カラジウム(カラジューム)は犬猫にとって危険な植物。激しい痒みや皮膚炎を引き起こす可能性も

カラジウム(カラジューム)とは

カラジウムは、サトイモ科に属する熱帯性の観賞用植物です。

葉の美しさが際立つため、観葉植物として鉢植えで流通し、室内でも花壇でも非常に人気があります。

品種によっては、赤、ピンク、白、緑などさまざまな色彩が組み合わさったカラフルな葉を持ち、独特の模様や色合いが特徴的です。

鉢物としてもガーデニングでも人気の観賞用植物ですが、犬や猫にとって危険な植物なので注意が必要です。

カラジウムの基本情報

学名:Caladium
和名:ハイモ
その他の名前:カラジューム、カラディウム
科名 / 属名:サトイモ科 / ハイモ属(カラジウム属)

カラジウム(カラジューム)の主な毒性成分

カラジウムはサトイモ科の植物で、全草にシュウ酸カルシウムが含まれています

シュウ酸カルシウムは長い針状の結晶で、粘膜に対する強い刺激性があります。

カラジウムによる中毒症状例

  • 口や喉の激しい痛みや腫れ
  • 過剰なよだれ
  • 嘔吐
  • 口内炎や舌腫れ
  • 接触性皮膚炎
  • 呼吸困難

カラジウムは誤食すると、過剰なよだれや嘔吐、口内や喉の激しい痛みが引き起こされます。

大量に摂取してしまうと最悪の場合呼吸困難を引き起こすなど命に係わる重篤な症状を引き起こす可能性もあります。

また、カラジウムの切り口から出る汁液に触れるだけで激しいかゆみや皮膚炎を起こすことも分かっているので、誤食だけではなく皮膚や粘膜、目などへの接触にも十分気をつけなければいけません。

これは犬や猫に限った事ではなく、人間も誤食や接触によって同様の症状を引き起こすので、園芸作業においてはゴム手袋を着用し、汁液が皮膚や目などに付着しないように注意する必要があります。

カラジウム(カラジューム)を誤食、汁液に接触してしまったら

犬や猫がカラジウムを誤食してしまった場合にはすぐに対処する必要があります。

食べた量や症状を確認

まず、どの部分をどれくらい食べたのかを確認。

よだれや嘔吐、かゆがる、痛がる、呼吸に異常がないかなど症状が現れているかチェックしましょう。

症状がみられる場合はすぐに動物病院へ

上記で解説したようなカラジウムによる中毒症状が見られれば、できるだけ早く動物病院へ連れて行くといいでしょう。

シュウ酸カルシウムによる中毒は、放置すると喉や食道、胃などの消化器系へのダメージが深刻化する恐れがあります。

汁液に接触した場所は水でよくすすぐ

犬や猫がカラジウムの葉や茎にじゃれて、傷ついた場所から汁液が出てしまい皮膚に付着する事があります。

口の周りや、手足、顔周りなど水で洗い流せそうな場所であれば速やかにしっかりとすすいてあげるといいでしょう。

洗ってもかゆみや痛みなどが続く様子があれば動物病院で相談しましょう。

無理やり吐かせる行為は避けましょう

人間であればうがいをしたり水を飲んで吐き出すなど、自分の意思でコントロールした対処ができる事もあります。

しかし、犬や猫の口に無理やり水を流し込んだり、無理に吐かせようとすると誤嚥などの危険があります。

カラジウムの中毒ではなく、無理に行う催吐処置のせいで命に危険が及ぶ事もありますので、自己判断での催吐処置は行わないようにしましょう。

まとめ

カラジウムは鮮やかで個性的な葉の色や模様が人気の観賞用植物です。鉢植えで屋内で楽しまれる事や花壇で楽しまれるなど幅広く活躍しています。

しかし、カラジウムには犬や猫にとって危険な成分であるシュウ酸カルシウムが含まれているので取り扱いには十分に注意しなければいけません。

誤食、接触による健康被害は、軽度で済む場合もあれば命に係わる重篤な症状を引き起こすこともあるので、犬や猫が居る環境には配置しないようにするのが一番の予防策です。

花壇や道端の植栽でも見かける事がありますので、散歩中に誤食や接触がないように注意することも必要でしょう。

参考:カラジウム(カラジューム)の基本情報(みんなの趣味の園芸 NHK出版)

参考:ASPCA

参考:North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox

スギさん

スギさんマッサンのペットフードの学校

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株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。8年間の学びを生かしてペットレシピにも執筆しています。

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