アルストロメリアとは
アルストロメリアは南アメリカ出身の多年草で、アンデスの冷境地で自生していたことから「インカのユリ」とも呼ばれる美しい花です。
色や模様が豊富で、ピンク、赤、オレンジ、黄色、白、紫などがあり、花びらの内側に細かい斑点や縞模様が入っているのが特徴です。
アルストロメリアは品種も多く、園芸でも切り花でも人気がありますが、犬や猫にとっては危険な植物なので注意が必要です。
アルストロメリアの基本情報
学名:Alstroemeria
和名:ユリズイセン
その他の名前:ユメユリソウ、インカノユリ
科名 / 属名:ユリズイセン科 / ユリズイセン属(アルストロメリア属)
花言葉:「友情」「未来への憧れ」「凛々しさ」「持続」
アルストロメリアの主な毒性成分
アルストロメリアには接触皮膚炎の原因物質「ツリパリンA」「ツリパリンB」という有毒物質を含みます。
これはチューリップと同様の毒性成分で、この成分による影響でチューリップを長期間扱う栽培農家や花や店員で「チューリップ指」と呼ばれる腫れやひび割れ、皮膚の剥離などを起こすことが有名です。
アルストロメリアで起こる中毒症状例
- 皮膚炎
- 口内の炎症
- 嘔吐
- 下痢
アルストロメリアの特筆すべき中毒症状は上記で解説したように接触性皮膚炎ですが、誤食した場合も消化器系へ悪影響を及ぼすのでそちらも注意が必要です。
アルストロメリアに触れたり誤食をしてしまったら
全草に有毒物質を含むので、犬や猫がアルストロメリアをかじったりおもちゃにしてしまうと、その切り口から出る汁液によって皮膚炎を引き起こす可能性があります。
被害が広がらないように、触れた部分はしっかりと水洗いをしてあげましょう。
誤食してしまった場合には嘔吐や下痢、口腔内の痛みを起こすかもしれませんが、無理に吐かせたり口の中に水を流し込んでしまうと誤嚥などの危険があります。
冷静に体調の観察をし、気になることはすぐに動物病院で相談しましょう。
アルストロメリアはユリの一種?
アルストロメリアはユリを小さくしたような花なので、ユリの一種と思われる方が多くいますが、ユリズイセン科という別の科に属します。
ユリとよく似ていますが、アルストロメリアはの毒性成分はユリのように命の危険がある重篤な症状は引き起こさないと言われています。
ただし、ユリズイセン科は分類上ユリの仲間と考えられる文献も多くあるため、誤食があっても大丈夫とは明確に言い切れません。
アルストロメリアはユリやチューリップのような球根ではありませんが、さつまいものように太くなった根があるので球根植物のように扱われます。
さらに、犬や猫にとって様々な球根が猛毒となり、命の危険を考える重篤な中毒症状を引き起こすことがあります。
そのため、アルストロメリアはユリ科ではないがそれに近しい植物として取り扱う方がいいと当サイトは考えています。
まとめ
アルストロメリアはユリによく似た花姿で、切り花やフラワーアレンジメントでもよく使われる植物です。
花壇に向いた栽培品種もあるので、屋内外で触れる機会が多い植物と言えるでしょう。
このアルストロメリアには接触性皮膚炎や消化器へ悪影響を及ぼす物質が含まれているので、犬や猫においては誤食も接触もないように注意する必要があります。
犬や猫が触れられる場所に配置しないように十分に注意しましょう。
参考:アルストロメリアの基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)