愛犬・愛猫に与える椎茸について
日本の家庭に並ぶきのこの中でもメジャーな椎茸。
お鍋や筑前煮の具になったり、和風パスタに使われたりひっくり返してチーズをのせてオーブンで焼くなんて食べ方もあります。
現在栽培されている椎茸には天然の原木栽培と人工の菌床栽培の二種類があります。
原木栽培の椎茸の旬は、3~5月と9~11月の春と秋の2回あります。春は身が締まっていて凝縮したうま味を、秋は香り高い味わいを楽しめます。
旬があるとはいえ人工栽培のおかげで一年中おいしく食べることが出来る椎茸ですが、犬猫は食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫は椎茸を食べても大丈夫!
犬猫は椎茸を食べても大丈夫です。注意点を守れば犬猫は椎茸を食べることができます。
それでは犬猫が椎茸を食べる時の注意点を解説していきます。
犬猫に椎茸を与える際の注意点
生で食べても大丈夫?
皆様が椎茸を食べる時に生でそのまま食べることはないと思います。
実は生で食べても美味しくないからという理由だけではありません。
シイタケ皮膚炎
シイタケ皮膚炎とは特に加熱不十分な状態のしいたけを食べたことで起こる皮膚炎のことです。
シイタケ皮膚炎になると胸・背中・腹あたりを中心にミミズ腫れのような激しい痛みを伴う発疹が現れます。
シイタケ皮膚炎の原因
シイタケ皮膚炎の原因はまだはっきりとわかっていません。しいたけに含まれる熱に不安定な成分が原因と言われていますが
十分に加熱したしいたけを食べて発症した例やお菓子のしいたけチップスを食べて発症した例もあります。
シイタケ皮膚炎になりやすい場面
シイタケ皮膚炎患者は夏に多いそうです。その原因はBBQなんだとか。
BBQで十分に加熱されていない椎茸を食べることによりシイタケ皮膚炎になる方が多いようです。
犬猫に生の椎茸は与えないで!
説明したとおり椎茸の生食は危険です。犬猫に生の椎茸を与えないのはもちろん、飼い主様も椎茸の火入れには十分注意してください。
よく洗ってから調理する
椎茸は成長の過程でどうしても小さな虫や細菌がついてしまうことがあるようです。
これらは食中毒の原因となりかねませんので椎茸を調理する前には水でよく洗いましょう。
しかし水洗いすると椎茸の風味が飛んでしまいます。どうしても椎茸の風味を失いたくないという方は濡らしたキッチンペーパーでよく拭いてあげましょう。
アレルギーに注意
犬猫は椎茸にアレルギーを持っている場合があります。初めて与える場合はごく少量にして様子を見ましょう。
皮膚や口周りの赤みやかゆみ・腫れ等が見られた場合すぐに与えるのを辞め、症状がひどくなる場合は動物病院へ行きましょう。
椎茸に含まれる代表的な栄養素
菌床栽培 生 可食部100g当たり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 25kcal |
たんぱく質 | 2.0g |
脂質 | 0.2g |
食物繊維総量 | 4.9g |
カリウム | 290mg |
ビタミンD | 0.3μg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
食物繊維
椎茸をはじめとするきのこ類には食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は適量摂取すると腸内環境を整えてくれたり便通改善に効果的ですが犬猫は草食動物と違って食物繊維の消化吸収ができません。
食物繊維は消化吸収されなくても体の中を通るだけで大腸の動きを活発にする・便に水を運び柔らかくするなどの働きをしてくれます。
しかしやはり消化吸収されないものなので摂取しすぎると消化不良を起こし逆に便秘になってしまったり下痢になってしまうので注意しましょう。
カリウム
カリウムの働き
カリウムは同じミネラルであるナトリウムと共に体液の浸透圧の調整や細胞機能の維持をしています。
また、ナトリウムが増えすぎた場合に体外へ排出するのもカリウムの役割です。
カリウムが不足するとどうなる?
総合栄養食のペットフードを与えているとカリウムが不足する心配は基本的にはありませんが
体調不良や老化により食欲不振や嘔吐が続くとカリウム不足になり「低カリウム血症」を発症する恐れがあります。
低カリウム血症になると筋量低下や歩行不全などの症状が現れます。
たくさん摂取しても大丈夫?
通常、摂取しすぎたカリウムは尿と共に体外へ排出されます。しかし、老化などで腎機能が低下した犬猫はカリウムの排出が上手くできず「高カリウム血症」になってしまうかもしれません。
高カリウム血症は最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。腎機能が低下している愛犬・愛猫には普段から気を配ってあげてください。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムやリンの代謝を調節するうえで重要な役割を果たす栄養素です。
ビタミンDが不足するとカルシウムやリンが骨に沈着せず、「くる病」になり、骨が弱くなってしまいます。
総合栄養食のペットフードを与えていると不足することは滅多にありませんが食欲不振や嘔吐などでご飯が満足に食べられなくなっている場合には注意しましょう。
与えても大丈夫な量は?
犬に与える場合は小型犬で1日1~2個、中型犬で3~4個、大型犬で5~10個ほど、猫に与える場合は1日1/4個程度に抑えておきましょう。
初めて与える場合はアレルギーの心配もあるので少量にし、犬猫に異常がなく便も問題なく出ているようであれば
量を増やすなど、犬猫の体調と相談しながら与えるようにしましょう。
犬や猫にあげる椎茸のレシピ
犬猫に椎茸を初めて与える場合は普段与えているフードに少量混ぜてあげるのが良いと思います。
手順は以下の通りです。
①椎茸を愛犬・愛猫に合った適量用意する(初めての場合は少なめで)
②椎茸をよく水洗いする
③軸を外す(軸の部分は固いので犬猫には与えないようにしましょう)
④傘の部分をよく日が通るまで茹でる
⑤茹であがったら水気を取りみじん切りもしくはフードプロセッサーでペースト状になるまで細かくする
⑥フードに混ぜるかトッピングして与える
【まとめ】犬猫は椎茸を食べても大丈夫
犬猫は椎茸を食べても大丈夫ですが以下の点には注意しましょう。
・生食はNG。よく火を通してから与える
・食物繊維豊富なので食べ過ぎに注意
・アレルギーに注意
今回は椎茸について紹介しました。椎茸は注意点を守れば犬猫が食べても大丈夫な食材です。
生焼け・与えすぎにはくれぐれも注意して与えてあげましょう。