さやえんどうとは
さやえんどうはえんどう豆からなる緑黄色野菜です。
さやえんどうには、完全に熟した豆を食べる『えんどう豆』と早採りしてさやごと食べる『さやえんどう』、豆がある程度熟した状態で収穫する『グリーンピース』があります。
『絹さや』と呼ばれるのは、さやえんどうの中でも特にさやが薄い品種で、さやが肉厚で豆も太ったアメリカ品種の『スナップえんどう』もさやえんどうの仲間です。
中には同じさやえんどうを関東では絹さや、関西ではさやえんどうと呼ぶという地域による呼び方の違いという説もあります。
犬猫はさやえんどうを食べても大丈夫?
犬猫の健康に役立つ成分が豊富に含まれているさやえんどうは犬猫が食べても大丈夫な食材です。
ただし、生のさやえんどうは中毒症状を引き起こす可能性があるので、生のさやえんどうは犬猫が食べても大丈夫とは言えません。
さやえんどうの栄養素やその効果、また注意点を解説します。
さやえんどうは生食NG!加熱が必要な理由
豆類や野菜、果物など、多くの植物性食品には「レクチン」と呼ばれる成分が含まれています。
これは植物が外敵である害虫や微生物から身を守るために持っている防御物質のひとつです。ただし、レクチンの種類や摂取量によっては、人や動物の消化管に影響を与える可能性があることが知られています。
症状例としては、主に腹痛や吐き気といった消化器症状であり、重症の場合には、血便や発熱、血圧の低下などを伴うケースも報告されています。
豆類の中でも、インゲン豆や大豆に多く含まれることが知られています。えんどう豆からなるさやえんどうはインゲン豆ほどの強毒性はないとされていますが、注意が必要です。
人間ではさやえんどうを生で食べても大丈夫であるとの情報もありますが、人間より体の小さな犬猫への影響を考えると、安易に与えない方がよいでしょう。
「レクチン」は加熱することで失活するとの報告がありますので、犬猫へは必ず加熱してから食べさせてあげましょう。
参考:白インゲン豆の摂取による健康被害事例について
参考:ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、植物性食品のレクチンで病気になるか?に関する情報を公開
犬猫にさやえんどうを与えるメリット
さやえんどうは野菜として豊富な食物繊維、ビタミン類の摂取ができ、中の小さな豆はたんぱく質やアミノ酸などを多く含むので、野菜でありながら豆としての栄養も補給できる優れた野菜です。
犬猫にとって有益なさやえんどうの栄養を解説します。
ビタミンC
さやえんどうの特徴的な栄養素として豊富に含まれるビタミンCがあります。
その含有量は豆類の中でもトップクラスで同じ緑黄色野菜の中でもビタミンCが豊富に含まれることで知られるピーマンに匹敵するほどです。
このビタミンCは強い抗酸化作用があり、また皮膚や粘膜の健康維持に役立つコラーゲンの生成を助ける効果や免疫力アップが期待されます。
可食部100gあたりに含まれるビタミンC含有量
| 食材 | 含有量 |
|---|---|
| さやえんどう | 60mg |
| にんじん | 6mg |
| トマト | 15mg |
| かぼちゃ | 43mg |
| ピーマン | 76mg |
リジン
リジンは必須アミノ酸の一種で、さやえんどうの豆の部分に多く含まれています。
このリジンは体の成長に欠かせない成分で、体の組織の修復を促し疲労を回復したり、皮膚の組織を整えたりする働きがあります。
他にも骨や血管を丈夫にする働きや、肝機能を強化し、脳細胞を活性化させる効果も期待されています。
たんぱく質
さやえんどうは中の豆は小さく未熟ではありますが、えんどう豆としてのたんぱく質の摂取が期待できます。
たんぱく質は筋肉や骨、皮膚を作るのに欠かせない大切な栄養素です。
犬猫が主に必要とするたんぱく質は動物性ですが、植物性たんぱく質は動物性の食品と比較して脂質、エネルギー量が抑えられています。
このため食事制限をしている場合に不足しがちなたんぱく質摂取のサポートをしてくれる存在となります。
β‐カロテン
さやごと食べられるさやえんどうからは、β‐カロテンも多く摂取することができます。β‐カロテンには強い抗酸化作用が期待されています。
犬に関しては人と同様にβ‐カロテンが体内でビタミンAに変換されるので、目や皮膚の粘膜を保護も期待できます。
一方で猫はβ‐カロテンをビタミンAに変換する能力がほとんどないため、ビタミンAは動物性食品から直接摂取する必要があります。
ビタミンK
さやえんどうにはグリーンピースやそら豆の約2倍程度のビタミンKが含まれています。
ビタミンKには止血する作用や、血管を健康に保つ働きがあります。
また、骨にカルシムを沈着させて丈夫に保つ効果があるので、骨や歯の健康維持にも活躍します。
食物繊維
さやえんどうは食物繊維を豊富に含む野菜です。食物繊維は腸内でカサを増して過食を防いだり、腸のぜんどう運動を促して老廃物を排出する効果や、コレステロールの排出をサポートしてくれます。
これらの効果から、便通改善、腸内環境改善、またダイエット食材にも適している野菜といえます。
さやえんどうを与える際の注意点
すじを取って、小さく切ってから与える
さやえんどうにはスナップエンドウほどではありませんが、硬いすじがあります。
犬猫は人間より消化能力が低いのでこのすじが消化不良を起こす原因になる場合も。
また、犬猫はあまり噛まずに丸飲みしてしまう事も多いので、切らないで与えたり、大き目なカットも消化不良の原因となります。
消化の観点から考え、必ずさやえんどうのすじ取りをし、茹でてから小さく切って与えるようにしましょう。
特に子犬、子猫や老齢期の犬猫は胃腸の機能が弱い傾向にあるため、消化に負担がかからないようにより細かく刻むか、ミキサーなどでペースト状にしてから与えるとよいでしょう。
塩茹でや味付けは不要
人が食べる場合の調理工程として、さやえんどうはすじを取ってから塩ゆでをするという下処理を行う事が一般的です。
塩茹でしてから冷水で冷やすと色が鮮やかになる事や、程よい塩味がさやえんどうの甘さを引き立たせるというメリットがあるのですが、犬猫にとっては不要な塩分となります。
塩分の過剰摂取は、犬猫の健康を脅かすものなので、下処理として茹でる際には塩を使わないように注意しましょう。
また、サラダや煮物などに活躍するさやえんどうですが、下処理以外の調理でも味付けはNGです。
他にも肉じゃがなどのタマネギが入った煮汁で一緒に炊いたさやえんどうを食べさせる事で中毒症状を引き起こす可能性があります。
スナック菓子などの加工品も注意
さやえんどうと名前が入ったスナック菓子も多く市販されています。
人用に作られたお菓子は犬猫にとって健康被害を及ぼすほどの油分や塩分、糖分、また野菜エキスとの記載があればその中にタマネギやニンニクなどの成分が入っている可能性もあります。
お菓子に限らず人用に作られた加工品は基本的には与えないようにしましょう。
豆アレルギーに注意
さやえんどうはえんどう豆からなる野菜であると解説しましたが、えんどう豆には豆アレルギーの原因物質といわれる『ヴィシリン(ビシリン)』が含まれる可能性があるといわれています。
そのため、さやえんどうに対してもアレルゲンであるヴィシリン(ビシリン)に注意が必要と考えます。
愛犬愛猫に豆アレルギーが確認できている場合にはさやえんどうを与えないように気をつけかかりつけの獣医師に相談しましょう。
また、さやえんどうに限らず、初めて与える食材はごく少量に留め、食後に下痢や嘔吐、発疹などの異変がないか注意して観察しましょう。
もし食後に異変があればいつどの程度食べたのか、嘔吐や下痢があればその詳細を記録し、早めに獣医師の診察を受けましょう。
参考:Vicilin and convicilin are potential major allergens from pea
おすすめレシピ
鮭と卵の春ちらし
①さやえんどうはヘタとスジを取り、沸騰したお湯で2分ほど茹でてザルにあげ、粗熱が取れたら犬猫が食べやすい小ささにカットしておく。
②鮭を沸騰したお湯に入れ、しっかり火が通るまで茹で、粗熱が取れたらほぐしておく。
③卵を割り、しっかりと溶いたらフライパンでそぼろ状に焼く。
④ごはんの上に、卵そぼろ、鮭、さやえんどうを盛って完成。
さやえんどうのきれいな緑と、卵の黄色、鮭のピンクで色鮮やかなお祝いの日にぴったりな手作りごはんです。
鮭は一度にある程度作って保存しておけば、他の料理にもサッと使える鮭フレークになります。
人用にはご飯を酢飯にし、醤油やマヨネーズ、ワサビを添えておいしく頂けますので、ぜひ愛犬愛猫と楽しくシェアしてみてください。
まとめ
犬猫はさやえんどうを食べても大丈夫。
さやえんどうはえんどう豆からなる緑黄色野菜で、野菜でありながら豆としての栄養も補給できる優れた食材といえます。
ただし、生のさやえんどうには食中毒の原因となる『レクチン』が含まれているので、犬猫へ生で与えないように注意しましょう。
また、えんどう豆からなるさやえんどうには豆アレルギーの原因である『ヴィシリン(ビシリン)』が含まれている可能性があります。
愛犬愛猫に豆アレルギーがある場合には与えるのを控え、アレルギーが分かっていない場合も初めて食べさせる際にはごく少量にし、食後に異変がないか注意観察を行ってください。
参考:食材大全(NHK出版)



