鮮やかなオレンジ色が特徴のあんず。
別名アプリコットとも呼ばれスイーツやドライフルーツとしても人気の果物です。
そんなあんずは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。
犬や猫はあんずを食べても大丈夫!
犬猫はあんずを食べても大丈夫です。
ただしあんずを与える際には注意すべき点があるので解説していきたいと思います。
どのぐらいの量与えても大丈夫?
犬猫は総合栄養食のペットフードを与えている場合、必要量の栄養は摂取できています。
なので無理にあんずを与える必要はなく、むしろペットフードの給与量を超えて食べ物を与えると肥満の原因となる場合があります。
犬猫にあんずを与える際はおやつ程度に少しだけ与えるようにしましょう。
アミグダリンに注意
あんず・うめ・もも・びわ・さくらんぼなどのバラ科の植物の種子にはアミグダリンという成分が含まれています。
アミグダリンは体内で酵素によって分解されると青酸化合物という毒性のある成分に変わって犬猫が中毒症状を引き起こすと言われています。
人間でも中毒症状の心配はありますが大量に食べない限りは大丈夫とされています。
しかし犬猫は体も小さく少量でも影響を受けてしまう可能性があるので、犬猫があんずの種を食べてしまわないように気をつけましょう。
また、種だけでなく未成熟な果実にもアミグダリンは含まれているためあんずなどの果物を犬猫に与える場合はしっかり熟されたものを選びましょう。
ドライフルーツは食べても大丈夫?
あんずはドライフルーツとしても人気のある果物です。
ドライフルーツのあんずも犬猫が食べても大丈夫ですが砂糖や油が添加されているものは避けましょう。
またドライフルーツは水分が抜けている分、生のあんずに比べて同重量内の果糖の量が増えてカロリーが高くなっています。
カロリーオーバーは肥満の原因となってしまうので与える量には注意が必要です。
あんずに含まれる代表的な栄養素
あんず 生 可食部100gあたり
栄養素 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 14kcal |
たんぱく質 | 0.7g |
食物繊維 | 3.4g |
ナトリウム | 170mg |
カリウム | 88mg |
カルシウム | 77mg |
マグネシウム | 61mg |
ヨウ素 | 390㎍ |
βカロテン | 240㎍ |
ビタミンK | 33㎍ |
葉酸 | 36㎍ |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
β-カロテン
あんずの栄養素の中で一番注目するべきはβ-カロテンの含有量で、果物の中でトップクラスに多いです。
β-カロテンを摂取することで小腸・肝臓・腎臓にある酵素が働いて「レチノール」というビタミンAに変換されます。
ただしそれは人間や犬の場合で、猫は体内にこの酵素を持っていません。
猫は昔から完全肉食動物で、肉類にはレチノールが豊富に含まれているためわざわざβ-カロテンをレチノールに変換する必要がなかったと考えられています。
レチノールには視覚・粘膜の維持や細胞分化の補助などの働きがあります。
特に細胞分化を助ける働きは子猫や子犬の成長に必要不可欠で子猫・子犬~成長期の犬猫や妊娠中の犬猫はレチノールの要求量が増えます。
カリウム
カリウムには細胞機能の維持やエネルギー代謝などとても重要な役割があり、多くの生き物にとって欠かせない栄養素です。
カリウムは多くのペットフードに必要量含まれているため通常カリウム不足になる心配はあまりないと言えます。
しかし下痢や嘔吐などが続いているとカリウム不足から「低カリウム血症」になり、筋力低下や歩行不全などを発症する可能性があります。
また摂取しすぎたカリウムは健康な犬猫の場合、尿とともに体外へ排出することが出来ますが愛犬愛猫の腎機能が衰えている場合は注意してください。
カリウムの排出が上手くできないと血液中のカリウム濃度が上がり、「高カリウム血症」の恐れがあります。
症状としては嘔吐などの消化器症状・神経症状・不整脈などがあり、最悪の場合死に至る可能性もあるとても恐ろしい病気です。
愛犬愛猫のトイレの回数が増えたり、ご飯を食べないなどの症状が見られる場合は早めに獣医に相談しましょう。
犬や猫へのあんずの与え方
犬猫へのあんずの与え方を紹介します。
生食がおすすめ
水分補給にもなるのであんずはドライフルーツなどより生で与えるのがおすすめです。
その際は生食可能な品種を選んで与えましょう。
下処理をしよう
あんずはそのまま与えるのではなくきちんと下処理をしましょう。
消化に悪い皮は剥いて、前述したとおり危険な種の誤飲を防ぐために取り除いておきましょう。
実もそのまま与えるのではなく細かく刻んでから与えると食べやすく数回に分けて与えられるようになります。
アレルギーに注意
どんな食べ物にもアレルギー反応の原因となるアレルゲンは含まれている可能性があります。
初めて食べるものを与える際は必ず少量にし、食べた後の様子を観察しましょう。
もし皮膚の赤み・かゆみ・下痢・嘔吐などのアレルギー症状が見られたらそれ以上与えるのはやめ、症状が酷くなる場合は獣医師へ相談しましょう。
【まとめ】犬猫はあんずを食べても大丈夫
犬猫はあんずを食べても大丈夫です。注意点をおさらいしましょう。
- 種や未成熟の果実には中毒症状の原因となるアミグダリンが含まれている
- ドライフルーツは水分が抜けているので同重量のカロリーが増える
- アレルギーの危険性があるので初めて与える際は少量にする
今回は犬や猫にあんずを与える注意点を解説しました。
あんずは犬猫が食べても大丈夫な果物ですが種や未成熟な果実には十分注意しましょう。