ノウゼンカズラとは
ノウゼンカズラは、中国が原産の鮮やかなオレンジや赤の花を咲かせるつる性植物で、日本やヨーロッパなどでも観賞用として広く栽培されています。
夏から秋にかけて美しい花を咲かせるノウゼンカズラは、生命力が強く、壁やフェンスに絡みつきながら成長するのが特徴です。
このノウゼンカズラは毒性成分を含んでおり、犬や猫にとっては注意が必要な植物です。
ノウゼンカズラの基本情報
学名:Campsis grandiflora
科名 / 属名:ノウゼンカズラ科 / ノウゼンカズラ属
花言葉:「名声」「栄光」「名誉」ノウゼンカズラの基本情報
ノウゼンカズラの主な毒性成分
ノウゼンカズラの主な毒性成分は「ラパコール」という天然化合物です。
このラパコールには、抗菌、抗炎症、抗ガン作用があると注目されていますが、その反面、肝毒性があるとも考えられ、高用量での摂取は危険と言われています。
また、ノウゼンカズラには皮膚刺激性のある物質が含まれており、樹液や葉、茎、花粉などに触れると皮膚炎を引き起こす可能性があります。
ノウゼンカズラによる中毒症状例
- 下痢
- 嘔吐
- 過剰なよだれ
- 痛みやかゆみを伴う皮膚炎
ノウゼンカズラは皮膚刺激や消化器系への影響はあるものの、摂取した場合の致命的な毒性は現時点では報告されていません。
しかし、犬や猫は人間よりも解毒能力が低く、個体差や摂取量によっては重篤な症状を引き起こす可能性もあるため、誤食が判明した場合は注意深く観察する必要があります。
犬や猫がノウゼンカズラを食べてしまった場合の対応
1. 口の中を確認する
誤食が判明したら、まず口の中を確認し、植物の残骸があれば取り除きましょう。
その後、口の中や接触部分を水で洗い流すことが大切です。
ただし、無理に吐かせることや水を無理やり飲ませることは危険なので避けましょう。
2. 症状の有無を観察する
ノウゼンカズラの毒性は軽度とされていますが、少量でも体調に影響を及ぼす可能性があるため、誤食後は数時間から1日程度、慎重に様子を見守りましょう。
以下のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
- 嘔吐や下痢が続く
- 食欲や元気がなくなる
- 皮膚に赤みやかゆみが出る
また、皮膚炎が見られる場合も、動物病院で適切な処置を受けることが望ましいです。
まとめ
ノウゼンカズラは、鮮やかな花を咲かせるつる性植物で、生命力が強く観賞用として広く栽培されています。
しかし、毒性成分のラパコールを含み、犬や猫にとっては危険な植物とされているので、誤食や接触によって嘔吐や下痢、皮膚炎などの症状を引き起こす可能性があります。
万が一食べてしまった場合は、口の中を確認し、症状を注意深く観察することが重要です。症状が重い場合は速やかに動物病院を受診しましょう。
参考:North Carolina Extendion Gardener Plant Toolbox
参考:アメリカノウゼンカズラ(ノウゼンカズラ科)有毒植物(東京生薬協会)
参考:Botanical Briefs: Trumpet Vine(Campsis radicans)
参考:人もペットも気をつけたい 園芸有毒植物図鑑 著者: 土橋豊