海ぶどうについて
沖縄県の名産品として知られる海ぶどう。プチプチとした食感が特徴の海藻の一種です。
正式名称を「クビレヅタ」といい、味や食感がキャビアに似ていることから別名「グリーンキャビア」とも呼ばれています。
海ぶどうはとてもデリケートな海藻で、水温・天候・日照時間に左右されるのですが
沖縄の海は海ぶどうが育つのにぴったりな環境で、沖縄県の恩納村という村では国内初の海ぶどうの養殖に成功しています。
海ぶどうの養殖はきちんと水温管理されたきれいな海水を循環させ、成長に必要な栄養を補助するなど、とても手間がかかる作業だそうです。
それゆえ少しお値段の張る海ぶどうですが、沖縄に行った際や知人に沖縄土産として海ぶどうをもらった際には愛犬・愛猫といっしょに海ぶどうを楽しみたいですよね。
はたして犬猫は海ぶどうを食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫は海ぶどうを食べても大丈夫!
犬や猫は海ぶどうを食べても大丈夫です。
ただしいくつか注意点はありますので今回は注意点や与え方を解説していきます。
与えすぎてはいけない
海ぶどうは海で育ったものなので塩分が含まれています。
たくさん与えすぎると塩分過多により心臓や腎臓に負担がかかってしまう恐れがあるので注意しましょう。
海ぶどうの保存方法
海ぶどうは27℃以上の高温もしくは15℃以下の低温でしぼんでしまい、美味しくなくなってしまうので冷蔵庫での保存はNGです。
常温保存でできるだけ早く食べるのが基本になります。お土産などでもらったときは注意しましょう。
海ぶどうに含まれる代表的な栄養素
生 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 6kcal |
たんぱく質 | 0.5g |
炭水化物 | 0.8g |
カルシウム | 34mg |
カリウム | 39mg |
ナトリウム | 330mg |
マグネシウム | 51mg |
鉄 | 60mg |
ヨウ素 | 80μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
海ぶどうはミネラルたっぷり!
海ぶどうは100gあたり6kcalしかなく、エネルギーとしての働きは期待できませんがミネラルがたっぷり含まれているので紹介します。
カルシウム
ご存じの方も多いかもしれませんが、カルシウムの主な役割は丈夫な骨や歯を形成することです。
しかしそれ以外にも重要な役割があり、細胞間の情報伝達や神経刺激の伝達、筋肉の伸縮運動に関わっています。
カルシウムが不足するとこれらの重要な役割が果たせなくなるため骨や歯に存在するカルシウムが使われていき、骨粗しょう症などの病気につながるのです。
カルシウムの過剰摂取は尿路結石や骨格異常の原因となることがわかっているので注意しましょう。
カリウム
カリウムは同じミネラルであるナトリウムと共に体液の浸透圧の調整や細胞機能の維持をしています。
また、ナトリウムが増えすぎた場合に体外へ排出するのもカリウムの役割です。
総合栄養食のペットフードを与えているとカリウムが不足する心配は基本的にはありませんが、体調不良や老化により食欲不振や嘔吐が続くとカリウム不足になり「低カリウム血症」を発症する恐れがあります。
低カリウム血症になると筋量低下や歩行不全などの症状が現れます。
通常、摂取しすぎたカリウムは尿と共に体外へ排出されます。しかし、老化などで腎機能が低下した犬猫はカリウムの排出が上手くできず「高カリウム血症」になってしまうかもしれません。
高カリウム血症は最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。腎機能が低下している愛犬・愛猫には普段から気を配ってあげてください。
ナトリウム
ナトリウムは上記にあるとおり、体内でカリウムと共に体液の浸透圧の調整や細胞機能の維持をしています。
海ぶどうを与えるときに注意するべき塩分は「塩化ナトリウム」なのでナトリウムの過剰が心臓病や腎臓病につながるわけです。
マグネシウム
マグネシウムは体内のエネルギー代謝全般に関わっているミネラルで、
他にも神経伝達・筋肉の伸縮・心臓の健康維持に関与しており、骨と歯の構成成分でもあります。
幅広い役割を持つマグネシウムですが過剰摂取は「ストルバイト結石」という結石を引き起こす原因にもなります。
鉄
鉄の主な役割は「酸素の運搬」です。さらに詳しく言うと酸素を運搬する物質を作ることです。
赤血球の中にあるヘモグロビンや筋肉の中にあるミオグロビンというたんぱく質の一種が酸素を運ぶ役割を持っているのですが鉄はそのヘモグロビンやミオグロビンを構成する重要な要素です。
人間が鉄分不足になると貧血になりますが犬猫にも同じようにふらついたりする症状が現れます。過剰に摂取しても下痢や食欲低下につながるので注意しましょう。
ヨウ素
ヨウ素は海藻や魚類に多く含まれる栄養素で、甲状腺ホルモンの合成に必要とされます。
甲状腺ホルモンはその名の通り甲状腺で生成されるホルモンで、新陳代謝を促す働きがあります。
ヨウ素の過剰摂取は逆に甲状腺の機能低下につながります。甲状腺の機能が低下すると血圧低下・心拍数低下・食欲減退・神経麻痺などの症状が現れることがあります。
犬や猫にをあげる際の注意点
犬猫に海ぶどうを与える際の注意点を紹介します。
ミネラル過剰に注意
上記で紹介したミネラルですがミネラルの中には過剰摂取にリスクのあるものがあります。
基本的に犬猫は総合栄養食を与えていると必要な栄養を摂取できています。
そこにプラスでなにか食べ物を与える場合は1日に必要な栄養を超えているという意識を持ちましょう。
塩抜きをすると良い
人間が海ぶどうを食べるときは売られているものをさっと水洗いして食べることが多いと思いますが
犬猫に海ぶどうを与える場合は2~3分ほど水に漬けておき、塩抜きをすると塩分が抜けて良いでしょう。
短く切ってあげよう
販売されている海ぶどうは1つが約5cmほどの長さがあると思いますが犬猫に与える場合は短く切ってあげましょう。
犬猫は食べ物をよく噛んでから飲み込むという習性がないので長いままあたえるとのどに詰まらせる可能性があります。
丸呑みしてしまうので海ぶどうのプチプチした食感が犬猫に伝わっているのかはわかりません。。。
アレルギーに気をつけて
どんな食べ物でもアレルギーの可能性は少なからずあるので注意しましょう。
犬猫のアレルギー症状は下痢・嘔吐・皮膚の赤みやかゆみ・目の充血などがありますが人間のアナフィラキシーショックのような大きな反応は滅多にありません。
実はアレルギー反応を示しているのに気づかずに与え続けるなんてことがないように初めて海ぶどうを食べた後半日~1日ほどはよく観察しましょう。
また、初めての食材を与える場合は少量に抑えるようにしましょう。
少しでも異常が見られたらそれ以上与えるのをやめ、症状が酷くなる場合は獣医に相談しましょう。
犬猫への海ぶどうの与え方
海ぶどうは特に調理されずそのまま食べられるものなので犬猫に海ぶどうを与える際もそのまま与えてあげるのがいいでしょう。
2~3分ほど塩抜きした後、0.5~1cmほどのサイズにして普段与えているペットフードにトッピングしてあげましょう。
【まとめ】犬猫は海ぶどうを食べても大丈夫
犬猫は海ぶどうを食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
- 塩分やミネラルの過剰に注意
- 一度にたくさん与えない
- アレルギーに注意
今回は海ぶどうについて紹介しました。
過剰摂取に注意して機会があったら少しだけ与えてみてください。