ハルジオンには犬猫に危険な成分は含まれていない!河川敷などで見られる身近な花

楽曲のタイトルなどにも使用され、広く名が知れたハルジオン。

秋に咲く「紫苑(シオン)」という花に見た目が似ていることから、春に咲く紫苑ということで「ハルジオン」という名前が付けられました。

野山や河川敷などにも生えており身近な存在のハルジオンですが、犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。

ハルジオンには犬猫にとって危険な成分は含まれていない!

ハルジオンには犬猫にとって毒となるような成分は含まれていないため比較的安全な植物と言えます。

ただし、犬猫がハルジオンに接触する際には注意すべき点があるのでご紹介したいと思います。

キク科の植物に含まれる有毒な成分

ハルジオンと同じキク科の植物である、キクやダリアには「セスキテルペンラクトン」や「ピレトリン」といった有毒な成分が含まれています。

犬猫がこれらの成分を摂取すると下痢・嘔吐・皮膚炎などの症状を引き起こす可能性がありますが、キク科の植物全てに含まれているわけではありません。

ハルジオン・ひまわり・ガーベラなどはキク科ですが有毒な成分は含まれていません

ハルジオンの基本情報

学名

Erigeron philadelphicus

科・属

キク科・ムカシヨモギ属

原産地

北アメリカ

開花時期

4月~7月

別名

ハルジョオン・カンザシグサ・ビンボウグサ

花言葉

追想の愛

基本的には食べさせない

ハルジオンは毒性のない植物ですが、総合栄養食のペットフードを与えていれば犬猫は食べる必要のないものです。

食べてしまった場合は仕方ありませんが、基本的には積極的に与えないようにしましょう。

ハルジオンを食べることによって考えられる危険性

ハルジオンは犬猫が好んで食べやすい植物の1つのようです。

犬猫がハルジオンを食べてしまった際に考えられる危険性についてご紹介します。

消化不良

完全肉食動物の猫や肉食寄りの雑食動物である犬は草食動物とは違い、植物を消化するための酵素を持っていません。

そのため、あまりたくさん植物を食べてしまうと消化不良が原因で下痢や嘔吐を引き起こしてしまう可能性があります。

植物が原因の消化不良は一時的なものですが、症状が慢性化している場合は他の原因が考えられます。

下痢や嘔吐が続くと、体内の水分が失われて脱水症状を起こす可能性もあるので早めに動物病院を受診しましょう。

呼吸困難

犬猫は人間のように食べ物をよく噛んでから飲み込むという習慣がありません。

そのためなんでも丸呑みしてしまいがちなので、大きいハルジオンの塊がのどに詰まって呼吸困難になる可能性があります。

もし、犬猫がハルジオンを食べてしまったあとに呼吸が速くなったり開口呼吸をしている場合は、すぐに獣医師へ相談しましょう。

腸閉塞

大きい食べ物の丸呑みは腸閉塞にも繋がります。

腸閉塞とは、何らかの原因で腸管内が塞がってしまい正常に機能しなくなることをいいます。

腸閉塞になると排便ができなくなり、嘔吐・食欲不振・元気喪失などの症状が現れることもあります。

犬猫は体調が悪くても基本的にケロッとしていることが多いので、お通じなどはよく注意して見てあげましょう。

毎日排便がないと基本的にはなにか異常がある可能性があります。不安な場合は獣医師へ相談しましょう。

誤食を避けるために

犬猫がハルジオンをむやみに食べてしまわないためには飼い主様の注意が必要です。

ハルジオンは街中に雑草などに混ざって生えているものなので犬の散歩中には注意しましょう。

できるだけ近づけないようにするのが一番ですが、匂いを嗅いでいる程度であれば問題ありません。

ただし食べ始めたらすぐに止めるようにしましょう。

猫の場合は外に生えているハルジオンに接触する機会はあまりないと思います。

ご家庭に猫が遊べるようなお庭がある場合は注意しましょう。

お庭にはハルジオンだけでなく犬猫にとって危険な植物が生えている可能性もあります。

異常があればすぐに獣医師へ相談

もしも、犬猫がハルジオンを食べてしまった後に前述したような症状がある場合は、すぐに獣医師へ相談することをおすすめします。

特に腸閉塞の場合は手術などの外科治療が必要となる可能性もあります。

早期発見して迅速に治療に取りかかるのが重要です。

【まとめ】ハルジオンには犬猫にとって危険な成分は含まれていない

ハルジオンには犬猫にとって有毒な成分は含まれていないため万が一食べてしまっても比較的安心です。

今回ご紹介したポイントや注意点をおさらいしましょう。

  • キク科の植物には「セスキテルペンラクトン」や「ピレトリン」といった有毒な成分が含まれているものがあるがハルジオンには含まれていない
  • 有毒な成分は含まれていないが消化不良や腸閉塞などのリスクもあるので基本的には食べさせないようにする
  • 食べてしまった後になにか異常が見られる場合はすぐに獣医師へ相談する

今回は犬猫を飼っている環境でのハルジオンについてご紹介しました。

ハルジオンは比較的安全な植物ですが毒性のある危険な植物もたくさんあるので注意しましょう。

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鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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