カランコエは犬猫にとって危険な植物!強心配糖体による心臓への影響や命の危険も

多肉植物の中でもひときわ人気の高いカランコエ。

カランコエは大変種類が豊富で、同じカランコエと呼ばれる植物でも、大きく分けてを楽しむタイプと多肉質の葉を楽しむタイプがあります

どちらも鉢植えで楽しまれ人気のある植物で、基本的にベンケイソウ科のカランコエ属の植物として分類されますので、この記事では同一種の植物として犬猫に対する危険性などを解説します。

カランコエ 子宝弁慶草(多肉植物として)

学名:Kalanchoe CLONEKOE(K. crenata × K. daigremontiana)
カランコエ クローンコエ(カランコエ・クレナタ×カランコエ・ダイグレモンティアナ)
和名:子宝草(こだからそう)
科名 / 属名:ベンケイソウ科 / カランコエ属
他の呼び名:クローンコエ

カランコエ(草花として)

学名:Kalanchoe
和名:リュウキュウベンケイ(琉球弁慶)
科名 / 属名:ベンケイソウ科 / リュウキュウベンケイ属(カランコエ属)
花言葉:「あなたを守る」「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「おおらかな心」

参考:カランコエ 子宝弁慶草カランコエ(鉢花)の基本情報(みんなの趣味の園芸NHK出版)

カランコエは犬猫にとって危険な植物!

カランコエは花の咲くものも多肉植物として扱われるものも、どちらも犬猫に対して危険な植物であるといえます。

鉢植えとして気軽に楽しめるカランコエなので、室内に配置してあることが多く、少し目を離した隙に犬や猫が食べてしまった!などという状況は少なからずあり得るでしょう。

下記にカランコエの危険性や、食べてしまった場合に起こる可能性がある中毒症状例をまとめます。

主な毒性成分はブフォジエノリド(強心配糖体)

カランコエの主な毒性成分はブフォジエノリドという強心配糖体です。

この強心配糖体は、人間に対しても経口摂取は危険であると注意喚起されているジギタリスの化合物に類似した強心配糖体であるといわれています。

ジギタリスに関しては重症になると心臓機能が停止し、死亡することがあるとして厚生労働省の自然毒のリスクプロファイルにも掲載されています。

カランコエ種には強心配糖体が含まれており、動物に対して有毒です。

これらの植物が野生で見られる南アフリカとオーストラリアでは、牛や羊の中毒がよく見られます。

花には茎、葉、根よりもはるかに高濃度の配糖体が含まれているため、中毒症は主に夏に発生します。小動物におけるカランコエ種の毒性量は不明ですが、子牛の致死量は、花では体重 1 kg あたり 7 g、葉では体重 1 kg あたり 40 g と推定されています。

米国では、カランコエこれらの植物は牧草地では一般的に見られないため、家畜に対するリスクはほとんどありません。しかし、犬、猫、鳥などの家庭用ペットは、植物が造園に使用されたり、観葉植物として保管されたりするため、影響を受けやすくなります。

引用:Kalanchoe species poisoning in pets

カランコエの有毒性について上記の文献があり、犬や猫に対する明確な致死量はわかっていません。

しかし子牛の体重1kgあたり花7gが致死量であるとの記載を見ると、同等、あるいはもっと少ない量でも犬や猫は致死量に達してしまう可能性も考えられます。

また最も危険とされるのは茎や葉、根よりも花であると考えられているので、花を咲かせるタイプのカランコエの栽培は一層注意が必要でしょう。

カランコエを食べてしまったら

カランコエに含まれる毒性成分は、上記で花に多く含まれると解説しましたが、花より含有量が少ないとはいえ、葉や茎、根など全草に毒性成分は含まれるといわれています。

そのため、花が咲かない多肉植物として扱われる子宝草であっても危険であると考え、誤食が無いように注意が必要です。

カランコエの誤食によって起こる中毒症状例
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 震え
  • 流涎
  • 心拍の異常

食べてしまった部位や個体差にもよりますが、犬や猫がカランコエを舐める、ごく少量かじる程度ですぐさま重篤な症状が現れるといったケースはあまり考えられません。

しかし多量に摂取してしまった場合や個体差によっては、カランコエに含まれる強心配糖体の作用によって心臓へ影響を及ぼし、最悪のケースでは命の危険も考えられます。

犬猫がカランコエを食べてしまった場合や誤食が疑われる場合には、症状の有無に関わらず動物病院へ相談し、獣医師の指示に従うようにしましょう。

参考:強心配糖体(cardiac glycoside)について

カランコエを食べないように対策をする

カランコエが犬猫にとって特別おいしい植物というわけではないので、カランコエを執拗に食べたがる、たくさん食べてしまったなどという状況は考えにくいでしょう。

しかし好奇心旺盛な犬猫は植物をおもちゃにした勢いで舐める、かじる、食べるなどはよくあることです。

日頃からカランコエは犬猫にとって危険な植物であるとの認識を持ち、犬や猫の行動範囲には配置しないようにするといいでしょう。

散歩コースで見かけるようであれば近づけないようにするなど、誤食を予防する行動、対策をしましょう。

まとめ

カランコエは種類が豊富で園芸店でもよく見かける人気の植物ですが、犬猫が誤食してしまうと大変危険な植物なので注意が必要です。

カランコエの主な毒性成分は強心配糖体であると考えられており、摂取量や個体差によっては心臓へ影響を及ぼし、最悪のケースでは命の危険も考えられます。

花に最も毒性成分が多く含まれると考えられていますが、どの部位であっても誤食の無いように気をつけましょう。

犬や猫の行動範囲内にカランコエを配置しないようにすることや、散歩コースで見かける事があれば近づけないようするなどの対策をし、愛犬愛猫の安全な生活環境を整えてあげましょう。

参考:ASPCA(米国動物虐待防止協会)

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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