犬猫にハムは食べさせないで!
スーパーやコンビニで手軽に購入できるハム。
開けてすぐそのまま食べても、焼いたりマヨネーズなどを付けても美味しいですよね。
小さく切ってサラダに乗せたり、他の食材とパンに挟んでサンドイッチにしたりと身近でなんにでも使える食材です。
犬猫はお肉を好むこともあり食べさせられるのか気になる所ですが、犬猫にハムを食べさせてはいけません。
今回はハムを愛犬愛猫に食べさせてはいけない理由、腎臓への影響、ハムの代用方法などを解説・紹介していきます。
少し食べてしまったけど大丈夫?
目を離した隙にすこし食べてしまった程度でしたら重い中毒症状などをを招くリスクは低いです。
ただし、製品によっては犬猫に危険な玉ねぎエキスなどが含まれていることがありますので、そういったものを誤食した場合は様子をよく確認し、異常が現れたらすぐに動物病院へ連絡を取りましょう。
塩抜きすれば大丈夫?
ハムは豚肉に塩などを加え燻製加工したものなので塩分が高く、食べ続けると腎臓に大きな負担がかかります。
塩抜きをすればハムの塩分を70%ほど抜くことができますが、他のリスクも考えるとわざわざ行って食べさせる必要性は低いとは思います。
詳しくは後ほど解説していきます。
ハム以外の加工肉はどうなの?
ハム以外の加工肉食品、生ハム・ベーコン・ソーセージなども犬猫にはよくない塩分や食品添加物が使われていますので与えるべきではありません。
犬猫にハムを与えてはいけない理由
加工の工程で塩分と調味料などの添加物が使われている
一般的なハムの大まかな加工の工程は以下のようになっています。
- 豚モモ肉を熟成させる
- 塩や調味料を加えたピッケル液を浸透させる
- 必要に応じて味付けや食品添加物を加える
- 燻製加工する
加熱した豚モモ肉自体は大丈夫ですが、人間用に塩分・調味料・食品添加物で味を調整されたハムは犬猫の食事に適していません。
塩分が多く腎臓への負担となる
体重5kgの犬猫の塩分摂取量は、犬の場合0.18g、猫の場合0.33gが目安となっています。
これに対し、ロースハムは100gあたり2.3g。犬猫にとっては過剰な量です。
過剰に塩分を摂取すると、心臓や腎臓へ大きな負担となります。
食べさせる量をほんの少しにしたり、塩抜きをすることで塩分量のリスクはかなり抑えられます。
食品添加物が犬猫の健康を害する
ハムには様々な調味料、香辛料など食品添加物が使われており、犬猫の健康によくありません。
ハムに使われていることの多い食品添加物で犬猫の健康リスクが考えられる代表的なものを紹介します。
亜硝酸ナトリウム:体内で発がん性物質に変化し、ガンのリスクを高める可能性
着色料:ガンや赤血球減少のリスクを高める可能性
リン酸塩:カルシウムの吸収を妨げ、骨トラブルのリスクを高める可能性
こしょう:胃腸を刺激し、消化不良や食欲不振の原因となる可能性
少量を食べたからといってこれらの健康被害がすぐさま起きる可能性は低いですが、避けられるリスクは避けた方がよいでしょう。
脂質とカロリーの高さによる肥満の可能性
ハムを始めとした加工肉は脂質とカロリーが非常に高いので、与えすぎは肥満の原因になります。
肥満になると老化や糖尿病、高血圧など犬猫を苦しめる様々な症状に繋がります。
肥満による犬猫への影響はこちらの記事で詳しく解説しています。
アレルギーの可能性
これはハムが特に危険という訳ではありませんが、主にハムに使われている豚肉は食物アレルギーを引き起こす可能性のある食材です。
アレルギーを発症すると、
- 目や皮膚の赤み・痒み
- 下痢や嘔吐
といった症状が現れます。
犬猫がハムを誤食してしまった場合は、これまで挙げた理由と合わせ複合的に様子を観察しましょう。
異常が現れたり不安に思う際はすぐに動物病院へ連絡を。
愛犬愛猫にハムを食べさせたい!代用方法は?
大きく分けると以下の2つになります
- 犬猫用のハム製品を購入する
- 犬猫用の手作りハムを用意する
犬猫用のハム製品について
犬猫用のハム製品がバラエティ豊かに販売されています。
豚肉に限らず、牛肉・鶏肉・馬肉なども使われているようです。
基本的にこれらには危険なものは含まれていませんが、成分をよく確認し愛犬・愛猫の体質に適したものを購入するようにしましょう。
犬猫用の手作りハムのレシピ
様々な作り方がありますが、今回は鶏むね肉を使った簡単なレシピを紹介します。
レンジで簡単鶏ハム
用意するもの:鶏むね肉1枚
作り方
- 鶏むね肉の皮と余計な脂肪分を落とす
- 両面にフォークで穴を開ける
- ラップで肉を包んで耐熱皿に乗せレンジへ
- 600wで2分チンし、その後裏返しもう一度2分チンして完成
鶏むね肉からストレートにたんぱく質、鉄分、ビタミンAを摂取することができます。
むね肉を1枚使っていますが、食べさせる量やサイズ、ほぐし方などは愛犬愛猫に合わせて調節してください。
余った分は醤油や塩胡椒で味付けして人間用に。
【まとめ】
犬猫にハムを与えてはいけません!
- 塩分が多く、腎臓や心臓への負担が懸念される
- 食品添加物により様々な健康被害の恐れ
- 脂質とカロリーの高さにより肥満に繋がる可能性
などがその理由です。
少し口にしたからすぐに命の危険や重い病気の可能性がある訳ではありませんがリスクは避けたほうが無難です。
塩抜きをすれば塩分のリスクは減らせますが、その他の懸念点は残ったままです。
犬猫にハムを食べさせたいときは以下のような手段で代用しましょう。
- 犬猫用のハム製品を購入する
- 犬猫用の手作りハムを用意する
参考
環境省「ペットフードについて考えよう」
日本ハム「なぜ、添加物を使うのですか。」