コロっとした丸い見た目が特徴のラディッシュ。
赤いものが有名ですがカブのように白いものや紫色のものもあります。
サラダなどの料理に彩りを加えてくれるラディッシュですが犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はラディッシュを食べても大丈夫!
犬や猫はラディッシュを食べても大丈夫です。
ラディッシュは栄養価が高く健康的な食材として知られていますが、犬や猫に与える際には注意すべき点があります。
辛味成分の正体は?
ラディッシュを食べたときにほのかに感じられる辛味は辛味成分の「アリルイソチアネート」です。
わさびや大根にも含まれている辛味成分で摂取しすぎると消化器系に刺激を与える可能性があります。
しかしラディッシュに含まれているアリルイソチアネートはわさびほど多くないので食べ過ぎない限り問題は起こりにくいと考えられます。
心配な方は火を通したものを与えるか切ったラディッシュを水にさらしておくなどすると辛味を減らすことが出来ます。
ホースラディッシュはNG
皆様はホースラディッシュをご存じでしょうか。
「西洋わさび」とも呼ばれる白いわさびで、日本産の「本わさび」に比べると約1.5倍のアリルイソチアネートが含まれています。
日本ではチューブわさびなどの加工わさびに原料として使用されていたり、ローストビーフの付け合わせとして提供されることが多いです。
名前にラデッシュと付いてはいますが、ホースラディッシュは犬猫には刺激が強すぎるので与えるのはやめましょう。
わさびについては以下の記事も参考にしてみてください。
ラディッシュとはつか大根の違い
「ラディッシュ」とはもともと英語で大根の仲間のことを言いますが日本では小型のはつか大根のことを「ラディッシュ」と呼んでいます。
つまりラディッシュとはつか大根は同じものです。
はつか大根(ラディッシュ)はその名の通り育て始めてから20日ほど(実際には25~30日)で食べられるようになるためこう呼ばれるようになりました。
またラディッシュによく似た野菜で「赤カブ」がありますがラディッシュは大根の仲間、赤カブはカブの仲間で明確な違いがあります。
大根はアブラナ科ダイコン属に属する野菜で、根が膨らんだものです。
それに対しカブはアブラナ科アブラナ属で、根と茎の間の「胚軸」という部分が肥大化したものになります。
一見小型の赤カブにも見えるラディッシュですが実は別のものです。
大根やカブに関しては以下の記事も参考にしてみてください。
甲状腺の機能が低下している犬猫は注意!
甲状腺とはのどのあたりにある器官で、新陳代謝の促進や自律神経の働きを調整するなどの役割を持っている甲状腺ホルモンをつくります。
ラディッシュをはじめとするアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」というヨウ素の吸収を妨げる成分が含まれています。
ヨウ素は甲状腺ホルモンをつくるのに必要な栄養素です。
健康な犬猫の場合はそんなに気にする必要はありませんが甲状腺の機能が低下している犬猫には与えない方がいいでしょう。
ラディッシュに含まれる代表的な栄養素
はつかだいこん 根 生 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 13kcal |
たんぱく質 | 0.7g |
脂質 | 0.1g |
カリウム | 220mg |
ビタミンC | 19mg |
葉酸 | 53μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があり、老化や激しい運動による酸化ストレスに対して有効です。
ビタミンCが不足すると壊血病(かいけつびょう)という病気になる可能性がありますが犬猫は人間と違い体内でビタミンCを生成することが出来ます。
そのため犬猫がビタミンC不足になるのはかなり稀です。
ビタミンCは過剰に摂取しても尿と一緒に排出されるためアメリカ飼料検査官協会(AAFCO)では上限値は定められていません。
しかし、ビタミンCを摂りすぎると尿中のシュウ酸の量が増えるためシュウ酸カルシウム結石のリスクが高くなってしまいます。
結石が出来たことのある犬猫や好発種は注意しましょう。
また、抗酸化作用のあるビタミンA・ビタミンC・ビタミンEはまとめて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれています。
カリウム
カリウムには細胞機能の維持やエネルギー代謝などとても重要な役割があり、多くの生き物にとって欠かせない栄養素です。
カリウムはあらゆる食材に含まれており、ペットフードにも必要量含まれているためカリウム不足になる心配はあまりないと言えます。
しかし下痢や嘔吐などが続いているとカリウム不足になり「低カリウム血症」を発症する可能性があります。
通常摂取しすぎたカリウムは尿とともに体外へ排出されますが愛犬愛猫の腎機能が衰えている場合は注意してください。
カリウムの排出が上手くできないと血中のカリウム濃度が上がり、「高カリウム血症」の恐れがあります。
高カリウム血症になると消化器官や神経系に異常をきたし、最悪の場合不整脈から死に至ることもあります。
愛犬愛猫のトイレの回数が増えたり、ご飯を食べないなどの症状が見られる場合は早めに獣医に相談しましょう。
葉酸
葉酸はビタミンB9のことで水溶性ビタミンの一種です。
DNAの合成に関与しているビタミンで、胎児は葉酸を大量に消費するため妊娠中の犬猫に特に重要な栄養素です。
また、葉酸は貧血の予防にも効果的な栄養素です。
犬や猫にラディッシュを与える際の注意点
犬猫にラディッシュを与える際の注意点を紹介します。
生でも食べられるが過熱がおすすめ
ラディッシュは犬猫が生でも食べられる野菜ですが、犬猫は野菜の消化を苦手としているため加熱してから与えることをおすすめします。
あまりラディッシュに火を通すイメージは無いかもしれませんが大根のように火を通してもおいしく食べることが出来ます。
初めて食べるときは少量にしよう
犬猫によってはラディッシュの辛味成分に弱い子もいる可能性があるので初めて与える際は少量にし、観察してあげましょう。
また、犬猫はアブラナ科の植物にアレルギーを持っている場合があるためアレルギーの観点からも最初は少量にするのが良いでしょう。
もしアレルギー症状や消化器異常が見られたらそれ以上与えるのはやめ、症状が酷くなる場合は獣医師へ相談しましょう。
犬や猫へのラディッシュの与え方
ラディッシュは大根の仲間なので以下のレシピの大根代わりとして使用してみるといいでしょう。
大根とは違った色合いが楽しめると思います。
豚タンの脂の旨味が溶け出したおいしいスープ。
鶏挽肉でたんぱく質が豊富なレシピです。
【まとめ】犬猫はラディッシュを食べても大丈夫
犬猫はラディッシュを食べても大丈夫です。注意点をおさらいしましょう。
- 辛味成分「アリルイソチアネート」が含まれている
- 消化不良に考慮して与えすぎないようにする
- 甲状腺の機能が低下している犬猫は食べない方がいい
今回は犬や猫にラディッシュを与える注意点を解説しました。
犬や猫の健康を考える上で、正しい与え方を守り、バランスの良い食事を提供することが大切です。