チャービルは上品で甘い香りと羽のように柔らかい葉が特徴のセリ科のハーブで、香りと見た目の良さから料理だけでなくお菓子にもよく使用されています。
セルフィーユとも呼ばれており、これは英語(チャービル)とフランス語(セルフィーユ)の違いだけで、植物としては同じものになります。
イタリアンパセリと見た目が似ていることから、フランスパセリと呼ばれることも。
どちらもパセリと同じセリ科の植物ですが、チャービルはパセリよりもクセが少なく葉も柔らかいので比較的食べやすいハーブです。
犬猫はチャービル(セルフィーユ)を食べても大丈夫!
チャービルは犬猫が中毒を引き起こすような有害物質は含まれていないので、食べても大丈夫な食材です。
スーパーなどでも比較的手に取りやすい価格で売られていることや、クセも少なく使いやすいことからも日本の一般家庭でも使われることが増えています。
プランターで栽培できるので、家庭菜園でも親しまれるハーブです。
チャービル(セルフィーユ)を犬猫に与えるメリット
消化促進・デットクス
チャービルには食物繊維やビタミン、ミネラルなどが含まれており、消化促進作用やデトックス効果があると期待されています。
他にもフレッシュなチャービルのティーには高血圧予防の効果も期待されています。
抗酸化・抗炎症作用、抗ガン活性への期待
セリ科の植物はアピゲニンやルテオリンを含有しており、チャービルにも含まれています。
アピゲニンは抗炎症作用が期待されている他、強力な抗ガン活性性を持っていることで注目されている成分です。
ルテオリンは様々な研究で抗肥満、抗糖尿病、抗炎症作用のみならず抗がん作用をもつことが報告されています。
参考:フラボノイド「ルテオリン」による生活習慣病予防・改善作用の分子機構
犬猫にチャービル(セルフィーユ)を与える際の注意点
名前や見た目が似ている植物に注意
下記の植物は犬猫に対して強い毒性をもつので、絶対に誤食がないように注意しましょう。
基本的に自生している植物で品種がはっきりしないものは、万が一を考えて犬猫が食べないように避けてあげましょう。
またこれらの植物を犬猫が食べた事が分かった場合には、症状の有無や症状の強弱に関わらず、速やかに動物病院へ相談しましょう。
ドクニンジン(ヘムロック)
草丈は80~180㎝になる大型の植物で、茎は中空で太く、茎・葉柄に紫紅色の斑点がある事や、植物全体に光沢がある事が特徴です。
このドクニンジンは全草、果実に有毒成分を含み、犬猫だけではなく人間が口にしても悪心、嘔吐や過剰なヨダレ、昏睡を起こす事で知られており、厚生労働省からも注意喚起がされています。
葉の形状がチャービルと似ているため注意が必要です。
ドクゼリ
草丈は60~100㎝程度になる大型植物。大型の根茎の表皮は緑色で、筍状の短い節があります。
全草に有毒成分を含み、犬猫だけではなく人間が口にしても嘔吐、下痢、腹痛、めまい、動悸、意識障害、痙攣、呼吸困難などを起こす事で知られており、厚生労働省からも注意喚起がされています。
春先は草丈が短いため、葉はセリ、根茎はワサビに間違えられやすいといわれています。若葉はチャービルとも似ているため注意が必要です。
チャイブ
チャイブはチャービルと名前が似ているので、稀にではありますが混同されることがあります。
チャイブはネギの仲間なので犬猫にとって危険なハーブです。
フランス料理ではこのチャイブとパセリ、タラゴン、そしてチャービルをブレンドしてつくるフィーヌゼルブというミックスハーブがあります。
名前の類似も注意すべきですが、チャービルと組み合わせた食材に犬猫が中毒症状を起こすものが入っていないか注意することも重要です。
チャービル(セルフィーユ)を使った人間用の料理は与えない!
チャービルは犬猫にとって安全なハーブではありますが、それは生のチャービルを時々適量食べる程度に対しての話です。
人間用の料理やお菓子は犬猫にとって必要のない調味料や脂質の多い食材が使われているので与えないようにしましょう。
チャービルは人間の料理やお菓子に多様に使われています。
それらの中にはネギ類やニンニク、ブドウやチョコレートなど、犬猫にとって中毒症状を引き起こす可能性がある食材と組み合わせられている場合があるので注意が必要です。
犬猫にチャービルを与えたい場合は、生のものを少量を総合栄養食であるドライフードにトッピングすることや、犬猫のための手作りごはんに食材の一部として使う程度にしておくといいでしょう。
まとめ
チャービルは犬猫にとって有害な成分は入っていないので、食べても大丈夫なハーブです。
食物繊維やビタミン、ミネラルを含む他にも、消化促進作用や抗炎症作用、抗ガン作用なども期待される成分が含まれています。
ただしチャービルと名前や見た目が似ている有害な植物があるため、形状や名前が似ていても品種がはっきりとしない植物は犬猫が口にしないように注意してあげましょう。
チャービル単体であれば大丈夫ですが、中毒を引き起こす可能性がある食材と組み合わせた料理やお菓子の誤食が無いように置く場所や保管には十分に注意しましょう。
参考:食材大全(NHK出版)