ジャスミンは犬猫にとって安心な植物?品種によっては毒性成分を含むので注意が必要

ジャスミンは香りの良さや花のかわいらしさから人気のある植物です。

ジャスミンと呼ばれる花木は数多くあります。しかし、一口にジャスミンといってもすべてが同じ属性の科に分類されるわけではありません。

品種によっては有毒のものもあるので、ジャスミンについては正しい知識を持つことが大切になります。

犬猫にとって有害な毒性成分を含むジャスミン

数多くあるジャスミンと呼ばれる植物の中でも『カロライナジャスミン』『マダガスカルジャスミン』については犬猫にとって有害な毒性成分が含まれるといわれています。

犬猫にとって有毒なジャスミンの品種

カロライナジャスミン

学名:Gelsemium sempervirens
科名 / 属名:ゲルセミウム科 / ゲルセミウム属

カロライナジャスミンは、所謂ジャスミンの白や薄ピンクの花と違い、はっきりとした黄色の花を咲かせるので見た目ですぐに判別できるでしょう。

このカロライナジャスミンには中枢神経に作用するゲルセミンという毒性成分を含むため、犬猫が摂取してしまうと重篤な中毒症状を引き起こしてしまいます。

そのため、ジャスミンと呼ばれる植物の中でも最も気をつけるべき品種といってもいいでしょう。

カロライナジャスミンについては東京都健康安全研究センターのHPでもその毒性について注意喚起があり、花の蜜にも毒性があるので人間の子供が食べたり舐めたりしないように記載されています。

参考:カロライナジャスミンの基本情報

マダガスカルジャスミン

学名:Stephanotis floribunda
科名 / 属名:キョウチクトウ科(ガガイモ科) / シタキソウ属(ステファノティス属)

マダガスカルジャスミンは犬猫に対する危険性に意見が分かれるところがあり、毒性については不明な点もあります。

しかし、健康被害の懸念がある以上、当サイトとしては犬猫にとって危険な植物として注意するに越したことはないという考えで有毒植物として紹介させて頂きます。

このマダガスカルジャスミンにはアルカロイド系の毒性成分が含まれるといわれています。

また樹液に触れる事で皮膚炎を起こすとの情報もあるので、犬猫が食べる事も接触もしないように注意しましょう。

参考:マダガスカルジャスミンの基本情報

中毒症状例
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚炎
  • めまい
  • 痙攣
  • 呼吸麻痺

上記のように中毒症状例としては重篤な症状を引き起こす場合もあるので、犬猫が食べてしまわないように注意が必要です。

どちらも全草に毒性成分を含むといわれているので、万が一上記の品種を犬猫が食べてしまった場合には速やかに動物病院へ相談し、獣医師の指示に従いましょう

犬猫にとって無毒なジャスミン

ジャスミンの中でも人気のある品種として『ハゴロモジャスミン』『マツリカ』が挙げられます。

この2つのジャスミンは上記で紹介した品種と違い、犬猫にとって無害であるといわれています。

そのため、これらのジャスミンであれば犬猫が少し食べてしまったところで慌てる必要はないでしょう

参考:ASPCA

犬猫にとって無毒なジャスミンの品種の基本情報

ハゴロモジャスミン

学名:Jasminum polyanthum
科名 / 属名:モクセイ科 / ソケイ属

参考:ハゴロモジャスミンの基本情報

マツリカ

学名:Jasminum sambac
和名:マツリカ(茉莉花) 英名:arabian jasmine
その他の名前:サンバックジャスミン、アラビアンジャスミン、ピカケ、サンパギータ
科名 / 属名:モクセイ科 / ソケイ属

参考:マツリカの基本情報

無毒であっても積極的に食べさせる植物ではない

園芸用に売られているものや、切り花として売られているジャスミンは食用植物ではないので、無毒であっても基本的には犬猫へ積極的に食べさせても大丈夫とは言い難い植物です。

人間よりも消化能力が低い犬猫がジャスミンの葉や花を食べると、摂取量や個体差によっては消化不良を起こすこともあります

また、飼い主様の管理下にない路地や公園などに植わっているジャスミンは、防虫、駆虫などの薬品が散布されている可能性も考えられるので、食べないように注意してあげるといいでしょう。

ジャスミンの誤飲・誤食を防ぐには

上記で解説したように、ジャスミンと呼ばれる植物は有毒のものと無毒のものが混在しています。

はっきりと品種がわかり無毒だと確認できれば比較的自由に楽しめますが、品種がはっきりしないものや有毒とわかっている品種の場合は基本的に犬猫の行動範囲内に配置しない事が誤食を防ぐ一番の対策になるでしょう。

もしすでに庭木として有毒である品種のジャスミンを育てている場合には、犬猫が近づかないように柵を設置する事や、落花の掃除をこまめにするなど誤食が無いように注意しましょう。

また犬は散歩で外出する機会が多いので、品種のはっきりしないジャスミンに触れ合う機会があるかもしれません。

花の香りや揺れる葉などに興味を示して誤食してしまわないように、散歩中も目を離さないようにしてあげる事も予防策のひとつです。

ジャスミンティ(ジャスミン茶)は犬猫にとって危険な飲み物!

ジャスミンティに使われるジャスミンは、ジャスミンの中でも無毒であると紹介した『マツリカ』の花です。

そのため、ジャスミンティは犬猫にとって安全な飲み物と誤認されそうですが、ジャスミンティのベースは緑茶やウーロン茶であり、それらにジャスミンの花の香りを移したものがジャスミンティーです。

緑茶やウーロン茶には犬猫にとって有害なカフェインが含まれるので、絶対に飲ませないようにしましょう。

犬猫はジャスミンティ(ジャスミン茶)を飲んではいけない!カフェイン中毒に注意!

まとめ

ジャスミンと呼ばれる植物には様々な品種があり、犬猫にとって危険な品種も存在します。

ハゴロモジャスミンやマツリカといった品種のジャスミンは犬猫にとって無毒ですが、カロライナジャスミンやマダガスカルジャスミンは犬猫にとって有害な毒性成分を含むといわれています。

その毒性成分はアルカロイドや中枢神経に作用するゲルセミンという毒性成分であり、犬猫が摂取すると重篤な症状を引き起こる可能性が高いため食べさせない、近づけないように十分に注意が必要です。

また、ジャスミンティはカフェインが多く含まれる緑茶やウーロン茶にジャスミンの香りを移したものなので、絶対に犬猫に飲ませないように注意しましょう。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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