犬猫はなめこを食べても大丈夫!ぬめり成分に含まれる食物繊維やコンドロイチンについて

犬猫はなめこを食べても大丈夫!

独特なぬめりがある『なめこ』は日本の食卓にはとても馴染みがあるキノコの一種で、犬猫が食べても大丈夫な食材です。

天然のなめこは9~11月頃に旬を迎えますが、なめこの多くは菌床栽培にてつぼみの状態で収穫されたもので、真空パックの状態で1年中流通しています。

他にも株の状態で出荷される『かぶとりなめこ』や、大きく育てた『ジャンボなめこ』もあります。

この記事ではなめこを与えるメリットや注意点について解説します。

犬猫になめこを与えるメリット

食物繊維

なめこには水溶性・不溶性のどちらの食物繊維も豊富に含まれ、なめこの表面のぬるぬるは、水溶性食物繊維の1種のペクチンです。

水溶性食物繊維はコレステロールの排出を促す働きがあることが知られ、不溶性食物繊維は血糖の上昇を緩やかにしてくれる効果や、腸内で水分を吸って膨らむことで便のカサを増し便通を改善する効果が期待されています。

なめこを茹でたときは煮汁ごと与えることで水に溶けだした水溶性食物繊維もしっかり摂取できます。

コンドロイチン

微量ですがなめこのぬめり成分の中にはコンドロイチン硫酸という成分も含まれています。

このコンドロイチン硫酸には皮膚に弾力を与えたり、関節をスムーズに動かす効果が期待されています。

運動量の多い犬猫は関節の疾患に悩まされることが多くあります。

なめこに含まれる微量のコンドロイチン硫酸だけで関節疾患の完治・改善は現実的でないですが、日ごろから摂取することにより健康維持や予防に役立ってくれるでしょう。

補酵素パントテン酸

なめこにはビタミンのひとつである補酵素パントテン酸が含まれています。

これは副腎皮質ホルモンの合成を促進し、ストレスを感じたときに緩和する働きがあります。

また、善玉コレステロールを増やしたり、ホルモンや抗体の産生などにも関与しているといわれています。

カルシウム

なめこにはカルシウムも含まれています。

カルシウムには骨や歯を丈夫にするほかにも、神経を安定させる効果から、イライラやストレスを軽減する効果が期待されています。

また血液を固めて止血する・ホルモンを分泌させる・細胞分裂を促す・胃液の分泌を調整する・鉄の代謝を補助するなど、実に多様な働きをします。

なめこには鉄が含まれており、その含有量は同じキノコのしいたけの2倍近くになります。

鉄が多いといわれるレバーや、ブロッコリーなどには及ばずとも、キノコ類のなかではトップクラスの含有量です。

鉄は貧血予防の他にも、全身に酸素の供給を行い体内の老化を促進したり、正常細胞を傷つける過剰な活性酸素を分解する働きを持ちます。

犬猫になめこを与える際の注意点

なめこは傷みやすい

なめこはキノコの中でも傷みやすいため、購入後2~3日中の使用がすすめられています。

真空パックに入ったものでも保存期間はおおよそ1週間程度と言われています。

なめこは冷凍保存が可能なので、購入後すぐに与えない場合には、冷凍保存がおすすめです。

またなめこは表面にぬめりがあるため汚れが付きやすくなっています。

使用前にはサッと水洗いか、ザルにあけて熱湯を回しかけるなどで汚れを落としてから使うといいでしょう。

冷凍保存方法

パック入りのなめこはそのまま袋ごと冷凍保存可能です。

ただし水洗いしてから使用してくださいとの記載があるものは、洗ってから保存袋等に入れて冷凍するとよいでしょう。

株とりなめこは、塩を少し加えたお湯でサッと茹でてからお湯を切り、保存袋等に入れて冷凍しましょう。

参考:秋・冬の旬野菜なめこ

必ず加熱調理!生食はNG

なめこなどのキノコが育つ環境は高い湿度が保たれており、それはカビや細菌も繁殖しやすい環境と言えます。

その中には黄色ブドウ球菌などの食中毒を引き起こす菌が付着している場合があります

このようなことからキノコ類はマッシュルームなどの一部を除いては生食は推奨されていません。

ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、私たちがなめこを食べる時はもちろん、犬猫に与える場合も必ず加熱調理をしましょう。

参考:食中毒予防の原則と6つのポイント

食べさせ過ぎには注意!細かく刻んでから与えましょう

なめこには食物繊維が豊富に含まれています。

その含有量はさつまいもより多く過剰摂取は消化不良の原因となり、下痢などを引き起こしてしまう可能性があります

また、犬猫は食べ物を丸飲みしてしまう習性があることや人間より消化能力が低いことから、消化のサポートとして細かく切ったものをトッピングや手作りごはんに使って食べさせてあげると良いでしょう。

参考:食品成分データベース

味付けは不要!人用の料理・加工品はシェアしない

なめこはお味噌汁やなめこおろし、おひたしなど様々な料理で活躍します。

これらの人間用の料理は調味料や薬味などが使われ、犬猫にとっては余分な塩分や糖分、ネギなどの中毒症状を引き起こす食材と組み合わされている場合があります。

なめこは犬猫が食べても大丈夫な食材ですが、上記のような理由から、人用に味付けされた料理や加工品をシェアするのは絶対にやめましょう。

おいしいなめこの選び方

なめこは比較的傷みやすい食材なので購入から2~3日中の使用をおすすめしますが、購入時にも新鮮なモノを選びましょう。

パックのなめこの場合

パック入りのものは袋が膨張していないものが新鮮です。

水煮なめこの場合

水分が濁っていないものを選びましょう。

株とりなめこの場合

加工されていない株で販売されているなめこは、カサが開いたり割れていない肉厚なものがおすすめです。

また表面のぬめりが濁っていないものを選ぶと良いでしょう。

まとめ

なめこは犬猫が食べても大丈夫です!

食物繊維の他にも、カルシウムや鉄、関節の健康維持に効果的なコンドロイチン硫酸、ストレスに対応するパントテン酸の含有など様々な健康効果が期待されます。

ただしキノコの栽培環境は様々な細菌が繁殖しやすく、食中毒を引き起こす菌の付着も考えられるため、なめこの生食はNGです。

自分たちが食べる場合も犬猫に与える場合も必ず加熱調理をしましょう。

なめこを犬猫へ与える際の注意点を理解し、上手に活用して愛犬愛猫の健康維持に役立てていただければと思います。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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