ダリアは豪華で力強く咲く大輪の品種から、優雅な中輪、かわいらしい小輪など品種が非常に多く、古くから親しまれてきた球根植物です。
栽培は比較的容易で開花期も長く、その華やかさが花壇の主役ともなるのでガーデニングでもよく使われ、切り花としても人気のある植物です。
基本的に春植えの球根植物として扱われますが、一年草のように種から育てられるミニタイプの品種も多数育成されています。
ダリアの基本情報
学名:Dahlia
和名:テンジクボタン(天竺牡丹)
科名 / 属名:キク科 / テンジクボタン属(ダリア属)
開花期: 6月中旬~11月
花言葉:「華麗」「気品」「移り気」
ダリアは毒性成分を含むので犬猫にとって危険な植物!
ダリアはキク科の植物であり、花だけではなく全草に毒性成分を含むため、犬や猫にとって危険な植物です。
経口摂取による中毒症状、また接触することで皮膚炎を引き起こす可能性もあるので、誤食だけではなく触ることの無いように十分に注意しましょう。
ダリアの主な毒性成分
ダリアの主な毒性成分は不明といわれていますが、光毒性のポリアセチレン物質やセスキテルペンラクトン、ピレトリンなどの可能性が高くあります。
North Carolina Extension Gardener Plant Toolboxには、ダリアに毒性成分が含まれることが明記されており、その成分は光毒性ポリアセチレン化合物としています。
セスキテルペンラクトン、ピレトリンについては、キク科の植物に含まれている事があるので、キク科のダリアに関してもこれらの化合物が含まれる可能性が考えられます。
ダリアによる中毒症状例
- 下痢
- 嘔吐
- 腹痛
- 皮膚炎
- 発疹
- かゆみ
ダリアを経口摂取した場合、下痢や嘔吐などの症状を引き起こします。
また誤食及び接触は光毒性のポリアセチレン物質の影響を受け、かゆみをともなう皮膚炎等を引き起こすといわれています。
人間であってもダリアを多量に食べると有毒であるといわれているので、人間より消化能力、解毒能力の低い犬や猫への影響は大きくあるでしょう。
毒性成分を含む部位は葉といわれることもありますが、葉だけではなく花や茎、根の全草に有害となる成分が含まれている可能性が高いので、どの部位であっても誤食がないように気をつけましょう。
ダリアを食べてしまった・触ってしまったら
ダリアによる中毒症状は軽度から中等度程度であることが多いようです。
とはいえ、皮膚炎や嘔吐、下痢などはたとえ軽度であっても犬や猫には辛いものには変わりありません。
もし犬や猫がダリアを食べたり接触したことで異変があれば、動物病院へ相談しましょう。
獣医師による処置やアドバイスで早期回復が望め、症状が長引いてしまうことを防げるでしょう。
獣医師に相談する際には、ダリアのどの部位をどの程度食べたのか、また時間の経過や症状の有無を記録して伝えると診察のヒントになるので、飼い主様は慌てず冷静に記録しましょう。
安全な環境づくり
ダリアはポピュラーな花なので、ご自宅でのガーデニングや花束、そして公園や道端でも見かける事が多いでしょう。
犬や猫の行動範囲内である屋内には置かない、飾らないことが一番の予防策になります。
散歩に出る犬に関しては、日ごろから散歩コースに植わっている場所を確認しておくこともいいでしょう。
接触による皮膚炎の懸念もあるので、目を離した隙に花壇に入ってしまったりしないように注意してあげましょう。
まとめ
ダリアは華やかな見た目でさまざまな大きさ、形状の品種があり、ガーデニングでも切り花でも楽しまれる人気の植物です。
ダリアには、消化器への影響や皮膚炎を起こす有毒成分が含まれるので、犬猫が食べたり触れたりする事のないように気を付ける必要があります。
中毒症状は軽度から中程度であるので、少量であれば誤食した際に慌てる必要はありませんが、下痢や嘔吐、かゆみや皮膚炎を起こしてしまうので、獣医師に相談するといいでしょう。
犬や猫が中毒症状を起こす危険な植物は、屋内や犬猫の行動範囲内に置かない事や近づけないようにする工夫が必要です。
犬や猫が安心して暮らせる環境を整えるためにも正しい知識をもつようにしましょう。
参考:ASPCA