アスクレピアス（トウワタ）とは
アスクレピアスは和名の「トウワタ」の名でも知られる人気の園芸植物です。
多年草の種が多いですが、日本で好く栽培される品種は冬越しできない事があり一年草として扱われることが多々あります。
品種が多いので様々な色の花がありますが、基本的には赤と黄色の鮮やかな小花を咲かせ、ガーデニングや鉢植え、切り花で楽しまれます。
様々なシーンで楽しまれるアスクレピアスですが、強い毒性をもつキョウチクトウ科の植物なので、犬や猫が近づかないように注意が必要です。
アスクレピアスの基本情報
学名：Asclepias
和名：トウワタ（A. curassavica）、オオトウワタ（A. syriaca）、ヤナギトウワタ（A. tuberosa）
科名 / 属名：キョウチクトウ科 / トウワタ属
花言葉：「私を行かせて」「心変わり」
アスクレピアス（トウワタ）の主な毒性成分
アスクレピアスは毒性の強いキョウチクトウ科の植物です。主な毒性成分は強心配糖体であるアスクレピアジンであると考えられています。
アスクレピアスによって起こる主な中毒症状例
- 嘔吐
- 下痢
- 脱力感
- 食欲不振
- 瞳孔の拡大
- 痙攣
アスクレピアスの有毒部位は全草で、摂取量や個体差によって重篤な症状を引き起こす可能性があります。
多量に摂取してしまった場合には、呼吸困難、腎不全、肝不全、呼吸麻痺を起こす可能性や場合によっては死亡に至る可能性が示唆されています。
また、アスクレピアスの茎などが傷ついたときに出る乳液にも毒性成分は含まれており、乳液が付着して皮膚はかぶれ、目に入ってしまうと角膜炎などのトラブルを起こすことがあります。
アスクレピアス（トウワタ）を誤食してしまったら
アスクレピアスに含まれる毒性は犬や猫にとって命の危険も考えられる強い毒性があると考えられています。
個体差によるところが大きいため、明確な致死量はわかりませんが、特に猫や小型犬などは少量であっても深刻な症状を起こす可能性があります。
明確にアスクレピアスの誤食が分かっている場合には中毒症状を起こしていないか注意深く観察が必要です。
どの部位をどの程度食べてしまったのか、時間の経過、中毒症状の有無などを記録し、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
大量に誤食してしまった場合には中毒症状の有無に関わらず、できるだけ早く動物病院へ連絡し、獣医師の指示に従いましょう。
アスクレピアスは接触性皮膚炎や目へのトラブルも起こり得るので、体のどこかをかゆがる、痛がる、目を執拗にこするなど異変があればそちらも動物病院で相談するといいでしょう。
植物の手入れのあとには必ず手洗いをしましょう
上記でも解説しましたが、アスクレピアスの乳液にも毒性成分が含まれ、その乳液に触れるとかぶれなどの接触性皮膚炎を起こすことがわかっています。
犬や猫が触れられない場所で管理していても、植物の手入れで手に乳液が付着したまま犬や猫とコミュニケーションを取ってしまうと皮膚トラブルや目に入れば角膜炎などを引き起こす可能性が少なからずあります。
人間も注意すべき点なので、植物の手入れの際には手袋する、手入れが終わったあとには必ず手を洗うなど万が一を考えて予防策を考えるといいでしょう。
まとめ
アスクレピアスは鮮やかな赤と黄色のかわいらしい花を咲かせ、ガーデンを彩ってくれる人気の植物ですが、全草に毒性成分を含むため取り扱いには注意が必要です。
小さな花は口に入れやすく、好奇心旺盛な犬や猫は揺れる葉や花に興味を示しておもちゃにしたりかじってしまう事もあるでしょう。
アスクレピアスの毒性は強く、誤食の量によっては命の危険も考えられます。
また、傷ついた個所から出る乳液は接触性皮膚炎を起こす場合があるので、犬や猫が居る環境下で飾る、育てる事は大変危険であると考えます。
観賞用に置かれる場合には、配置場所に十分気をつけ、またアスクレピアスを触れた後には接触性皮膚炎を予防するために必ず手を洗うようにするといいでしょう。
参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox
参考:国立健康・栄養研究所
