犬猫にわさびは与えないで!
鼻に抜けるツンとした辛さが特徴のわさび。
意外にも犬猫にとって中毒を起こすような有毒成分は含まれていませんが、トウガラシやカラシと同様に刺激が強いため与えてはいけない食材です。
犬猫は嗅覚が優れているので、基本的には匂いで危険な食べ物を避ける判断ができるといわれていますが、中にはあまり匂いをかかずに丸飲みしてしまう犬猫もいるので、食べ物の中に隠れたわさびに気づかず食べてしまう可能性もあります。
またわさびの加工品やわさび粉末入りのスナック菓子を食べてしまったというケースもあります。
ごく少量であれば重篤なケースには至らないと考えられますが、決して犬猫にとって食べても安心な食材とは言えませんので認識しておきましょう。
わさびを食べた際に起こる症状
犬猫は香辛料に対する耐性が低いので肝臓障害の症状を引き起こすことがあります。
またわさびのように刺激が強いものを多量に食べてしまうと、その辛味成分で口の中の感覚麻痺が起きたり、胃腸障害を引き起こす危険性があります。
主な症状として、口腔粘膜の痛みや感覚神経の一時的麻痺、胃炎や嘔吐・下痢の症状があります。
どの程度食べたら危険?注意すべき摂取量
前述の通り、わさび自体に犬猫にとって中毒症状を引き起こすような毒性はありません。
また犬猫の個体差によって辛味の感じ方や症状の出方も様々となるので一概に許容量を示すことは難しいところです。
中毒症状は起こさないとはいえ、多量に食べてしまった場合には上記のような症状を引き起こすことがあるので、少量であっても与えるべきではないと考えます。
食べてしまった時の対処法
注意していてもうっかり食べてしまう事はあるかもしれません。
食べてしまった量や誤食してどれくらい時間が経過しているのかを確認しましょう。
わさびがまだ口の中に残っているのが分かった場合には、口を開け取り出してください。
すでに飲み込んでしまった場合、症状がなく大丈夫と感じた場合でも数時間~翌日に重篤な症状が出る場合もありますので、すぐにかかりつけの動物病院へ相談し、獣医師の指示に従いましょう。
個人の判断で嘔吐を促す行為は大変危険です。
稀に塩やオキシドールを使った催吐方法をみかけますが、高ナトリウム血症や胃のただれ、潰瘍ができたり、昏睡状態から死亡してしまうリスクが大いにありますので絶対にやらないでください。
しつけに有効的?わさびを使っていいの?
わさびは辛味も匂いも刺激が強く犬猫が嫌がるので、食糞防止やいたずらを防ぐ方法として紹介されていることがあります。
しかし前述の通り、有毒性はなくてもその刺激が犬猫にとって大きなリスクになることもありますし、使用量を誤れば重篤なケースにもなりかねないため、わさびはしつけに使わない方が良いでしょう。
食糞やいたずらは栄養面やストレスなど個体差による様々な原因があるので、まずは獣医師に相談することをおすすめします。
またしつけ用に安全な成分で作られたものが多数販売されていますので、専用のものを使用しましょう。
わさびに似た食品
犬猫は香辛料への耐性が低く、辛いものの刺激で体調不良を起こすことがあります。
下記の食品も与えないように注意しましょう。
- 西洋わさび
- わさび菜(わさびの葉ではなくからし菜の一種)
- カラシ
- 唐辛子
- コショウ
- 山椒
- タバスコ
成分とは関係なく、辛味や痺れなどの刺激がある食材は少なからず危険です。
決して犬猫が食べても大丈夫とは言えないものなので、うっかり誤食してしまわないように注意が必要です。
加工品、使用した料理を与えないように注意しましょう
わさびはその爽やかな香りと刺激で料理を引き立ててくれるので、様々な料理や加工品に使われています。
刺身や寿司、納豆や蕎麦、わさび漬けなど日常的に食卓に並ぶことも多いでしょう。
スナック菓子や煎餅にわさびの粉末や成分が使われていることもあります。
魚の香りにつられたり、スナック菓子が気になる犬猫も多くいますので、わさびや香辛料が使われたものを犬猫の手の届くところに放置しないように気をつけましょう。
まとめ
日本人の食卓に欠かせない存在のわさび。
その爽やかな風味の他にも健康維持や殺菌効果など人にとって有効的な成分がたくさん含まれていて魅力的ですが、犬猫にとっては好ましいとはいえず危険性が潜んだ食材です。
誤食してしまう量によっては重篤なケースを引き起こす要因となるので、食卓に並べる際には犬猫の行動に注意を向けて、誤食してしまわないように気をつけてあげましょう。