犬猫は鶏軟骨を食べても大丈夫!ひざ軟骨より柔らかいヤゲン軟骨がおすすめ。生食は注意

焼き鳥店や居酒屋で人気の鶏軟骨は、味はもちろんコリコリとした骨の食感も楽しめる食材です。

軟骨のから揚げや焼き鳥といった定番料理のほか、煮物や焼き物などおつまみを中心に様々なレシピが考案されています。

犬猫は鶏軟骨を食べても大丈夫!

鶏軟骨には犬猫の中毒になるような成分は含まれていません。

ただしいくつかの注意点もあります。

本記事では、

  • 鶏軟骨はどこの骨?
  • 鶏軟骨を犬猫に食べさせるメリットや注意点
  • 犬猫への鶏軟骨の与え方・手作りフードレシピ

といった内容をお話しします。

鶏軟骨はおやつにあげられる?

鶏軟骨はおやつとして犬猫に食べさせることができます。

いくつかのメーカーから鶏軟骨を使った犬猫用のおやつも販売されています。

ただし、むやみに与えることは控えた方がいいおやつでもあります。

与える時の注意点などは後ほどお話していきます。

鶏軟骨はどこの骨?

鶏軟骨には2つの種類があり、それぞれ違うところの骨です。

  • ヤゲン軟骨:胸骨の先端部分の骨で、串に刺せるほど柔らかいので主に焼き鳥に使われています。漢方薬をすり潰す「薬研」に見た目が似ていることに由来するそうです。
  • ひざ軟骨:その名の通りモモ肉の関節部分の膝の骨です。ヤゲンより固く、軟骨のから揚げと言えばこちらが主に使われています。

犬猫にはどちらの軟骨を選べばいいの?

ひざ軟骨より柔らかいヤゲン軟骨を選ぶようにしましょう。

柔らかいとはいえ他の食べ物よりコリコリとしており、十分に歯ごたえがあります。

鶏軟骨の主な栄養素

ヤゲン軟骨(むね肉)生100g当たり

含有量
エネルギー54kcal
水分85.0mg
たんぱく質12.5mg
脂質0.3g
炭水化物0.4g
カリウム170mg
カルシウム47mg
食塩相当量1.0g

参考資料:八訂 食品成分表 2022

鶏軟骨を犬猫に食べさせるメリット

低カロリーで満腹感が得られる!ダイエット中や肥満予防に

栄養素表からおわかりになるように、鶏軟骨は低カロリーで低脂質、その上たんぱく質も含んでいるので、ダイエットや肥満予防に適した食材と言えます。

ストレス発散になるかも?骨をかじる利点

人間と同じように、犬猫もさみしさや不快感など様々な理由からストレスをため込んでしまいます。

そうした時に軟骨をかじることがストレス解消になるかもしれません。咀嚼を行うことが幸せホルモン「セロトニン」の分泌に繋がることが分かっています。

また、骨を何度も噛むことで顎や歯が鍛えられるほか、歯垢や歯石の除去といった虫歯予防にも期待が持てます。

カルシウムやコラーゲンの補給にも

鶏軟骨は骨なので、当然カルシウムを含んでいます。骨や歯を形成するほか、精神の安定に効果が期待できます。

このほかコラーゲンも含んでいます。犬猫が摂取すると毛艶や皮膚を健康に美しく保つ働きをします。

カリウムも豊富です。体内の塩分バランスを調整し、高血圧を防ぐ役割を持っています。

鶏軟骨を犬猫に食べさせる時の注意点

普通の食べものよりは硬いので無理に食べさせない

鶏軟骨は柔らかいとはいえ、一般的なペットフードや他のたべものよりは硬い食材です。

与える時は比較的柔らかいヤゲン軟骨を選ぶようにしましょう。

愛犬愛猫が、

  • 普段からあまり咀嚼をせず丸飲みしがち
  • 若い子やシニアなど嚥下能力に問題がある
  • 病気などで身体の弱っている

などに該当する場合、上手く食べられないことも考えられるので無理に与えるのは避けた方がいいでしょう。

万が一丸飲みをしてしまった、食べてから様子がおかしいという時はすぐに動物病院へ連絡してください。

硬さが気になるけど食べさせてあげたいという時は、長時間煮込んだり圧力鍋を使うことで柔らかくする手段もあります。

生食は避けるように

菌の増殖や骨の硬さなどの点から、鶏軟骨の生食は避けるましょう。

加熱を行うことで菌による食中毒のリスクを下げることができますし、骨もより柔らかくなるので食べやすくなります。

犬猫への鶏軟骨の与え方

加熱処理を行った上で食べやすいサイズにしたものを、少量与えるようにしましょう。

こうすることで犬猫も食べやすくなりますし、食べ過ぎによる栄養の不足や偏りを防ぐことができます。

素焼きするとコリコリとした食感を残すことができますし、煮込むと柔らかく食べやすくなります。

市販の犬猫用鶏軟骨ジャーキーは硬さに注意

市販の犬猫用鶏軟骨ジャーキー製品はそのまま食べさせることができますが、製品によっては非常に硬くなっています。

気になるときは水でふやかしたり、ハサミで細かくしたりなど犬猫が食べやすくなるように処理をしてください。

犬猫用の鶏軟骨を使った手作りフードレシピ

柔らか鶏軟骨のトマトスープ

材料

  • 鶏軟骨(ヤゲン)
  • トマト

作り方

  1. 圧力鍋に鶏軟骨と水を加え柔らかくなるまで加熱します
  2. 加熱が終わったら普通の鍋に移し、切ったトマトを入れさらに煮込めば完成

圧力鍋を利用し鶏軟骨をプルプルになるまで柔らかくするレシピです。

食べやすさに加え、鶏軟骨の風味とトマトのグルタミン酸で犬猫の食いつきにも期待できます。

コリコリとした食感を犬猫に楽しんで欲しい時は、他の方法を取りましょう。

【まとめ】犬猫は鶏軟骨を食べても大丈夫!

犬猫は鶏軟骨を食べても大丈夫です。

低カロリー低脂質でありながらたんぱく質も持っているのでダイエットに適した食材と言えるほか、コリコリとした骨をかじることは犬猫のストレス発散に繋がるかも知れません。

注意点をおさらいしましょう

  • 普通の食べ物より硬いので、気になる場合は無理に食べさせず、与える時は比較的柔らかいヤゲン軟骨を選ぶ
  • かならず加熱処理をする

健康でよく咀嚼をする犬猫であれば硬いままでも食べさせることができますが、万が一丸飲みしてしまった場合はすぐに動物病院へ連絡してください。

コリコリとした食感が独特でコラーゲンによる美容効果も期待できる鶏軟骨。

注意点に気を付けながら、愛犬愛猫の食事作りに取り入れてみてください。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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