綺麗に生い茂る葉と鮮やかな色合いで人気のあるアイビー。
お庭やプランターで育てられるだけでなく、吊り下げてお部屋のインテリアに使用されることも多いです。
そんなアイビーは犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。
アイビーは犬猫にとって危険な植物!
実はアイビーは犬猫にとって危険な成分が含まれている植物です。
今回は、犬や猫がアイビーを食べることによるリスクや危険性について解説していきたいと思います。
アイビーの基本情報
学名
Hedera helix
科・属
ウコギ科・キヅタ属
原産地
ヨーロッパ・北アフリカ・アジア
開花時期
10月頃
別名
セイヨウキヅタ
花言葉
永遠の愛・友情・誠実・不滅・結婚
アイビーに含まれる成分
アイビーの葉や茎には「サポニン」というコーヒーや抹茶などの苦味の元となっている成分が含まれています。
サポニンは水に溶かして混ぜることによって石鹸のように泡立つため、「天然の界面活性剤」と呼ばれています。
今では多くの洗剤は化学薬品を使用して作られていますが、天然成分100%の洗剤としてサポニンが使用されているものもあります。
サポニンを犬猫が摂取すると
犬猫がサポニンを含む植物を食べると、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす可能性があります。
症状は一時的なもので、重篤な症状が現れることは少ないと言われています。
しかし、下痢や嘔吐を繰り返すことにより消化器官を傷つけてしまったり栄養失調になってしまうことも考えられます。
人間にとっては嬉しい効果が
犬猫にとっては良くない成分のサポニンですが、人間にとっては嬉しい効果があります。
- 肥満予防
ブドウ糖が脂肪酸と結合するのを抑え脂肪を蓄積しにくくする。 - 免疫力向上
免疫機能のある「ナチュラルキラー細胞」の働きを活性化させる。 - 抗酸化作用
コレステロールの酸化を抑え、LDLコレステロールの生成を抑制する。 - 血流改善
血栓をできにくくし、毛細血管の血流も改善する。 - 肝機能向上
脂肪の酸化を抑え、「脂肪肝」になるのを防ぐ。 - 咳や痰の抑制
古くから鎮咳・去痰剤として使用されていた。
人間にはこのような薬用効果のあるサポニンでも、犬猫にとっては毒となってしまうため注意しましょう。
犬猫がアイビーを食べてしまわないために
犬猫がアイビーを食べてしまわないためには犬猫がいる環境では育てないのが一番です。
しかしどうしても育てたい場合や既に家にアイビーがあるという場合は、できるだけ近づけないようにすることをおすすめします。
可能であれば犬猫とアイビーは違う部屋で育てるようにし、それが難しい場合は犬猫の手が届かない場所で管理することをおすすめします。
ハンギンググリーン
観葉植物の飾り方の一つに「ハンギンググリーン」というものがあります。
これは観葉植物をプランターごと天井や壁から吊す方法で、実際にアイビーを飾る際にはよくハンギンググリーンがよく用いられています。
ハンギンググリーンはツル性の植物によく用いられる方法で、下に向かって伸びていくツルがインテリアにとても良いです。
この方法を使うと、犬の場合は手が届きにくくなり対策にちょうど良いといえるでしょう。
猫の場合も高い位置に設置しておけば問題ないかと思います。
しかし、天井からぶら下がっているゆらゆら揺れるアイビーのツルのようなものは、とても猫の興味を引く対象なのでなんとかして触れようとするかもしれません。
どこか他の場所から飛び移ろうとしたりすると怪我にも繋がる可能性があるので注意しましょう。
また、育てているうちにいつかは下に向かって伸びていくツルが犬猫の手の届く範囲に達するかと思います。
適度に伸びてきたタイミングで、枝を切る「剪定(せんてい)」をしましょう。
もしも食べてしまったら
もしも犬猫がアイビーを食べてしまった場合は一旦様子を見るのが良いでしょう。
前述したように、重篤化することは稀なので一時的な下痢や嘔吐で収まる場合が多いです。
もし、しばらく経っても症状が治まらない場合は電話などですぐに獣医師へ相談しましょう。
必要に応じて動物病院へ連れて行き、適切な診察と治療を受けることが重要です。
【まとめ】アイビーは犬猫がいる環境ではおすすめできない観葉植物
犬猫を飼っている環境でアイビーを育てるのはおすすめできません。
今回紹介した成分や注意点についておさらいしましょう。
- 葉や茎に「サポニン」という犬猫にとって有毒な成分が含まれている
- サポニンは人間が摂取すると抗酸化作用・血流改善・肥満予防などの効果があるが、犬猫が摂取すると下痢や嘔吐などを発症する
- サポニンによる症状は一時的なもので、もし食べても重篤化することは滅多にないが、症状が治まらない場合など必要に応じて獣医師に相談する。
今回は犬猫を飼っている環境でのアイビーについてご紹介しました。
アイビーは生命力や耐陰性が高く初心者でも育てやすい観葉植物ですが、犬猫がいる環境で育てるのはおすすめできません。