山菜そばやナムルなどに使用されることで知られる春の山菜ワラビ。
春になると山に山菜を摘みに行く方もいらっしゃるかもしれません。
正しく処理することによって美味しく食べることが出来るワラビですが、実は生食には人間ですら危険なポイントがあります。
では犬猫はワラビを食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫にワラビを与えてはいけない!
犬や猫はワラビを食べてはいけません。ワラビには犬猫が摂取すると危険な成分が含まれています。
今回はワラビに含まれている危険な成分や食べてしまったときの対処法を解説していきたいと思います。
ワラビについて
ワラビは山道や田舎道に生えていることもある身近な山菜でこんな見た目をしています。
見たことがある方もいるんじゃないでしょうか。
ですがここまで葉の開いたものは茎が固くなり食べられないので実際に食用とされているのはワラビの若芽になります。
ワラビの若芽は葉から茎まで柔らかくとても人気の山菜です。
ワラビに含まれる危険な成分
ワラビには危険な成分が含まれており、馬や牛などの草食動物でさえ中毒症状を引き起こすとされています。
プタキロシド
ワラビのアクの成分の一種である「プタキロシド」による牛の「ワラビ中毒」が確認されています。
ワラビ中毒は骨髄機能が障害されて血液凝固不全が起こり、血尿・血便・出血などの症状が現れます。
ワラビ中毒による死亡率は高く、1960年代に中毒の原因がワラビであることが判明するまでは牛はよく発症していたようです。
原因が解明されてからは牧野からワラビが除去され発生件数は激減したようです。
チアミナーゼ
魚介類に多く含まれていることで知られている「チアミナーゼ」ですがワラビにも多く含まれています。
チアミナーゼは体内に入ることでビタミンB1を破壊する働きがあるため過剰に摂取すると「ビタミンB1欠乏症」になってしまう可能性があります。
ビタミンB1欠乏症になると歩行障害や運動失調などの症状が現れ、さらには昏睡状態に陥ってしまうこともある危険な病気です。
加熱すれば大丈夫?
ワラビの生食は人間でも中毒症状が発症するほど危険と言われています。
しかし前述したプタキロシドやチアミナーゼなどの成分はどちらも水溶性なので熱に弱く、しっかりとあく抜きしたうえ加熱調理することによって美味しく食べることが出来ます。
ですが加熱処理したとしてもワラビを犬猫に与えるのはおすすめできません。
そもそもワラビのあく抜きは水を何回も取り替える必要があり時間がかかる上に重曹や灰を用いてしっかりと行わなければなりません。
慣れてない方にとっては少し難しい作業かもしれませんし、きちんと行ったとしてもあくが全て抜けきるとは限りません。
しっかり処理したとしても犬猫にワラビを与えるのはリスクが残ります。
犬猫がワラビを食べないために
特に愛犬がいる方は注意しましょう。
普段の散歩コースにワラビが生えている可能性もありますし一緒に山などへおでかけした際にも生えている可能性があります。
ワラビ以外にも犬が食べてはいけない植物はたくさんあるため散歩やおでかけの際は道に生えている植物を勝手に食べてしまわないように注意しましょう。
また、愛猫がいる方は猫が家から逃げ出さないように注意してください。
外を怖がって家からは出ない子もいますが好奇心旺盛な子は外に出ようとします。
逃げ出したとしても帰ってくる子はいますが、外にいる間にワラビなどの食べてはいけない植物を食べてしまっている可能性もあります。
そして飼い主がワラビを食べるときには犬猫が興味を持っても絶対に与えないでください。
調理中にも注意が必要で、もしご自宅でワラビのあく抜きをしているときは犬猫の手が届かないところで行うようにしてください。
ワラビのあく抜きをしている水には当然ですがあくがたくさん流れ出ているので犬猫がそれを舐めてしまうと一大事になりかねません。
もしも食べてしまったら
どんなに注意していても目を離した隙に愛犬や愛猫が食べてしまったなんてこともあるかもしれません。
そんなときは焦らず冷静に対処しましょう。
まず犬猫の口を開いて目に見える範囲にワラビがあったら取り出してあげましょう。
ただし飲み込んでしまったものを無理矢理吐き出させようとするのはいけません。
そしてしばらく経過観察をして異変がないかチェックしましょう。もちろん不安であれば獣医師へ相談するのが一番確実な方法です。
【まとめ】犬猫にワラビは与えない方がいい
犬猫にワラビは与えない方がいいです。NGポイントをおさらいしましょう。
- ワラビ中毒の原因となる「プタキロシド」が含まれている
- ビタミンB1欠乏症の原因となる「チアミナーゼ」が含まれている
- リスクが高いので例え加熱したとしても犬猫には与えない方がいい
今回は犬や猫にワラビを与える危険性を解説しました。
牛や人間ですら中毒症状を起こす可能性のある少し危険な食材です。
犬猫には与えずに飼い主が食べる時には正しく処理されたものを食べてください。