アガパンサスは犬猫にとって危険な植物?ネギやユリと同じ科に分類されていた歴史あり

アガパンサスとは

アガパンサスは多年草の植物で、主に南アフリカを原産としています。

その優雅な青や紫の花が特徴で、「ムラサキクンシラン」や「アフリカンリリー」とも呼ばれ、庭園や鉢植えで人気があります。

ただし、アガパンサスは有毒植物であると考えられており、犬や猫が誤食した場合、中毒症状を引き起こす可能性があります

アガパンサスの基本情報

学名:Agapanthus spp.
和名:ムラサキクンシラン(紫君子蘭)、アフリカンリリー
科名 :アガパンサス科(ヒガンバナ科、ユリ科とされることもある)
花言葉:「愛の花」「知的な装い」

アガパンサスは本当に有毒植物?

アガパンサスの毒性についての研究報告はあまり多くありませんので、犬や猫がアガパンサスを摂取した場合の具体的な影響については明確なデータが不足しています。

そのような中でもアガパンサスが有毒植物として扱われる事が多いのは、アガパンサスが以前はヒガンバナ科、ユリ科、ネギ科にも分類されていたことがあるからだと考えられます。

このことから、非常に強い毒性を持つ危険な植物とされるものから、毒性がそれほど強くないとされるものまで、情報が錯綜しているのが現状と言えるでしょう。

現在アガパンサスはアガパンサス科として独立しており、実際にヒガンバナ科、ユリ科、ネギ科の植物と同様の毒性成分を含むのかは明確ではありません。

しかし、以前は犬や猫に対して危険であることが広く知られるヒガンバナやユリ、ネギと同じ科に分類されていた歴史から、当サイトとしては安全な植物とは言えないと考えます。

アガパンサスの主な毒性成分

アガパンサスに含まれる毒性成分はあまり明確になっていませんが、この植物に含まれるサポニンが胃腸へ影響を及ぼすと考えられています。

また、アフリカの一部地域では中絶の植物薬として使用されてきたとされる情報もみかけ、おそらくプロスタグランジの生成によって子宮収縮を引き起こす可能性が示されています。

念のため、妊娠中の犬や猫は特に誤食がないように注意した方がいいでしょう。

アガパンサスは球根植物であり、ヒガンバナやユリでも特に危険な部位は球根とされています。

アガパンサスにおいても全草注意した上で、球根や根の部分は特に危険であると考えておくといいでしょう。

アガパンサスによる主な中毒症状例

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛や不快感
  • 接触性皮膚炎

犬や猫がアガパンサスを摂取した場合、上記のような症状が現れる事があります。

多量に摂取した場合や個体差によっては嘔吐や下痢が続き脱水症状を起こしてしまう事や、上記以外にも症状を現す可能性が考えられますので、万が一を考えて誤食がないようにすることが大切です。

また、一部では汁液に接触性皮膚炎を起こす可能性も示唆されていますので、葉や茎をかじったりして遊ばないように注意してあげましょう。

まとめ

アガパンサスは、花壇や鉢植え、切り花と幅広く楽しまれる美しい植物ですが、犬や猫にとっては注意が必要と考えられる植物です。

アガパンサスは、大量に食べなければ動物に対する毒性はさほど強くないと考えられますが、毒性成分や毒性の強さが明確になっていない以上は注意しておくに越したことはないでしょう。

アガパンサスを犬猫がいるご自宅で育てる、飾る場合は、犬や猫が触れられない場所に配置することや、散歩中や屋外でアガパンサスを見かけた場合も近づけないように注意が必要です。

万が一誤食が分かった場合、慌てずに状況を確認し、少しでも不安があればできるだけ早く獣医師に相談するようにしましょう。

参考:アガパンサスはユリ科?ヒガンバナ科?ネギ科?

参考:ナイルユリ、アガパンサスユリ、アフリカンブルーユリ(COLORADO STATE UNIVERSITY(獣医学部および生物医学科学部))

参考:「紫君子蘭の毒性について」医薬品情報21

参考:人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑(著者: 土橋豊)

参考:アガパンサスの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

スギさん

スギさんマッサンのペットフードの学校

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株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

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