レモンバーベナは犬猫にとって危険な植物?精油成分リモネンやシトロネロールのリスクを解説

レモンバーベナはその名の通りレモンの香りに似た清々しく爽やかな香りがするハーブの一種です。

フランスではベルベーヌの名で親しまれ、ハーブティーとして楽しまれる他にも、乾燥しても香りが長持ちするため、ポプリや香り袋などでもよく使われています。

レモンバーベナの基本情報

学名:Aloysia triphylla
科名:クマツヅラ科コウスイボク属
和名:香水木(コウスイボク)、防臭木(ボウシュウボク)
別名:ベルベーヌ
花言葉:「忍耐」「魅力」「寛大」「広い心」

参考:レモンバーベナの基本情報(みんなの趣味の園芸NHK出版)

レモンバーベナは犬猫にとって危険?

レモンバーベナはメディカルハーブとしても人気があり、犬や猫にもその効果が期待できるのでは?と考える事もあるでしょう。

しかし、レモンバーベナの特徴であるレモンに似た爽やかな香りの元となる精油成分には、犬や猫に対して健康被害の懸念がある『リモネン』『シトロネロール』が含まれています。

レモンバーベナの摂取で引き起こされる症状例
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 胃のむかつき
  • 疝痛(反復する発作的内臓痛)

猫の場合

猫は完全な肉食動物のため植物性の消化が苦手である傾向にあり、生のレモンバーベナであっても個体差によっては少量で下痢や嘔吐などの症状を表す可能性があります。

犬に比べエッセンシャルオイルの影響を受けやすいとも考えられており、リモネンやシトロネロールによる健康被害の報告もある事から、当サイトではレモンバーベナは猫にとって危険な植物だと考えます。

犬の場合

犬の場合、本来は肉食動物ではありますが、ある程度の植物性の消化が可能である雑食性をもち、エッセンシャルオイルの代謝に関しても猫とは異なります。

このため生のレモンバーベナの葉を少量かじる程度で重篤な症状を引き起こす可能性は低いと考えられます。

しかし多量に摂取してしまう事や、子犬やシニア犬などに関してはその限りではありません。

少量であれば摂取しても大丈夫との情報も見かけますが、レモンバーベナに含まれる精油成分による健康被害の懸念は拭い去れません。

当サイトでは子犬やシニア犬だけではなく成犬であっても食べさせない方が良いと考えます。

エッセンシャルオイルの取り扱いは注意

生のレモンバーベナの少量摂取であれば、重篤な症状を引き起こす可能性は低いと思われますが、レモンバーベナから抽出されたエッセンシャルオイルの経口摂取はたとえ少量であっても犬猫共に危険です。

猫の場合

猫はエッセンシャルオイルによる健康被害の懸念が強くあり、経口摂取はもちろん、皮膚に直接触れる事やデュフューザーの使用による吸引でも健康被害の可能性があると指摘されています。

エッセンシャルオイルは1滴のオイルを抽出するのに多量の原料を使用するため、犬や猫に与える健康被害の可能性や症状の重症度が大きく違います。

自宅でエッセンシャルオイルを使用される場合には、犬や猫の行動範囲ないでの使用は控え、保管に関しても犬猫の届く場所には放置しないように気をつけましょう。

犬の場合

エッセンシャルオイルを使用したアロマテラピーが有効であるとされる場合がありますが、犬用に十分に希釈された安全性が確認されたものを使用する場合に限った話であり、少量であっても経口摂取は健康被害の可能性が非常に高まります。

レモンバーベナを食べてしまったら

ハーブは比較的簡単に育てる事が可能なので家庭菜園で楽しまれている方も少なくないのではないでしょうか。

お庭や鉢植えでレモンバーベナを育てていたり、また購入したレモンバーベナをキッチンに置いておいたら愛犬愛猫が食べてしまっていた!という事は起こりうる状況です。

犬に関しては少量の摂取で影響を受けにくいと考えられますが、子犬やシニア犬、猫に関しては少量であっても下痢や嘔吐など様々な症状を引き起こす可能性があります。

大量に摂取した場合には重篤な症状を引き起こす可能性もあるので、犬や猫がレモンバーベナを摂取したことが分かった場合、放置せずに食後の様子に十分に注意しましょう。

摂取後に体調に異変があればすぐにでも動物病院へ相談し、獣医師の指示に従うようにしましょう。

まとめ

レモンバーベナは犬猫共に健康被害の可能性があるとされる精油成分を含むため、当サイトでは基本的に食べさせてはいけない植物であると考えます。

生のレモンバーベナを摂取した場合の健康被害の度合いは、犬と猫で多少の違いはありますが、どちらも大量に摂取をすると重度の健康被害の懸念もありますので十分に注意しましょう。

また、レモンバーベナから抽出されたエッセンシャルオイルの経口摂取はたとえ少量であっても犬猫共に危険ですので、保管場所は十分に考慮し、直接触れさせないように気をつけましょう。

参考:ASPCA(米国動物虐待防止協会)

参考:日本メディカルハーブ協会

参考:PictureThis

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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