ルバーブとは
ルバーブはシベリア原産のタデ科の植物で、冷涼な気候を好むので日本では北海道や長野県などでよく栽培されています。
ふきのような長い葉柄部分を食べる野菜ですが、独特の強い酸味と香りがあるのでジャムなどにされスイーツの材料に生かされます。
食物繊維が豊富で美肌効果も期待されるビタミンも多いので注目を集める野菜です。
ルバーブの葉は有毒なので要注意
犬猫にルバーブを食べさせてはいけません。
ルバーブの葉には主な毒性として高濃度のシュウ酸が含まれていることが広く知られています。
しかし、危険な成分はシュウ酸だけではなく、「アントラキノン」もルバーブの葉の毒性の原因である可能性が強いとの報告があります。
このアントラキノンは動物実験において、腎臓及び肝臓で発がん作用を有する可能性が示されている物質です。
ルバーブの葉を摂取した場合の中毒症状例
- 胃痛
- 下痢
- 嘔吐
- 腎臓損傷
ルバーブの葉に関しては海外の複数機関が有毒とみなしており、実際にルバーブの葉を摂取した後に発生した急性中毒症例の報告、その中には死亡例もあることが分かっています。
子どもが庭で育てていたルバーブの葉を生で摂取、菜食主義者がルバーブの葉が入ったサラダを摂取、また、動物でもルバーブの葉を摂取したことによる中毒事例が報告されています。
ルバーブの葉に関する毒性は不明な部分も多く、明確な致死量等はわかりませんが、同程度のシュウ酸が含まれるほうれん草を食べたとしても、上記のような中毒症状を引き起こすことはありません。
このため、ルバーブの葉に含まれるシュウ酸以外の成分による影響が大きいことが考えられています。
また、シュウ酸は加熱によって濃度に影響がありますが、アントラキノンに関しては加熱の効果が証明されていないため、たとえ加熱調理をしたとしても食べるのは危険です。
スーパーなどでは食用可能部分だけを切り取り販売されていることがほとんどですが、ルバーブを育てている、葉が付いた状態のもを購入したなどがあれば、犬や猫だけではなく人間も決して食べないように注意しましょう。
食用部分も積極的に犬猫に与える必要はない
葉が有毒であることは解説しましたが、当サイトとしてはルバーブの葉柄部分も犬や猫には与えない方がいいと考えます。
ルバーブには食物繊維、ビタミンの他にもカリウムやカルシウムが豊富で、瀉下作用のあるレインやセンノシドという便秘の改善に有効とされる成分を含みますが、この成分は過敏な人が摂取すると下痢をする場合があります。
人よりも身体の小さな犬猫が摂取すると下痢を起こしてしまう可能性が高いため注意が必要です。
また、ルバーブは酸味が強いので、食べるのを嫌がる犬猫も多いでしょう。
苦手なものを食べさせられることはストレスにも繋がりますので積極的に与える必要はないと考えます。
まとめ
犬猫にルバーブは食べさせない方が良いでしょう。
美容や健康にいい野菜として昨今注目を集めるルバーブですが、その葉の部分には毒性成分を含むと考えられているため注意が必要です。
一般的には食用部分だけを切り取り販売されることがほとんどですが、家庭菜園や葉付のものを取り扱う際には十分に気を付けましょう。
食用部分も犬や猫には消化の負担や下痢といった症状を引き起こす可能性があるためおすすめできません。
ジャムやシロップ漬け等、人間用に加工されたものも糖分の多さが健康被害の原因ともなりますので犬や猫には与えないようにしましょう。
参考:ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)、 ルバーブの葉の毒性及びその毒性に及ぼす加熱調理の影響に関する科学委員会の意見書を公表(食品安全委員会)