれる辛み成分を含むので、過剰摂取は胃腸へ不要な負担を与える事が懸念されます。
また犬や猫は人間より消化能力が低くあまり咀嚼せずに丸飲みしてしまう習性があるため、丸ごと1個や大きなカットのみょうがを食べる事で下痢や嘔吐などの消化不良を引き起こす可能性があります。
犬は食べても大丈夫だけど猫はNG?
みょうがについて検索をすると、犬はみょうがを食べても大丈夫とされる情報に対して、猫は食べてはいけない食材との情報を見かけることがあります。
みょうがが薬味として使われることや、上記で解説した辛み成分が含まれることでネギ類やトウガラシなどと同一視されて記載されていることが多いようです。
しかしみょうがにはネギ類などに含まれる犬猫にとって直接的な有毒成分『アリルプロピルジスルフィド』が含まれているとの学術的記事はないことや、中毒症状の報告はありません。
このため犬も猫も絶対に食べてはいけないと断言することはできませんが、他の野菜と比較して香りも刺激も強めな野菜である事には変わりありません。
猫だけではなく犬に対しても推奨しがたい食材です。
犬猫が大量のみょうがを食べてしまったら
みょうがは犬猫が中毒症状を引き起こすような成分は入っていないが、辛み成分が含まれているため犬猫には推奨できない食材であると解説してきました。
しかし、中にはみょうがが大好きな犬猫も存在し、強い香りに誘引され食べたがる場合もあるようです。
みょうがに直接的な有毒成分は入ってないとはいえ、大量に食べれば辛み成分や食物繊維によって消化器系に何かしらのダメージを与える可能性が考えられます。
明らかに大量に食べていることが分かった場合、みょうがが口の中に残っているようであれば、口を開けて取り除きましょう。
すでに飲み込んでしまっていた場合には、何個ほど食べてしまったのか、時間の経過、食後の様子を注意深く観察しましょう。
食後に異常がみられた場合には、動物病院で受診し、詳細を獣医師に伝えましょう。
また、みょうがを大量に自宅保管する際には、犬猫の手が届かない場所で保管するように気をつけましょう。
まとめ
犬猫にはみょうがは食べさせない方がよいでしょう。
みょうがは犬猫にとって有害な成分は含まれていませんが、辛み成分が少なからず含まれています。
また、豊富な食物繊維も含まれており、一度に多量のみょうがを食べさせてしまうと胃腸へ大きな負担をかける可能性があります。
このような特徴を持つみょうがなので、当サイトでは推奨しがたい食材であり、積極的に食べさせる必要はないと考えます。
参考:食材大全(NHK出版)