ペチュニアは犬猫にとって危険な植物?ナス科の植物に含まれるアルカロイドに注意

ペチュニアは花壇などでおなじみの草花で、公園や道路わきなどでもよく見かける植物です。

大輪から小輪、八重咲き、枝垂れのものなど様々な品種があり、毎年育てていても飽きないと言われるペチュニアは、成長が早く丈夫で初心者でも簡単に育てられるのも人気の理由でしょう。

ペチュニアの基本情報

学名:Petunia
和名:ツクバネアサガオ(衝羽根朝顔)
科名 / 属名:ナス科 / ツクバネアサガオ属(ペチュニア属)
開花期:3月~11月
花言葉:「心のやすらぎ」「あなたと一緒なら心がやわらぐ」

参考:ペチュニアの基本情報(みんなの趣味の園芸NHK出版)

ペチュニアはナス科の植物

園芸店で見ない事はないほど人気がありガーデニングの定番ともいえるペチュニア。

ASAP(米国動物虐待防止協会)によれば、ペチュニアは原則無毒であるとされ、犬猫にとっても無毒であるとの記載がありますが、ナス科の植物なのでアルカロイドによる健康被害の危険性が考えられます。

ナス科の植物には有毒なアルカロイドが含まれることが知られ、ナス自体も未熟な緑色の実や芽、葉などに対する注意喚起がされています。

他にも同じナス科の植物であるトマトやジャガイモにも同様の健康被害に対する注意喚起がされていることは広く知られるところでしょう。

ペチュニアは食用の『エディブルフラワー』としても扱われ人が食べても大丈夫という認識があり、人間と同様に犬猫も食べても大丈夫と考えてしまいそうです。

しかし、当サイトとしてはアルカロイドによる健康被害の懸念がある以上、ペチュニアは犬猫が食べても大丈夫な植物であるとは言い難いと考えます。

参考:ジャガイモとトマトはおいしい野菜だが,毒がある?

ナス科の危険な植物による中毒症状例

ペチュニアに含まれるアルカロイドやその毒性の強さについては明確になっていませんが、犬猫にとって危険な植物として有名なナス科の植物を摂取した場合の中毒症状は以下の通りです。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • めまい
  • 瞳孔散大
  • 幻覚
  • 呼吸困難

ナス科の中で危険とされるナス・トマト・ジャガイモの未熟果や葉など、チョウセンアサガオ、ホオズキ、タバコなどを摂取した場合に起こる可能性がある中毒症状例を挙げました。

最悪の場合には命の危険もあるといわれています。

ペチュニアの毒性に関しては不明確なところが多く、一概に上記のような症状が現れるとは断言しがたいのですが、同じナス科として注意するに越したことはないでしょう。

ペチュニアの誤食を防ぐ

犬猫に対するペチュニアの危険性が明確にされている研究は見かけませんが、ペチュニアにアルカロイドが含まれているとする文献は確認できます。

ペチュニア茎葉の分泌毛束(Trichome)からはタバコスズメガMunduca sexta(Johannson)(チョウ目,スズメガ科)幼虫に殺虫作用のあるアルカロイドが分泌される(Parr and Thurston,1968)今回の調査でもペチュニアでアザミウマ類の死骸が観察され,アルカロイドによりアザミウマ類も死亡した可能性が考えられる.

引用:カリフォルニアポピーとペチュニアをヒラズハナアザミウマの誘引植物として用いた雨除け栽培トマトでの白ぶくれ症防

上記は農業研究所による研究報告ではありますが、ペチュニアからアルカロイドが分泌されることが分かっている以上、犬猫が誤食しないように飼い主様は注意すべきであると考えます。

アルカロイドはペチュニアの全草に含まれると考えられているので、花、葉、茎、根などどちらも誤食が無いように、愛犬愛猫の行動範囲内に配置しないようにするといいでしょう

また外を歩く機会が多い犬の場合、道路や公園などでも多く見かけますので、散歩コースにペチュニアがある場合はかじったりしないように注意してあげましょう。

ペチュニアを食べてしまったら

ペチュニアによる中毒症状は上記で挙げたナス科の植物を摂取した場合に起こる中毒症状例と同様の症状が現れる可能性があります。

個体差や摂取量によって引き起こす症状は違いますが、嘔吐や下痢などの症状が見られれば誤食を疑い、ペチュニアをかじった跡がないか確認しましょう。

ペチュニアを誤食したことがわかったら、どの部分をどの程度食べてしまったのか、また時間の経過や症状の有無などを確認し、動物病院へ相談しましょう。

まとめ

ペチュニアの犬猫に対する危険性は不明確な部分が多くありますが、当サイトではアルカロイドを含むナス科の植物なので、誤食しないように注意した方が良いと考えます。

ガーデニングや鉢植えで広く楽しまれるペチュニアですが、犬猫の行動範囲内に配置しないようにすることが誤食の最大の予防となるでしょう。

少量をかじった程度で命の危険があるほどの毒性ではないと考えられますが、誤食してしまった場合は冷静に観察して動物病院へ相談することをおすすめします。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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