犬猫はつるむらさきを食べても大丈夫!
つるむらさきは夏が旬の葉物野菜で、肉厚でツヤがある葉は独特のぬめりを持つのが特徴です。
つるむらさきには犬猫にとって有害な成分は含まれていないので食べても大丈夫な野菜です。
様々なビタミンとミネラルを豊富に含む有効成分たっぷりの栄養価が高い野菜なので、犬猫の健康維持にも活躍が期待できます。
つるむらさきに毒性はない!
つるむらさきについて検索をすると、毒性という言葉がよくみかけられます。
これはつるむらさきに似ている野菜であるモロヘイヤと混同されているのが原因であると考えられます。
モロヘイヤの種子及び花が咲いた後の枝葉には中毒症状を引き起こす有害成分が含まれています。
つるむらさきは茹でるとぬめりが出る事や、どちらもおひたしにして食べる事が多く調理方法が似ていることから毒性について混同されがちですが、全く違う種別の植物です。
つるむらさきはツルムラサキ科ツルムラサキ属、モロヘイヤはアオイ科ツナソ属です。
またつるむらさきは英名がインドスピナッチ(インドのほうれん草)という名がついていることからほうれん草とも混同される事が多いですが、ほうれん草はヒユ科ホウレンソウ属で、これも全く別種です。
犬猫につるむらさきを与えるメリット
つるむらさきは様々な栄養が豊富に含まれていることが知られています。
つるむらさきに含まれる有効成分について解説します。
ビタミンC
つるむらさきに含まれるビタミンの中でも、ビタミンCは特に多く含まれています。
ビタミンCは強い抗酸化作用が期待できる栄養素で、免疫力アップや皮膚の健康維持、鉄分の吸収を促進する働きなども期待されています。
ビタミンK
つるむらさきに含まれるビタミンKの含有量は野菜の中でもトップクラスです。
ビタミンKは血液と骨には不可欠のビタミンで血液を固めて出血を止める働きをする脂溶性のビタミンです。
骨にカルシウムを定着させるサポートをしてくれるので、骨や歯を丈夫にしてくれます。
β‐カロテン
つるむらさきには可食部100gあたり3200μgのβ‐カロテンが含まれています。
このβ‐カロテンには強い抗酸化作用が期待されており、アンチエイジングに役立つと考えられています。
犬の場合、人間と同様に体内でビタミンAへの変換がされるので、皮膚や粘膜の健康維持や目の健康維持にも役立つといわれています。
カルシウム
つるむらさきに含まれるカルシウムも野菜の中ではトップクラスに入ります。
カルシウムは体を支える骨格の強化に活躍する働きがあり、骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。
ほかにもカルシウムには筋肉が正常に収縮するのを保つ作用や、脳神経の興奮を抑える働きがあります。
つるむらさきを与える際の注意点
犬猫には茹でたものを与えましょう!
つるむらさきは生でも食べられる野菜といわれていますが、シュウ酸が含まれているので犬猫に与える際には茹でてから与えるのがおすすめです。
シュウ酸は水溶性なので、茹でる事で減少させることができます。
茹でる際には、沸騰したお湯に比較的硬い茎から入れ、柔らかい葉は時間差で後から入れてサッと火を通す程度にするといいでしょう。
長時間茹でてしまうと、他の水溶性の栄養をも流れ出してしまう事や、葉がぐちゃっとしてしまって扱いにくくなります。
尿路結石を起こしやすいといわれている猫や、結石の心配がある犬には無理して与えず、まずは獣医師に相談しましょう。
アレルギーが出ないか食後の様子を観察しよう
つるむらさきはアレルギーが出やすい食材ではありませんが、どのような食材でも初めて食べさせる際にはごく少量にして食後に異変がないか注意観察することが大切です。
食物アレルギーは主に下痢や嘔吐・発疹などが多くみられるので、食後に様子がおかしいと感じたら動物病院で相談しましょう。
まとめ
つるむらさきには犬猫にとって有害な成分は含まれていないので食べても大丈夫な野菜と言えます。
栄養価が高く、有効成分もたっぷり含まれるつるむらさきには、抗酸化作用によるアンチエイジング効果の他、皮膚や粘膜を保護する効果や、骨の形成を助け骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
ただしつるむらさきにはシュウ酸が含まれるので茹でたものを与えるようにし、過剰に食べさせることは控えましょう。
参考:食材大全(NHK出版)