フジ(藤)は4月~5月にかけて長い穂のような花を垂れ下げて咲く、観賞価値の高いつる性の花木です。
その美しさから、現在では世界各地で植えられ楽しまれています。
美しく見ごたえのあるフジですが、フジには毒性成分が含まれているため犬や猫にとって危険な植物なので注意が必要です。
参考:フジ(藤)の基本情報
全草危険!フジ(藤)には毒性成分『レクチン』が含まれる
フジに含まれるレクチンは一種の自然毒で一般的に生の青豆、金時豆、白インゲン豆等の豆類に存在しています。
一見、フジと豆類は無縁のように思いますが、フジはマメ科マメ属の植物なのでレクチンを含んでいてもおかしくはありません。
レクチンを含む食材であっても、十分に加熱調理を行えば安全に食べられるものもあるのですが、フジは観賞用の花木であるため、まず加熱処理をされているという事がありません。
植えられているものや、切り花として飾られているフジはもちろん生の状態であり、犬猫はもちろん人間であっても口にしないように注意する必要があります。
フジの種子・サヤが一番危険?
フジの危険部位は植物の全てであり、花が終わった後につける種子も絶対に食べてはいけません。
種子はそら豆に似た形状のサヤの中にあるのですが、フジの中で最も危険な部位はこのサヤともいわれています。
人間であればフジの種をしっかりと加熱調理したものを少量であれば食べても大丈夫とされる情報をみかけますが、大量に食べる事はやはりレクチンの影響で健康被害を起こす可能性があるとされています。
そのため、人間より解毒機能も弱いといわれている犬猫に、たとえ加熱調理をしたとしても食べさせるべきではないでしょう。
また、人間が食べるように種の入ったサヤを収穫した場合、キッチンに種を取った後のサヤを放置しないように注意しましょう。
参考:Japanese wisteriia ‘Royal Purple’
フジ(藤)を食べる事で起こる中毒症状
フジには自然毒の一種であるレクチンが含まれるので、誤食してしまうと下記のような中毒症状を引き起こします。
- 嘔吐
- 腹痛
- 流涎
- 発汗
- 血圧上昇
- 運動失調
- 呼吸不全
少量であっても下痢や腹痛、流涎などの症状を引き起こし、摂取量によっては呼吸不全や麻痺、昏睡などの重篤な症状を引き起こし、場合によっては死亡してしまうケースもあります。
致死量は明確になっていませんが、犬猫の個体差によってはたとえ少量であっても死に至る可能性もあるので十分に注意しましょう。
犬猫がフジ(藤)を食べてしまったら
上記でも解説しましたが、フジを食べてしまったら中程度から高程度の中毒症状を引き起こします。
場合によっては死に至るケースもあるため、たとえ少量であってもフジを食べてしまったとわかったら速やかに動物病院へ相談し、獣医師の指示に従いましょう。
食べた事に気づいた後に症状が軽そうであったり、症状が出ていなくても自己判断での経過観察は危険な場合があります。
まとめ
フジに含まれる自然毒のレクチンは、最悪の場合死に至るほどの中毒症状を引き起こしてしまうので、犬猫の行動範囲内にフジを置くことは避けた方がいいでしょう。
フジは花も種も垂れ下がるように生るので、犬猫は非常に興味を持ちやすい植物です。
飼い主様は植物の危険性を十分に理解し、犬や猫の健康を守るために予防策を講じる事をおすすめします。
参考:ASPCA