犬猫はセージを食べても大丈夫?抗菌作用やリラックス効果あり。精油成分『ツヨン』に注意

犬猫はセージを食べても大丈夫?

セージはシソ科の植物で、クセのある強い香りには抗菌や抗ウイルス作用があり、古代ギリシャ時代から薬用に用いられてきたハーブです。

強い香りから肉や内臓料理の臭み消しによく使われています。

古くから魔よけのハーブとして扱われ、乾燥したセージの葉をいぶしたり、セージから抽出した精油はアロマオイルなどにも使われることが多くあります。

犬猫はほとんどのシソ科の植物は大丈夫と言われており、セージもそのうちのひとつでキャットフード・ドッグフードにはよく使われています。

しかしセージには猫にとって好ましくない成分が含まれているので、セージの状態によっては当サイトとしては安易に食べても大丈夫とは言えないハーブであると考えます。

ペットフードに含まれているセージは大丈夫?

セージはキャットフードやドッグフードにもよく使われる食材で、抗菌・殺菌作用、リラックス作用、消化促進などが期待されています。

セージには以下で解説する『ツヨン』という精油成分の問題がありますが、ペットフードにするために乾燥処理や熱処理を行い、完成したペットフードからはツヨンが検出されません

またセージは長年ペットフードに使用されてきた実績もあり、問題がないことが確認されていますので安心してください。

セージは草食動物のうさぎが大好きな植物のひとつ

例えば草食動物のうさぎはセージは大好きな植物のひとつです。

元来犬猫はそのうさぎを狩って食べており、植物を直接消化できない猫も、うさぎの胃の中で半分消化された植物を食べています。

このように自然の中で必要とされるサイクルのひとつでもあります。

特に猫に対するセージの注意点

セージに含まれる精油成分『ツヨン』

コモンセージなど一部の品種に含まれる『ツヨン』に関して、厚生労働省から動物実験では発作を引き起こすことが示されているとの報告があります。

参考:厚生労働省eJIM

しかしこの研究も食物に使用される通常の量を摂取していれば安全であり、研究でもそれを上回る量を最長で4ヶ月間安全に摂取できています。

ではどのような条件が特に懸念されるかというと濃縮して作られる精油(エッセンシャルオイル)の場合です。

精油には高濃度のツヨンが含まれるため、問題が起こる可能性が高まります。

人や犬とは異なり、猫は肝臓にグルクロン酸転移酵素がなく、ツヨンを分解、排出することができません

このため日本メディカルアロマテラピー動物臨床獣医部会でもセージのアロマは猫に使用禁止としています。

セージに含まれる『タンニン』

セージにはポリフェノールの一種であるタンニンが含まれることが知られていますが、犬にとっては効果的なタンニンも、猫にとっては腎臓障害の原因となります。

タンニンは下痢の改善や生活習慣病の予防や改善に役立つなど有益な存在として扱われますが、猫がタンニンを過剰摂取した場合、胃腸障害を起こし下痢や嘔吐の症状が現れる事や、肝臓や腎臓にダメージを与える可能性があると言われています。

セージにタンニンが特に多く含まれているわけではありませんが、カフェインやタンニンが含まれるお茶は猫に与えないようにとされる情報も多くみられます。

このことから考えてもセージを積極的に猫に与える必要はないといえます。

猫がセージを食べてしまったら

猫が生のセージを少量かじる程度であれば、あまり慌てる必要はないでしょう。

ただし、子猫、シニア猫など体の機能が未熟であったり低下している猫がセージを食べた場合には、食後の様子を注意深く観察しましょう。

エッセンシャルオイル・アロマオイルの取り扱いに要注意

セージから抽出されたエッセンシャルオイルやセージが含まれるアロマオイルについては、生のセージとは比べられないほど高濃度の『ツヨン』と呼ばれる成分が含まれている可能性があります。

上記でも解説しましたが、ツヨンは特に猫にとって好まれない成分です。

エッセンシャルオイルは一滴抽出するために大量の原料を使用します。

そのため、ツヨンの含有量も増え、ほんの少し舐める、皮膚に付着する、吸引するだけでもツヨンによる強い神経毒性の症状が現れる可能性があります。

犬猫がいる部屋での使用や、犬猫が届く場所への保管、放置をしないように十分に注意しましょう。

まとめ

セージはペットフードでも使用され安全が確認されていますが、生のセージには神経毒性をもつツヨンが含まれています

現時点で生のセージを食べた事による犬猫の健康被害情報はみられませんので、セージを犬猫に与えるかは飼い主の方の判断に委ねられます。

しかしセージのエッセンシャルオイルやセージを含むアロマオイルに関しては生のセージとは比べられないほど、神経毒性をもつツヨンが高濃度で含まれている可能性があります。

これらの使用や保管場所には十分に注意が必要でしょう。

特に猫にとって好ましくないツヨンと呼ばれる精油成分やタンニンによる影響を考えると、当サイトでは積極的に食べても大丈夫とは言い難いハーブであると考えます。

参考:ASPCA(米国動物虐待防止協会)

参考:日本メディカルアロマテラピー動物臨床獣医部会

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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