手作りペットフードの栄養素量を知る
手作りペットフードは犬猫に与えてはいけない食材に注意し、味付けをせず素材の味を生かすことを守れば簡単に作ることができます。
しかし犬猫の1日に必要な栄養素量まで考えたことはなかなかないのではないでしょうか。
AAFCOに定められた犬猫の1日に必要な栄養素の項目は約40項目ほどあります。
この中には上限値が定められている栄養素もあり、手作りレシピによってはこの上限値を簡単に超えてしまうことは知られていません。
例えばさば缶を使うと簡単にナトリウムが最低基準値の数十倍になる
例えばさば缶を使用して手作りした場合、ナトリウム量が簡単に最低基準値の数十倍になってしまいます。
ナトリウムには上限値がありませんので数値上は問題がないとしても、実際それほどのナトリウムを摂取して大丈夫と言い切れる飼い主は何人いるでしょうか。
このように手作りペットフードでは必ず手作りレシピの栄養素量と愛犬、愛猫の必要栄養素量を比較して与えることが大切です。
手作りペットフードの与え方
愛犬、愛猫の体重、ライフスタイルによって必要栄養素量は変わりますが、基本的には体重に比例していますので、体が大きければ給与量を増やし、体が小さければ給与量を減らすという考え方で与えるようにします。
しかしそこで注意しなければいけないことがあります。
AAFCOで定められた栄養素の基準には多数の項目があり、それぞれの充足率について考えなくてはいけません。
例えばAというレシピを4kgの猫に与えた場合、ほとんどの項目は一日の必要栄養素量充足率が50%程度だったとしても、上限値のあるビタミンDだけが100%を超えてしまっていたらどうでしょうか。
下記の通り、AAFCOの2016年の栄養基準ではビタミンDは上限値が3,000 IU/kgに設定されています。
参考:AAFCO DOG FOOD NUTRIENT PROFILES BASED ON DRY MATTER 2016
「ビタミンDだけなら他の充足率は50%程度だしもっと与えてもいい」と考えてはいけません。
その場合はビタミンD摂取量に合わせて給与量を減らす必要があります。
当然その他の栄養素量も減りますから、あくまで総合栄養食のドライフードをメインとして、手作りペットフードはトッピング的な意味合いで使ってあげると良いということがわかります。
主食として与えるわけではありませんし、毎日与えるものでもありませんので、一回だけ少し超えてしまったからすぐに問題が起こるということはないといっていいかと思いますが、こうしたことを知って与えられれば、飼い主もより安心感を持って手作りペットフードに挑戦できると思います。
ドライフードと併用のメリット
総合栄養食のドライフードは手作りペットフードとは違い、ひとつの値が飛びぬけて高くなるということはありません。
何も考えずに与えられるドライフードというのは非常に優れた食事であることがわかります。
しかしそれだけを与えているには犬猫の食の満足度が下がってしまいます。
そんな便利なドライフードを使いながら、手作りを少し足してあげるだけでも食事のクオリティを上げることには十分に役立ちます。
いつも同じドライフードに違う手作りペットフードを加えるだけで毎日違うごはんが食べられる。
犬猫にとってこれほど楽しいことはないでしょう。