犬猫はチンゲンサイを食べても大丈夫!甲状腺機能への影響やシュウ酸に要注意

チンゲンサイは犬猫が食べても大丈夫!

日本で最も有名な中国野菜と言っても過言ではないほど、一年中スーパーなどで購入することができるチンゲンサイ。

葉先はやわらかく、茎はふっくらと肉厚であり、食感も楽しいチンゲンサイはビタミンやミネラルなどの栄養バランスがとれた抗酸化野菜です。

チンゲンサイは犬猫が中毒症状を引き起こすような成分は含まれていないので、食べても大丈夫な野菜のひとつです。

チンゲンサイの栄養やその効能、与える際の注意点などを解説します。

犬猫にチンゲンサイを与えるメリット

チンゲンサイは緑黄色野菜の一種で、抗酸化力の高い野菜として知られています。

それは抗酸化ビタミンとも呼ばれているビタミンが豊富に含まれていることに由来しています。

またアブラナ科特有の成分による健康効果や、ミネラルも豊富に含まれていることなど、犬猫にとって健康的効果が期待できる栄養素の摂取が期待できます。

チンゲンサイの可食部100gあたりのエネルギーは9㎉と低カロリー

茎の部分には水分も多く満腹感も得られるため、肥満によって食事制限をしている犬猫の食事のカサ増しにも活躍してくれそうです。

β‐カロテン・ビタミンC・ビタミンE

チンゲンサイが抗酸化野菜と呼ばれるのは、β‐カロテン、ビタミンC、ビタミンEが揃って含まれているからです。

高い抗酸化作用が期待でき、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病とよばれる疾患の予防に活躍します。

過剰な給餌や室内飼育による運動不足などにより犬猫でも生活習慣病に罹患するケースが増えてきました。

そのため、予防に効果的とされる栄養素を意識して与える事で、犬猫の健康維持に役立つと考えます。

参考:ペットの生活習慣病

アリルイソチオシアネート

アブラナ科特有の辛み成分でもあるアリルイソチオシアネート。

この成分には昨今ガンの予防に有効的であるとの報告がされていて、他にも抗菌作用が期待できます。

参考:イソチオシアネート化合物ーアブラナ科野菜に含まれる機能性食品成分ー

チンゲンサイにはミネラルの一種である鉄も含まれています。

鉄は酸素を全身に運ぶ赤血球を作るのに欠かせないミネラルで、不足すれば貧血や、筋力の低下、疲労を起こす原因となります。

鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収力がアップされるので、ビタミンCを豊富に含むチンゲンサイは効率よく鉄の吸収ができる野菜と言えます。

カルシウム

カルシウムは骨や歯を作るのに欠かせないミネラル。

骨などの構成の他にも、筋肉が正常に収縮するのを保つことや、細胞の分裂、神経興奮の抑制などにも役立ちます。

ビタミンK

血液と骨には不可欠なミネラルのビタミンK。

血液を固めて出血を止める働きをする脂溶性のビタミンです。

骨にカルシウムを定着させるサポートをしてくれるので、チンゲンサイに豊富に含まれるカルシウムとの相乗効果で骨や歯を丈夫にしてくれます。

チンゲンサイを犬猫に与える際の注意点

生より加熱調理がおすすめ

チンゲンサイにはシュウ酸が含まれています。

ただ、シュウ酸を多く含む野菜としては挙げられることは少なく、あまり神経質になるほど注意が必要ではありませんが、生でたくさん食べても大丈夫とは言えません

猫の場合

特に猫は犬と比較して尿路に様々な病気や症状を引き起こしやすい動物で、シュウ酸を摂りすぎてしまうとシュウ酸カルシウム結石の原因となってしまう事があります。

犬の場合

猫に比べて発症例は少ないですが、シュウ酸カルシウム結石の心配が全くないわけではありません。

シュウ酸は茹でる事で減らせることが知られています

犬猫ともにチンゲンサイを与える場合には茹でてから食べさせてあげる事をおすすめします。

参考:シュウ酸の摂取について工夫すべきことはあるか

甲状腺腫を引き起こす事が懸念される『ゴイトロゲン』の存在

チンゲンサイを含むアブラナ科の野菜には『ゴイトロゲン』という成分が含まれています。

このゴイトロゲンという成分が甲状腺へのヨウ素の蓄積を阻害し、甲状腺腫を起こすことが懸念されています

ゴイトロゲンと甲状腺の関係については不透明な部分があり、またチンゲンサイは健康な犬猫が過剰摂取しなければ心配するような含有量ではないと考えられます。

ただし、甲状腺疾患を患っている犬猫へどの程度の摂取で影響を及ぼすかわかっていないため、疾患をもつ犬猫には控えた方がいいと考えます。

参考:生命科学が解き明かす食と健康

消化不良を起こさないように細かく刻みましょう

チンゲンサイは加熱することで比較的柔らかくなりますが、犬や猫はあまり咀嚼をせずに丸飲みしてしまう習慣があるため、丸ごとかじらせたり、大きく切ったものを与えてしまうと消化不良を起こしてしまう事があります。

犬や猫に与える際には、加熱したものを細かく刻んでから食べさせてあげる事で消化のサポートが叶います。

アレルギー

チンゲンサイはアレルギーの報告が多くはありませんが、可能性は全く無いわけではなく、稀にアレルギーを引き起こすことがあります。

過去にアブラナ科の野菜(ブロッコリー、キャベツ、ケール、白菜、カブ、大根など)でアレルギー反応があった場合には十分に注意してください。

チンゲンサイだけではなく、全ての食材に対して、犬猫に初めて与える場合にはごく少量からはじめ、食後の様子を注意深く観察しましょう。

食後に下痢や嘔吐、発疹などの異変があれば、速やかに動物病院へ受診しましょう。

おすすめレシピ

チンゲンサイの白和え風

①木綿豆腐をキッチンペーパーで包み耐熱皿に入れてレンジで加熱し、水切りをします。1丁の場合500wで2分程度

②チンゲンサイを外側の葉から根元を切り、1枚づつに分けて沸騰したお湯に茎の方から入れて葉先まで沈め、1分程度茹でたら取り出して冷水で冷やし水気を絞る

③チンゲンサイを細かく切り、水切りした豆腐、桜えび、すりごまを加えて混ぜたら完成

桜えびやゴマの香りも良く、興味をそそる一品なのでぜひ愛犬、愛猫の普段の食事のカサ増しやトッピングなどに活用してみてください。

白和えは簡単にできて様々な野菜で応用できるので覚えておくと便利な一品です。

以下は小松菜でのレシピです。

小松菜と桜えびの白和え

まとめ

犬猫はチンゲンサイを食べても大丈夫!

様々な栄養のバランスが取れた野菜で、これらの有効成分は犬猫の健康維持にも役立つと考えられています。

ただし、チンゲンサイには少なからずシュウ酸が含まれている事や、甲状腺への影響が懸念されるゴイトロゲンという成分の存在がありますので、犬猫が生でたくさん食べても大丈夫とは言い難い食材です。

シュウ酸は茹でる事で減少することがわかっていますので、愛犬愛猫へ与える際には加熱調理したものを食べさせてあげましょう。

チンゲンサイはとても低カロリーな食材なので、肥満予防に食事のカサ増しに活躍してくれることが期待できます。

注意点を理解し、愛犬愛猫の健康維持に役立ててください。

参考:食材大全(NHK出版)

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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