江戸時代の始め頃に日本に渡来したとといわれるオシロイバナ。
オシロイバナの黒い種を割ると、中には白い粉質のものがあり、それがおしろいの粉(化粧品)に似ていることからその名がつけられました。
オシロイバナは丈夫で、放っておいても育ちやすい花なので日本全国の庭や道端で見られます。
子供の頃、この種を割って遊んだ記憶がある方も多いのではないでしょうか。
古くから日本人にとって親しみがある植物ですが、オシロイバナは全草に毒性成分が含まれ犬猫にとって危険です。
参考:続・楽しい植物 観察入門
参考:オシロイバナの基本情報
オシロイバナはどの部分も誤食させないように注意!
オシロイバナの毒性成分は根や茎、種子に多く含まれているといわれています。
花や葉には根や種ほどの毒性はありませんが、安全とは言えませんので注意しましょう。
散歩で外を歩く機会が多い犬は特に触れる可能性が多くありますので、散歩コースにオシロイバナがないか確認しておくといいでしょう。
オシロイバナの草丈は1m前後で、犬や猫でも十分届く場所に花や種をつけます。
犬猫は好奇心旺盛で、目の前にある葉や花・茎などをおもちゃにしたり食べてしまうことが多々ありますので、基本的に犬猫の行動範囲にオシロイバナを置かない、近づけないように気をつけましょう。
また犬猫のみではなく、人間においてもオシロイバナを摂取した場合、下痢や嘔吐などの症状が現れるといわれています。
小さい子供も花や実で遊んでいる際に誤って食べてしまわないように注意する必要があります。
アルカロイドの一種『トリゴネリン』
オシロイバナが犬猫にとって危険とされる原因である毒性成分は、主にアルカロイドの一種であるトリゴネリンです。
この成分は、コーヒーの生豆(焙煎前)に最も多く含まれているといわれ、血管機能の改善や認知症に効果があるなど健康効果が期待された研究がされています。
しかし人間にとって健康効果が期待される成分であっても、人間より体が小さく影響を受けやすい犬猫に有益であるとは限りません。
犬猫にとっては中毒症状を引き起こす成分でもあるので、誤認して同じ成分が含まれるオシロイバナを犬猫に摂取させることのないように注意しましょう。
前述の通り人間でもオシロイバナの摂取による健康被害は起きますので、直接食べる事のないように注意してください。
オシロイバナを誤食した際に現れる症状例
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 皮膚や粘膜への刺激作用
オシロイバナは消化器系だけでなく皮膚にも有害であり、さまざまな程度の皮膚炎を起こす可能性があります。
嘔吐や下痢だけではなく、皮膚炎、発疹などの症状がみられれば動物病院へ相談しましょう。
まとめ
オシロイバナは犬猫にとって危険な植物です。
オシロイバナにはアルカロイドの一種であるトリゴネリンが含まれており、嘔吐や下痢、皮膚炎などの中毒症状を引き起こすといわれています。
草丈も比較的低く、犬猫でも簡単に届く位置に花を咲かせ種をつけるので、犬猫をオシロイバナに近づけないように注意しましょう。
オシロイバナを摂取したことに気づいたら、速やかに動物病院へ相談し、獣医師の指示に従いましょう。
参考:ペットが出会う危険な植物