ススキは犬猫にとって危険な植物?ノコギリ状の葉は外傷の原因に。消化不良のリスクも

秋のお月見といえばおだんごと共に欠かせないススキ。

開花期の秋を迎えると、花穂が光を受けてシルバーに輝く姿は美しく、季節を感じさせる秋の七草のひとつです。

秋の切り花としても、道路わきや河川敷などでもよく見かけるこのススキは犬猫にとって安全な植物なのでしょうか。

ススキの基本情報

学名:Miscanthus sinensis
和名:ススキ
その他の名前:オバナ、カヤ
科名 / 属名:イネ科 / ススキ属
開花期:9月~10月
花言葉:「活力」「生命力」

参考:みんなの趣味の園芸

ススキには有毒成分は含まれていないが注意が必要!

ススキはイネ科の植物で、犬猫が中毒症状を引き起こすような毒性の報告はありませんが、むやみに食べて良いものではありません。

犬や猫がススキを摂取すると、胃腸等にトラブルを起こしてしまう可能性があります。

ススキに関する注意点やポイントを解説していきます。

基本的にススキは食べさせてはいけない!

前述したように、ススキには犬猫に対して有毒な成分は含まれていませんが、犬猫が食べるのに適した植物ではありません

硬い葉は外傷や消化不良の原因に

ススキの葉は非常に硬く、人間であっても手を切ったりするような外傷の原因になる事があります。

ススキの葉は硬く、葉の縁はノコギリのような形状をしているため、口腔内や体内を傷つけてしまったり、植物性の消化が得意ではない犬や猫は消化不良を起こしてしまい下痢や嘔吐の原因となってしまいます。

これらのことから、ススキは犬猫が食べても大丈夫とは言い難い植物であることがわかります。

参考:ススキ Miscanthus sinensis (イネ科 ススキ属)

シュウ酸カルシウムの存在

イネの葉身、葉鞘にはシュウ酸カルシウムが含まれていることが知られています。

ススキに関するシュウ酸カルシウムの研究報告はあまり見かけませんが、同じイネ科の植物には多くシュウ酸カルシウムを多く含まれている品種があることから、決して無視できるものではありません。

シュウ酸カルシウムは針状結晶が多く含まれており、口腔内で強いえぐみや痛みを感じ、不快感や炎症を引き起こす可能性があります。

またシュウ酸カルシウムが皮膚へ付着すると皮膚炎の原因となります。

ススキにも上記のような健康被害の懸念があるため、注意するに越したことはないでしょう。

参考:イネの葉のシュウ酸石灰結晶について

犬猫が草を食べたがる?安心して食べられる草を用意してあげる

完全肉食動物の猫や、肉食寄りの雑食動物である犬が草を食べたがる場合、様々な理由が考えられます。

  • 胃腸の調子を整えたい
  • ストレス
  • 毛玉や誤飲したものを吐きたい
  • 植物に含まれる栄養を摂りたい

これらが全てではありませんが、主な理由として考えられています。

犬や猫は本能で自分の調子を整える行動をとるので、草を食べる事が危険であるという事は決してありません。しかし、全ての植物が安心安全というわけではないので、健康被害の懸念がある植物を食べてしまわないように注意しましょう。

安全な植物を選ぶ

犬や猫はイネ科やムギ科の植物を好む傾向にあるといわれているいため、切り花や道端にあるススキに興味を持ち食べたがる場合があるかもしれません。

しかし、上記で解説したようにススキは食用に向いていない植物で健康被害の懸念がある以上食べさせるべきではありません。

もし日常の様子を見て草を食べたがっていると感じるようであれば、ペットショップやホームセンターなどで犬猫用と確認できている物を選ぶといいでしょう。

ペット用の植物として有名な『猫草』と呼ばれる植物は、ススキと同じイネ科ですが、その葉は柔らかく犬や猫を傷つけるようなものではないので安心して与えられるでしょう。

他にも様々な種類があるので、愛犬愛猫に合うものを探すといいでしょう。

まとめ

ススキは秋を象徴する植物で、切り花のほか、道端や河川敷などでもよく見かける身近な植物です。

ススキの成分に犬猫に有毒な成分は含まれていませんが、イネ科の植物に含まれるシュウ酸カルシウムの存在や、葉の硬さなどから食べさせても大丈夫とは言い難い植物です。

少しかじってしまった程度では命の危険はありませんが、消化不良や外傷など様々な懸念があるので注意観察をし、不安があれば動物病院へ相談することをおすすめします。

もし愛犬愛猫がススキの他にも植物を食べたがるような様子があれば、犬猫への安全が確認できている植物を用意してあげるのもいいでしょう。

参考:ASPCA

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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