腸内環境を整える効果のある乳酸菌飲料。定期的に飲んでいる方も多いのではないでしょうか。
人間にとって良い効果のある乳酸菌飲料ですが、犬猫に与えても大丈夫なのでしょうか。
犬猫に乳酸菌飲料は賛否両論
犬猫に乳酸菌飲料を与えることは獣医師によっても意見が分かれます。
今回はメリット・デメリットと共に、乳酸菌飲料に含まれる成分などをご紹介していきたいと思います。
乳酸菌飲料に含まれる成分
乳酸菌飲料に含まれる代表的な成分をご紹介します。
乳酸菌
乳酸菌飲料にはその名の通り乳酸菌が多く含まれています。
一口に「乳酸菌」といっても、とてもたくさんの種類があります。
ここでは代表的なものをご紹介したいと思います。
シロタ株
ヤクルトの創始者である代田稔によって発見され、その名がついた「シロタ株」。
正式名を「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」と言い、「L.カゼイシロタ株」と呼ばれることもあります。
腸に到達する前に胃液や胆汁などによって死滅してしまうことが多い乳酸菌ですが、シロタ株は生きたまま腸に届いて働くのが特徴です。
ビフィズス菌などの良い菌を増やし、大腸菌などの悪い菌を減らすことによって腸内環境を整える効果があります。
R-1
株式会社明治より販売されている乳酸菌飲料の「R-1」は、「1073R-1乳酸菌」という乳酸菌の名前から取られています。
ウイルスなどと戦うナチュラルキラー細胞の働きを活性化させる効果があり、「強さ引き出す乳酸菌」として風邪予防などの免疫機能が注目されています。
さらに、インフルエンザの抑制効果があることもわかっています。
LG21
同じく明治より販売されている「LG21」も、「LG21乳酸菌」という乳酸菌の名前から付けられています。
LG21乳酸菌は胃で働く乳酸菌として胃の負担をやわらげる効果があります。
殺菌効果があり、ピロリ菌などを抑制する効果があります。
ラブレ菌
株式会社カゴメから販売されている乳酸菌飲料の商品名にもなっているラブレ菌は植物性の乳酸菌です。
京都の三大漬物の一つである「すぐき漬け」から発見され、高い生命力に注目されています。
シロタ株と同様に生きたまま腸まで届き、腸内環境を改善する効果があります。
他にも角層水分量の維持・改善にも効果があり、肌の潤いを守る効果があることがわかっています。
ちなみにラブレ菌の正式名称は「ラクトバチルス・ブレビス・サブスピーシス・コアギュランス」といいます。
ガセリ菌SP株
雪印メグミルクより販売されている「恵」に多く含まれているガセリ菌SP株。
人間の小腸内に多く存在する善玉菌の代表格で、腸内に長くとどまることができるのが特徴です。
摂取することによって、腸内環境改善・免疫力向上・ダイエット効果などがあります。
ビフィズス菌
乳酸菌と混同されがちなビフィズス菌ですが、この二つはそれぞれ全く別の菌です。
ビフィズス菌はガセリ菌と同じく人間の腸内に存在する善玉菌の代表格で、小腸に存在するガセリ菌に対してビフィズス菌は大腸に存在します。
ビフィズス菌には整腸作用のほかにアレルギー症状の緩和や、認知機能の維持などの効果があることが最新の研究によってわかっています。
犬猫が乳酸菌飲料を飲むメリット
乳酸菌の摂取は犬猫にも効果あり
乳酸菌の摂取は人間と同じように犬猫にも効果があることがわかっています。
そのため、悪玉菌を減らし善玉菌を増やすことによる腸内改善効果や免疫力アップ効果は犬猫にも有効です。
悪玉菌が多くなってしまうと体内の有害物質が増え、腎臓に負担がかかってしまいます。
犬猫は腎臓を悪くしやすい生き物のため腸内環境を整えることはとても大事といえます。
犬猫が乳酸菌飲料を飲むデメリット
乳糖不耐
母乳を飲む必要のなくなった成犬・成猫の多くは、乳糖を分解することができない体質になってしまいます。
そのため乳酸菌飲料のような乳製品を口にするとお腹を壊してしまう可能性があります。
糖分が多い
乳酸菌飲料は含まれている糖の量が多く、カロリーも少々高めなことが多い飲み物です。
飲み過ぎるとカロリーオーバーで肥満の原因となってしまう可能性があるので注意しましょう。
犬猫への乳酸菌飲料を与える注意点
犬猫の腸内環境が気になる場合や乳酸菌飲料を与えてみたい場合は、以下のようなことに注意しましょう。
量に注意
犬猫に乳酸菌飲料を与える際はスプーン1杯程度にしておきましょう。
もちろん許容量は犬猫の体の大きさなどによって変わりますが、体調を壊さない無難な量与えるのをおすすめします。
もし、少量でお腹を壊してしまったり嘔吐などするようであればそれ以上与えるのはやめましょう。
温めてから与える
みなさんが乳酸菌飲料を飲むときは冷蔵庫で保存しているものをそのまま飲むことがほとんどかと思います。
しかし、犬猫は冷たいものを飲むとお腹を壊してしまう可能性があるので人肌程度に温めてから与えたほうがよいでしょう。
あまり高温にすると乳酸菌自体が死滅してしまいますので温めすぎには注意しましょう。
持病をもつ犬猫には与えない
乳酸菌飲料は持病を持つ犬猫に与えてしまうと負担になり悪化に繋がるかもしれません。
また、シニアの犬猫や幼犬・幼猫にも強い刺激となる可能性があります。
与えるのは健康な成犬・成猫だけにしましょう。
乳酸菌を含むフードやサプリメントを活用
乳酸菌飲料以外にも、乳酸菌を含むペットフードや犬猫用のサプリメントなども販売されています。
こういった犬猫用に作られているものを活用すると、乳糖不耐や糖分過多の心配は比較的少なく乳酸菌を摂取することが出来ます。
ただし含まれている乳酸菌の種類や数は商品によっても違うので注意しましょう。
【まとめ】犬猫に乳酸菌飲料を与えるのは賛否両論ある
犬猫に乳酸菌飲料を与えるのはメリット・デメリットどちらもあります。
今回のポイントをおさらいしましょう。
- 乳酸菌は犬猫の腸内環境にとっても良い効果がある
- 犬猫の多くは乳糖を分解することができないためお腹を壊す可能性がある
- 乳酸菌を含む犬猫用のフードやサプリメントを活用することで乳糖不耐や糖分の心配を減らすことができる
今回は犬や猫と乳酸菌飲料についてご紹介しました。
与えることによるメリット・デメリットどちらもあるので迷った場合は獣医師などプロへ相談しましょう。