犬猫がモロヘイヤを食べても大丈夫?茎や種子に毒性?栄養や注意点を解説

犬猫がモロヘイヤを食べても大丈夫

夏に旬を迎える『モロヘイヤ』は、犬猫が食べても大丈夫な野菜です。

強い抗酸化作用をもつβ‐カロテンが豊富に含まれており、その含有量は緑黄色野菜の中でもトップクラスと言われ、だけでなく犬猫の健康維持にもメリットがあります

ただしモロヘイヤの実や種子には有毒成分が含まれているので注意が必要。

人の場合は茎も一緒に茹でて食べる方も多いとは思いますが、家庭菜園などのモロヘイヤには茎にも毒となる成分が入っている場合があります。

市販のモロヘイヤであれば毒がないため茎を食べても大丈夫とも言われますが、犬猫は消化不良を起こす可能性もあるので、葉だけを細かく刻んで与えた方が良いでしょう。

必ず加熱調理をしてください

モロヘイヤにはシュウ酸が含まれています。

シュウ酸は一般的に『アク』と呼ばれるもので、尿路結石の原因となるといわれています。

このシュウ酸は加熱する事でアクとして排出されるので、茹でて食べることをおすすめしますが、加熱時間や冷水で冷やす時間が長すぎると必要な栄養素まで減ってしまいますので気をつけたいところです。

沸騰したお湯にモロヘイヤの葉を入れ2、30秒程茹でてからザルにあけてから冷水で冷やして水気を切ることで色鮮やかで栄養素の流出が少ない下茹が出来ます。

また水気を絞る際も強くやりすぎると栄養の流出に繋がりますので、冷水で冷やしたあとはザルにしばらく置いて水気を切るのがおすすめです。

健康な犬猫なら食べても大丈夫ですが、加熱しても少量のシュウ酸は残るので、結石のリスクがある犬猫には与えないようにしてください。

種子やさやは絶対に与えないでください

モロヘイヤの種子には強心配糖体(強心作用のある成分)ストロファンチジンが含まれています。

このストロファンチジンは身体に有害であることが知られており、家庭菜園で栽培したものなどで老化した枝葉や種子を誤って摂取した場合、少量でもめまいや嘔吐などの中毒を起こすといわれています。

実際に過去、長崎県で実のついたモロヘイヤを食べた牛が死亡するという事例が報告されていて、動物だけではなく人にも有害な成分です。

一般的にスーパーなどで販売されているものに種子が含まれているケースは少ないと思いますが、家庭菜園等では誤って混入したり誤食してしまう危険性がありますので十分に注意してください。

参考資料:農林水産省HP 「家庭菜園でモロヘイヤを栽培していますが、モロヘイヤの種に毒があると知りました。詳しい内容を教えてください」

モロヘイヤの栄養

β‐カロテン

体内でビタミンAに変換されて皮膚や粘膜を整えたり、眼を保護したり、細胞の増殖や文化をサポートする働きがあります。

ビタミンAに変換されなかった分は抗酸化や免疫賦活作用があることが分かっていて、アンチエイジングに役立つと言われています。

ビタミンC

強い抗酸化作用が期待できる栄養素です。

また、免疫力アップやコラーゲンの生成のサポート、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれる効果もあります。

ほかにも鉄分の吸収促進、解毒やホルモン代謝を担う酵素のサポートの効果でアンチエイジングに期待ができます。

ビタミンE

ビタミンEは『若返りのビタミン』とも呼ばれ、強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンです。

体内の脂質の酸化を防ぎ、動脈硬化や血栓の予防、血圧の低下、悪玉コレステロールの減少などの働きがあります。

ビタミンB群

B1とB2は疲労回復、被毛、爪、皮膚などの健康を保つ効果があります。

また、脳の働きを活発にする効果も認められており、代謝を促す作用もあるため肥満防止にもつながります。

カルシウム

体を支える骨格の強化に活躍する働きがあり、骨や歯の構成に必要不可欠な栄養素です。

細胞の分裂や神経興奮の抑制などにも関わります。

ビタミンK

血液と骨には不可欠のビタミンK。血液を固めて出血を止める働きをする脂溶性のビタミンです。

骨にカルシウムを定着させるサポートをしてくれるので、骨や歯を丈夫にしてくれます

カリウム

カリウムはミネラルの一種で、浸透圧の調整などの働きをします。利尿作用が期待でき、ナトリウムを排出する事で塩分の摂り過ぎを調節する重要な役割を果たします。

過剰摂取は高カリウム血症の原因になる危険性があり、四肢のしびれや嘔吐、筋力低下、脈拍異常といった体調不良の原因につながります。

腎臓病等の疾患がある犬猫は摂取量に注意してください。.

食物繊維

モロヘイヤを刻むと現れるぬめりは多糖粘液質の食物繊維。

胃粘膜の保護や血糖値コレステロールの上昇抑制、糖尿病や動脈硬化の予防など多くの働きが期待できます。

モロヘイヤを与えるメリット

強い抗酸化作用でアンチエイジング

モロヘイヤは驚くほどβ‐カロテンが豊富で、β‐カロテンを多く含む野菜ランキングはシソに次いで第2位ですが、シソに比べて一度に食べる量が多いので、実質的にはナンバーワン野菜と言えます。

さらにモロヘイヤには感染症予防や美肌効果が期待できるビタミンC、老化予防で知られるビタミンEも豊富に含まれています。

これらの栄養素の相乗効果で抗酸化作用が高まり、犬猫のアンチエイジングに役立つことが期待できます。

食物繊維豊富で腸内環境改善

モロヘイヤにはペクチンやマンナンなどの水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

水溶性食物繊維は便を柔らかくし、便通をよくする働きがあります。加えて腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善するため便秘が気になる犬猫にはおすすめの食材です。

ネバネバ野菜で知られているオクラと同じくらいの水溶性食物繊維を摂ることができるといわれています。

与える際の注意点

加熱して細かく刻んでから与えましょう

前述の通り、モロヘイヤにはシュウ酸が含まれているので、茹でてから与えるようにしましょう。

加熱のし過ぎは栄養素が抜けてしまうのでササっと茹でて軽く加熱する程度で大丈夫です。

また、犬猫の消化機能はあまり高くはないので、必ず加熱したものを細かく刻んでから与えるようにしましょう。

犬猫が食べても大丈夫!栄養価が高い!といって大量に与えると消化不良を起こし、下痢や嘔吐の原因となりますので与えすぎないようにしましょう。

味付けは不要

犬猫に与える際には調味料等での味付けは不要です。

塩分や糖分の過剰摂取は犬猫の体に負担が大きく健康被害を引き起こす要因となり、心臓や内臓の疾患や肥満の原因にもなりますので、調味せずに与えるようにしてください、

おすすめレシピ

モロヘイヤのシャキネバおひたし

下茹でしたモロヘイヤを細かく刻み、少量の鰹節とごま油(1g程度で十分)で和えて完成。

モロヘイヤのビタミンでアンチエイジング効果に期待!鰹節とごま油の香りで食欲をそそります。

総合栄養食のトッピングに役立つレシピ。人用には醤油や塩を足してご飯のお供に最適。シェアのしやすいレシピです。

モロヘイヤと鮭のポタージュ

じゃがいもを皮と芽をとり柔らかくなるまで茹で、下茹でしたモロヘイヤと豆乳、水を入れてミキサーにかけます。

器に盛り付け、茹でておいた鮭をほぐしてトッピングしたら完成です。

モロヘイヤとじゃがいも、豆乳を合わせてこっくり滑らかで食べ応えのあるスープ。鮭の旨味で犬猫も喜ぶ味に仕上げました。

スギさん@マッサンペットフーズ

株式会社ヒューマル マッサンペットフーズの公式WEBサイト「マッサンのペットフードの学校」の開設時から運営に参画しています。6年間の学びを生かしてペットレシピ.jpにも執筆しています。

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