犬猫の布製品の誤飲に注意!布を口にしてしまう「ウールサッキング」の原因とは?

犬猫の布製品の誤飲はしばしば報告されています。

犬猫が布製品を口にする「ウールサッキング」と呼ばれる行動も原因の一つになっています。

今回はそのような行動を取る理由や、誤飲してしまった際の危険性などについてご紹介したいと思います。

誤飲の危険性

犬猫が布製品を誤飲すると喉に詰まらせて窒息や呼吸困難になる可能性があります。

さらに胃や腸などで詰まってしまい、閉塞状態になると外科手術が必要になる場合もあります。

誤飲の危険性のある布製品

実際に誤飲の報告がある布製品や誤飲しやすいものをご紹介します。

メガネ拭き

メガネ拭きは小さいサイズのものが多く、犬猫が丸呑みしてしまうことがあるようです。

また、犬猫は人間の匂いがするものに興味を持ちやすいため、飼い主様の匂いが染みついたメガネ拭きは興味を引くものと言えます。

靴下

人間からすると脱いだ後の靴下のような匂いはできるだけ嗅ぎたくない匂いです。

しかし、犬猫はそういった匂いを好むようで、飼い主様が脱いだ靴下に興味をもつことも珍しくありません。

フェロモンを感知したり、飼い主様の匂いが好きで嗅いでいるという説もあるようです。

フレーメン反応について
猫が靴下など匂いの強いものを嗅いだときに、ポカーンと口を開くような表情をしている姿を見たことがあるかもしれません。

これは口の中の上顎にある「ヤコブソン器官」という器官で、フェロモンを感知しようとする「フレーメン反応」という本能での行動です。

決して臭くてびっくりしているわけではありません。

犬の場合は口をパクパクと小刻みに動かしたり、馬の場合は前歯をむき出しにするといった反応を示します。

ちなみに人間にも元々ヤコブソン器官がありましたが、今は退化してしまい存在しません。

毛布やベッド

犬や猫は基本的に自分で快適な場所を見つけて体温調整を行います。

冬の寒い時期は毛布・ブランケットや犬猫用のベッドをあらかじめ用意して設置してあげることで体温調整をしやすくなります。

毛布やベッドは防寒のために有効活用したいものですが、犬猫によっては噛みちぎって飲み込んでしまうこともあるようです。

布製品を食べる原因とは?

犬猫が布製品を噛んだり、食べてしまう原因についてご紹介します。

ウールサッキング

犬猫が布製品を噛む・しゃぶる・吸うなどの行為の中でも心の病気が原因とされているものを「ウールサッキング」と呼ぶことが多いです。

ウールサッキングの原因となる心の病気は人間でいう「強迫性障害」や「常同障害」と呼ばれています。

強迫性障害の場合は小さなことから不安を感じやすく、同じことを何度も繰り返してしまうなどの特徴があり、犬猫の症状には以下のようなものがあります。

  • 毛布をしゃぶる・ふみふみする
  • 自分の尻尾を執拗に追いかける
  • 同じ場所を行ったり来たりする
  • 体を執拗に舐め続ける

成犬になっても毛布をしゃぶり続けたり、毛が禿げるまで自分の体を舐めたりする場合は強迫性障害の疑いもあるので一度獣医師へ相談してみましょう。

歯の生え替わり時期

犬猫はおよそ生後3ヶ月ほどになると乳歯から永久歯への生え替わりが始まると言われています。

歯の生え替わり時期は痒みを感じてタオルや毛布を噛むことがあるかと思います。

これは正常な行為なので問題ありません。

子犬や子猫の力であれば布製品を噛みちぎってしまう可能性も低いかと思いますが、不安な場合は噛んでも大丈夫なおもちゃを与えてあげましょう。

ストレス

犬猫が何らかの理由でストレスを感じている場合も布製品を噛むことがあります。

犬猫がストレスを感じる原因には以下のようなものがあります。

  • 運動不足
  • 留守番の時間が長い
  • コミュニケーションが足りていない
  • 空腹
  • 生活環境が清潔でない

上記の中でも運動不足やコミュニケーション不足などによりストレスが溜まりやすいと言われています。

犬の場合は散歩を、猫の場合はおもちゃで遊んであげるなどして一緒にいる時間を確保しましょう。

ストレスは前述したウールサッキングにもつながる可能性があります。

布製品の誤飲を防ぐために

犬猫の布製品の誤飲を防ぐために日常的に行えることをご紹介します。

毛布やブランケットを噛むクセがあるか

毛布やブランケットは犬猫が暖を取る上で非常に役に立つアイテムです。

しかし、犬猫が誤飲してしまう可能性がある場合は使用を諦める必要もあります。

まずは、犬猫に布製品を噛んだりくわえたりするクセがあるかどうかをチェックしましょう。

噛み癖があるようであれば少なくとも目を離している間は与えない方が良いと言えます。

最初は噛み癖があっても慣れてくると噛まなくなることもあります。

小さい布製品に注意

めがね拭きや靴下などの小さな布製品は、普段ブランケットを噛まないような子も興味本位で口に入れる可能性があります。

小さい分、丸呑みのリスクも高いため注意しましょう。

誤飲してしまった際の対処法

万が一、犬猫が布製品を誤飲する場面を見た場合は直ちに動物病院へ行きましょう

腸に到達する前に対処することによって開腹手術などを避けられる可能性があります。

誤飲した布製品が腸の中で詰まり、腸閉塞を起こした場合命に関わる可能性もあるので犬猫の異変にはいち早く気付きましょう。

布製品を誤飲すると、嘔吐・元気喪失・便秘などの症状を発症します。

また、布を丸呑みしていなくても繊維が体内で蓄積されていき腸閉塞を起こす場合もあるようなので注意しましょう。

【まとめ】布製品の誤飲は非常に危険!

布製品を誤飲すると命に関わる可能性もあります。

今回紹介したポイントをおさらいしましょう。

  • 布製品を誤飲すると窒息・呼吸困難・腸閉塞などの可能性がある
  • 布製品の噛み癖がある犬猫は特に注意
  • 丸呑みで無くても繊維の蓄積によって腸閉塞などを起こす可能性もある

今回は布製品を誤飲する危険性についてご紹介しました。

どうしても犬猫の布製品の噛み癖が治らず誤飲が怖いという場合はペットヒーターや噛んでも大丈夫なおもちゃなどを活用しましょう。

関連記事

  • 犬猫の電子タバコ・加熱式タバコの誤飲に注意!猫の場合はプロピレングリコールのリスクも
  • 犬猫の化粧品の誤飲に注意!種類によっては催吐処置や解毒措置が必要になるケースも
  • 犬猫のアルミホイルの誤飲に注意!アルミニウム中や付着した食品の成分にも中毒のリスク
  • 犬猫のペットシーツの誤飲に注意!水分で膨張する吸水性ポリマーには特に危険。

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

記事一覧

ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

関連記事