犬猫に緑茶は与えてはいけない!カフェインの含有量と犬や猫に及ぼす影響とは?

日本で古くから愛されており、日本人にとってなじみ深い緑茶。

煎茶・玉露・玄米茶・抹茶など色々な種類があり味も様々です。

そんな緑茶は犬猫が飲んでも大丈夫なのでしょうか。

犬や猫に緑茶を与えてはいけない

緑茶にはカフェインが多く含まれていますので犬や猫に与えてはいけません。

カフェインは摂取しすぎると命に関わる場合もあるので今回はその危険性について解説していきたいと思います。

カフェインの効果

カフェインの効果は色々ありますがその効果の1つに「アデノシン」という物質が関係しています。

アデノシンは脳で生成される物質で「アデノシン受容体」と結合することによって神経の興奮を鎮める働きがあります。

カフェインはこのアデノシンと構造が似ているためアデノシン受容体と結合しアデノシンの働きをブロックします。

それにより眠気覚ましや集中力アップなどの効果があります。

他にもカフェインには代謝を促進する効果があるため利尿作用や脂肪燃焼効果があると言われています。

しかしこのような効果は犬猫には必要のないものと言えるので犬猫にカフェインを与えるのはやめましょう。

犬猫のカフェイン摂取の危険性

症状

犬猫がカフェインを摂取することによって起こる中毒症状には以下のようなものがあります。

  • 過度の興奮
  • 嘔吐
  • 動機・不整脈
  • ふらつき
  • 痙攣

これらの中毒症状は犬猫の体重1kgあたり15~20mgのカフェイン摂取で起こると言われています。

致死量

人間の場合カフェインの致死量は5000mg~10000mgだと言われていますが犬猫の場合は体重1kgあたり150mgと言われています。

どちらもはっきりした数値ではなくおおよその数値ですが、犬猫は人間に比べてカフェインの許容量がとても少ないことが分かります。

カフェイン含有量

カフェインを含む飲み物のカフェイン含有量は以下のようになっています。

100mlあたりのカフェイン含有量

玉露160mg
コーヒー60mg
紅茶30mg
烏龍茶20mg
エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料32~300mg(製品によって異なる)

参考:食品安全委員会『食品中のカフェイン』

緑茶のカフェイン含有量は種類によっても異なり、若芽を使用する玉露や抹茶が特に多いとされています。

上記の表から分かるように玉露100mlあたりのカフェイン含有量は160mgもあり、カフェインが多く含まれているイメージのあるコーヒーの約3倍にもなります。

そのためたった100ml飲んでしまっただけでも犬猫は中毒症状を引き起こす可能性があります。

ちなみに厚生労働省の発表によると人間が1日に摂取しても良いとされるカフェイン量は400mgのため玉露に含まれるカフェイン量は人間からしても多いと言えます。

その他の危険性

シュウ酸カルシウム結石

緑茶にはシュウ酸が含まれるため飲んでしまうとシュウ酸カルシウム結石の恐れがあります。

犬猫が発症しやすい結石はストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石の2種類ありますがストルバイト結石は食事療法により少しずつ溶かしていくことが可能です。

しかし、シュウ酸カルシウム結石は一度出来てしまうと自然に体外に出てくるまで経過観察をするか外科手術が必要になる場合もあります。

犬猫が緑茶を飲んでしまわないために

コップやグラスに入った緑茶をそのままにしておくと犬猫が飲んでしまう可能性があるため、飼い主様が飲んでいる途中の緑茶には出来るだけ犬猫を近づけないようにしましょう。

また緑茶の茶葉を保管する際にも犬猫の手が届かないところで保管し、煮出した後の茶葉を犬猫が食べてしまうと大変危険なので茶葉を廃棄する際にも犬猫が触れられないように注意してください。

もしも飲んでしまったら

もしも目を離した隙に犬猫が緑茶を飲んでしまったらどのぐらいの量飲んだかを確認しましょう。

通常、緑茶を少し飲んでしまった場合では犬猫にさほど影響はないと言われています。

カフェイン含有量の多い玉露などをたくさん飲んでしまった場合や緑茶を飲んだ後の犬猫の様子がおかしい場合は獣医へ相談しましょう。

カテキンについて

緑茶には「カテキン」というポリフェノールが多く含まれていることで有名です。

カテキンは緑茶の渋味や苦味の元になる成分で強い抗酸化作用や殺菌作用があります。

犬猫がカテキンを摂取することで口臭ケアになるといわれておりカテキン入りのオーラルケアグッズも販売されています。

緑茶を与えてはいけませんがこのような成分は有効活用できると良いでしょう。

【まとめ】犬猫には緑茶を与えてはいけない

犬猫には緑茶を与えてはいけません。NGポイントをおさらいしましょう。

  • 緑茶にはカフェインが含まれており危険
  • カフェインは若芽を使用する玉露や抹茶などの緑茶に特に多い
  • シュウ酸が含まれているためシュウ酸カルシウム結石の恐れがある

今回は犬猫が緑茶を飲む危険性を紹介しました。

カフェインは人間が適量摂取することで良い効果をもたらしますが犬猫には必要のない成分です。

緑茶だけでなくカフェインを含む食べ物や飲み物は犬猫が食べてしまわないように注意しましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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