ハエトリグサは犬猫にとって安全な植物!毒性成分は含まれず、葉の先端のトゲも柔らかい

昨今では多肉や観葉植物のブームにより、食虫植物も注目を集めています。

植物なのに獲物を捕獲するユニークな性質にファンが多く、その中で最も有名といってもいいのがハエトリグサで、栽培して楽しまれている方も少なくないのではないでしょうか。

ハエトリグサの基本情報

学名:Dionaea muscipula
和名:ハエトリグサ(蠅捕草)
その他の名前:ハエトリソウ、ハエジゴク、ディオネア
科名 / 属名:モウセンゴケ科 / ハエトリグサ属(ディオネア属)
花言葉:「嘘」「魔性の愛」

参考:ハエトリグサの基本情報(みんなの趣味の園芸NHK出版)

ハエトリグサは犬猫にとって比較的安全な植物

ハエトリグサの見た目や食虫植物という名前から、危険な印象を持つ方もいるかもしれませんが、ハエトリグサに毒性成分は確認されていないので、犬猫にとって比較的安全な植物といっていいでしょう。

葉の先端はトゲのような形状になっていますが、こちらも葉の一部なのでバラのトゲのような硬さはなく、刺さることや皮膚を傷つけてしまうという心配もないでしょう。

ただし、食用として扱われる植物ではないので無制限に食べさせても大丈夫というわけではありません。

ハエトリグサを食べてしまったら

上記で解説したように、犬猫に対する毒性は確認されていないので、犬や猫がハエトリグサの一部を食べてしまったからといって慌てる必要はないでしょう。

ハエトリグサのような食虫植物は虫を誘引する香り等を放つことが多いのですが、それらによって犬猫がハエトリグサに誘引されることは考えにくいでしょう。

また、虫を消化する消化液は犬猫が触れてしまったら危険なのでは?と考えてしまいますが、ハエトリグサの消化・吸収については下記のようにいわれています。

無柄腺からはプロテアーゼ、エステラーゼ、酸性フォスファターゼ、アミノペプチターゼが分泌され、獲物をじっくり消化する。この消化液が分泌されるのが捕虫後24時間から36時間後で、1週間から10日ほどかけて消化吸収される

引用:日本食虫植物愛好会

虫を葉の中に閉じ込めすぐに溶かしてしまうようなイメージをしがちですが、実際には時間をかけて常にゆっくりと消化していくようです。

そのため、消化液の付着による皮膚炎等の可能性も非常に低いと考えられます。

しかし、猫については植物性の消化が苦手なことから、摂取量によっては下痢や嘔吐などの症状が出てしまうこともあります。

犬であっても個体差や摂取量によっては同様の症状が起こる可能性があるので、食べさせても大丈夫とは言い難いでしょう。

もしハエトリグサを食べた後に犬猫が体調不良を起こした場合には、動物病院へ相談し、獣医師の指示に従うようにしましょう

犬猫におもちゃにされるとハエトリグサは弱ってしまう

犬や猫は好奇心旺盛で、揺れる葉や花などに興味を持ち、植物をおもちゃにしてしまう事はしばしばあるでしょう。

ハエトリグサは葉の表面に感覚毛といわれる毛のようなものが生えており、そこに刺激が加わると歯を閉じ強化活動を始めるといった仕組みです。

その1回の開閉運動にかけるエネルギーは大変なものであり、ハエトリグサに触れすぎるとハエトリグサ自体のエネルギーが大きく消耗されて弱って枯れてしまう事もあるそうです。

犬や猫への健康被害の可能性は低いと考えられますが、逆にハエトリグサは犬猫に触られる事で枯れてしまう懸念があるので、毒が無いからといって犬猫の近くに配置するのはあまりおすすめできません。

まとめ

ハエトリグサは犬猫に対しての毒性はなく、比較的安全な植物といえます。

ただし、食用として向いている植物ではないので、無制限に食べさせても大丈夫とは言い難いと考えます。

植物性の消化が苦手な猫や犬であっても摂取量や個体差によっては下痢や嘔吐などの症状が現れる事があるので、基本的に食べさせないように配置には注意してあげましょう。

犬猫に対して比較的安全な植物なのですが、逆に犬猫がおもちゃにして枯らしてしまう可能性もあるため、愛犬愛猫の行動範囲内への配置はあまりおすすめできません。

犬猫の健康や植物の適正な環境を整えるために、家庭内での配置や取り扱いに十分に考慮して楽しみましょう。

参考:ASAP(米国動物虐待防止協会)

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

関連記事