犬猫は手羽先を食べても大丈夫
鶏肉である手羽先は犬猫に食べさせても大丈夫です。
手羽先はほとんどのスーパーで安価に入手できるポピュラーな鶏肉の一種で、嗜好性が高く様々な栄養も含んでいます。
今回は犬猫が食べる手羽先についてメリットや注意点、与え方・レシピと合わせて今回の記事で解説していきます。
手羽先と手羽中・手羽元の違い
手羽先は腕から羽の先端部分までで、皮が付いておりコラーゲンや脂肪が多くコクのある部位です。
手羽中は手羽先の先端を取り除いたもので肉質が締まっていて骨に付いたお肉にはうまみがあります。
手羽元は手羽先とむねを繋ぐ部分で脂肪が少なく、あっさりとしていてボリュームがあります。
どの部分もしっかり処理をすれば犬猫に食べさせて大丈夫ですので、用途や状況に合わせて選んであげましょう。
手羽先の骨について
骨にはカルシウムがあり、特に犬は骨をかじるイメージがありますが、犬猫に手羽先の骨は食べさせないほうがいいです。
鶏の骨が安全か危険かは専門家によっても意見が分かれるようですが、これは安全か危険かは「様々な要素によって異なる」からです。
犬種・猫種・年齢・体調・食べた骨の鶏の種類・調理方法・調理時間・飲み込んだときの形状や量など、状況は様々で一括りには出来ません。
どうしても骨を与えたい場合、圧力鍋やスロークッカーでホロホロになるまで柔らかくする等の方法もありますが、無理に与える必要はありません。
万が一固い骨や鋭利な骨を誤食してしまった場合はすぐに動物病院へ連絡をしましょう。
参考:犬猫の誤飲相談室「鳥の骨の誤食は危険か!?安全か!?キチンと説明します。」
市販の手羽先おやつは大丈夫?
犬猫用に骨付きの手羽先のおやつが販売されています。
これらは様々な製法により骨が柔らかくなるように加工されていますので食べさせても大丈夫なものがほとんどです。
愛犬愛猫に合わない大きさ・形状の場合や、他の原材料が使用されていないかは飼い主が必ず確認しましょう。
手羽先に含まれる栄養
手羽先100gあたりの主な栄養価
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 207kcal |
脂質 | 15.7g |
たんぱく質 | 16.3g |
カルシウム | 20mg |
リン | 140mg |
ナイアシン | 8.2mg |
ビタミンA | 51㎍ |
若どり・主品目:手羽さき 皮つき 生
参考資料:八訂 食品成分表 2022
手羽先を与えるメリットは?
手作りごはんやおやつに手羽先を取り入れるメリットについてご紹介します。
嗜好性の高さ
コラーゲンをたっぷり含んでおり、味・におい・食感と優れている手羽先は犬猫に好まれます。
普段のペットフードにトッピングして食いつき良くしたり、なにかを頑張った時のごほうびおやつなどに適しています。
たんぱく質による体作り
たんぱく質は身体をつくり生命活動を維持するために不可欠の栄養素です。
鶏肉のたんぱく質には必須アミノ酸がバランスよく含まれ、筋肉の強化に効果的。
カルシウムとリンによる骨格形成
リンはカルシウムと結合し「ハイドロキシアパタイト」となり骨格を形成します。これにより骨が固く保たれます。
ビタミンAとコラーゲンによる免疫力アップ
手羽先にはビタミンAが豊富。皮膚や粘膜を強化し、免疫力をアップします。
またこれにコラーゲンも加わり皮膚や毛を健康に美しく保ちます。
膝蓋骨脱臼(パテラ)にも効く?
小型犬に多い膝蓋骨脱臼(パテラ)は、ひざにあるお皿の骨(膝蓋骨)が正常な位置からはずれてしまう病気です。
手羽先には上記の栄養素以外にもコンドロイチン硫酸やグルコサミン、ヒアルロン酸等が含まれていてこれらの成分は関節ケアにも良いとされています。
薬ではないので必ず治せるものではありませんが、手作りごはんやおやつに取り入れてみても良いでしょう。
犬猫に手羽先を与える際の注意点
生では食べさせない
手羽先に限らず生の肉はサルモネラ菌やカンピロバクター菌などの感染症の危険があります。
サルモネラ菌を体内に取り込むと、嘔吐や下痢・意識障害などの症状が。カンピロバクター菌は下痢・腹痛・嘔吐に加え発熱や脱水症状を伴うこともあります。
必ず加熱処理したものを食べさせてあげましょう。
骨を取ってから食べさせる
前述の通り骨は犬猫にとって危険な場合があります。
前に食べたときでは大丈夫でも、今回は消化できずに開腹手術が必要になった、なんてことも。
- のどに詰まらせる
- 体内を傷つける
- 消化できず残ってしまう
といった可能性がありますので、手羽先を犬猫に食べさせる際は骨を取ってあげましょう。
味付けはしない
手羽先と言えば醤油などで味付けされたものが定番ですが、犬猫に食べさせる時は味付けは厳禁です。
他の食材でも言えることですが、味付けで使われる調味料のほとんどは犬猫にとってよくありません。
名古屋名物の「手羽先」は甘辛く味付けがしてありますので当然食べさせてはいけません。
食べさせすぎない
手羽先を犬猫に食べさせすぎると以下のような良くない影響が考えられます。
- 皮付きで高カロリーなので肝臓に負担をかけ、肝炎や慢性肝臓病を引き起こす
- カロリー過剰摂取による肥満
- 同じ食べ物の摂取機会が増えると食物アレルギーのリスクが高まる
- 栄養バランスの偏り
肝臓病や肥満が気になる場合は皮を取り除くようにし、取り除いたとしても与えすぎないようにしましょう。
子犬・子猫、シニアの犬猫に食べさせる時は慎重に
手羽先に限った話ではありませんが、子犬・子猫、シニアの犬猫に手作りフードを与える際は注意が必要です。
消化器官の未発達や衰え、咀嚼をしっかりとするかどうかなどの要因により下痢や嘔吐などをしてしまう場合があります。
手羽先を食べさせて大丈夫ですが、少量から食べさせ様子をよく観察しましょう。
腎不全の犬猫に与える際は注意
腎不全を発症している犬猫は、それまで問題なく食べていた食事でも大きな負担になってしまう場合があります。
カリウム・リン・たんぱく質を大量に摂取すると腎臓に負担をかけてしまうので、慢性腎臓病の犬猫の場合は獣医師の判断を仰ぎましょう。
おすすめレシピ
手羽先と野菜のスープ
材料
- 手羽先:3~5本
- にんじん:1/3本
- ブロッコリー:6~8房
- しめじ:1/2パック
- 水:適量
作り方
- にんじんを1cm角に、ブロッコリーとしめじは手で裂き食べやすい大きさにする
- 鍋に1の野菜、手羽先、水を入れる
- 一度沸騰させてから弱火にし、1時間ほど煮る
- 手羽先を取りだし、骨と身を分け、身を鍋に戻したら完成
スープなので食べやすく、スープに解け出した骨の栄養も摂取できます。
このまま食べさせても、ご飯にかけても良いでしょう。
【まとめ】
犬猫は手羽先を食べても大丈夫!
- 犬猫の食欲をそそりご褒美となる
- 体や骨格作り、免疫力アップ
- 関節をケアする栄養が摂れる
といったメリットがあります。
部位にかかわらず鶏の骨は危険な場合がありますので、どうしても手羽の骨を食べさせたい場合は、
- 圧力鍋やスロークッカーで骨をホロホロになるまで柔らかくする
- 骨が柔らかくされている市販の手羽先おやつを購入する
といった手段を選びましょう。