はたはたは秋田県の名産品である小ぶりな魚です。
日本海側の地域では身近な魚ですが、それ以外の地域にお住まいで食べたことのある方は少ないのではないでしょうか。
古くから親しまれてきており、塩焼き・天ぷら・煮付け・汁物など魚らしいスタンダードな食べ方をされるのが一般的です。
犬猫ははたはたを食べても大丈夫!
犬猫に危険な成分を含んでいない魚ですが、食べさせる時はいくつか注意点があります。
こちらの記事では
- はたはたってどんな魚?名前の由来や味について
- はたはたを犬猫に食べさせるメリットや注意点
- はたはたを食べさせる時の適量や与え方
などについてお話していきます。
はたはたは犬猫のおやつに向いている?
おやつに適した食材の1つと言えます。
一部のメーカーからは犬猫用のはたはたジャーキーなども販売されています。
魚は犬猫の嗜好性にマッチしているので、与えると喜んで食べてくれるかも知れません。
はたはたってどんな魚?
はたはたは、スズキ目カジカ亜科ハタハタ科の深海魚です。
普段は日本海の深海1000mほどを周遊していますが、産卵期が近づく9月頃から高いところに上がり始め、11月~12月頃は水深1m以下のところまで遡上してきます。
したがって市場に多く流通するのは年末に近い冬頃となります。
秋田県の伝統的な調味料「しょっつる」は、はたはたから作られています。
「ブリコ」と呼ばれる卵がカラフルで特徴的
はたはたの卵は秋田地方を中心に「ブリコ」と呼ばれています。
醤油などで煮て食べるのが一般的で、皮に歯ごたえがあり中身はネバネバとしており、おかずやおつまみとして人気だそうです。
卵がカラフルなのも大きな特徴です、これは何を食べたのか、どういう環境に居たのかという生育環境に影響されるそうです。
しかしブリコは採捕、所持販売を禁止されており、たまたまお店で購入したはたはたが有していた場合にのみ食べられるレアな食材です。
はたはたって漢字でどう書くの?面白い由来
はたはたは漢字で書くと「鰰」「鱩」「雷魚」となります。
秋田県ではたはたの収穫がはじまる11月頃は非常に雷が多く、その雷と共に現れる魚だからこうした漢字で指し示すようになったと言われています。
また、鰰という字は雷のことを神に例えて「はたがみ」と言ったことに由来しています。
はたはたを犬猫に食べさせるメリット
はたはた(生)100gあたりに含まれる主な栄養素表
含有量 | |
---|---|
エネルギー | 101kcal |
水分 | 78.8g |
たんぱく質 | 12.8g |
脂質 | 4.4g |
ナトリウム | 180mg |
カリウム | 250mg |
カルシウム | 60mg |
リン | 120mg |
ビタミンD | 2.0㎍ |
ビタミンE | 2.2mg |
ナイアシン | 5.6mg |
ビタミンB12 | 1.7mg |
アスパラギン酸 | 1400mg |
グルタミン酸 | 2100mg |
参考資料:八訂 食品成分表 2022
はたはたはたんぱく質、ビタミンE、ビタミンB12、グルタミン酸などをはじめ様々な栄養素に優れた魚です。
特に優れる栄養素と考えられる健康効果を簡単にまとめます。
- たんぱく質:筋肉や内臓を構成するのに必須の栄養素です。不足すると怪我の回復が遅くなったり、疲れやすくなったりしてしまいます。
- ビタミンD:カルシウムとリンの吸着を高め、骨の形成に役立つビタミンです。このほか免疫機能を促進する働きもあります。
- ビタミンE:抗酸化作用を持ち、老化防止効果に期待できます。ビタミンCと一緒に食べると摂取う効率がよくなります。
- ビタミンB12:脳の神経細胞の修復や合成を助けます。この他貧血予防の効果も持っています。
- グルタミン酸:うまみ成分であり、犬猫の食いつきアップに期待できます。また、胃液の分泌を促進するので消化を助ける働きもあります。
はたはたを犬猫に食べさせる時の注意点
生食は控えた方がいい。なるべく加熱を
はたはたは生食も出来る魚ですが、寄生虫のリスクがあるためなるべく加熱しよく火を通すことを推奨します。
はたはたは基本的に深海で暮らしているのでアニサキスが寄生している可能性は低いのですが、ゼロではありません。
このほかにも、
- カイアシ
- ウミチョウ
- シュードテラノーバ
という寄生虫を有している可能性があります。
これらは食中毒の可能性が低いとは言われていますが、リスクを踏まえて敢えて生で食べさせる必要はないでしょう。
骨・内臓与えない方が良い
はたはたは人間が食べる場合であればまるごと全て食べることができますが、犬猫に与える場合は特定の部位に注意が必要です。
- 骨:健康な犬猫であれば骨ごとあげることもできますが、丸飲みしがちな子や、小さい子・シニアの子に食べさせる場合は取り除いて身だけ食べさせた方が心配が少なくなります。
- 内臓:人間が食べる場合でも取り除くことの多い部位です。苦みを嫌う子もいるのであまり食べさせない方がいいでしょう。
そのほか、「ブリコ」と呼ばれる卵はネバネバとして独特な食感の珍味です。
加熱したものを味付けせずに与える方もいますが、基本的に塩焼きや醤油漬けで食べるものなので犬猫が誤って食べないように注意しましょう。
アレルギーを考慮する
食物全般に言えることですが、初めての食材を犬猫に与える時は食物アレルギーに注意しましょう。
初めて与えるときは一口以下の少量からにしてください。
下痢や嘔吐、目や皮膚のかゆみなどの症状が現れる場合はアレルギーの疑いがありますので、すぐに食べさせるのをやめてください。
症状が酷い場合は、早急に動物病院へ連絡をしましょう。
食べさせる時の適量や与え方
毎日食べさせ続けることはせず、数日に一度食べさせるようにしましょう。
手作りフードの場合は、1日の摂取カロリー目安を計算し、その中に収まるように食べさせてください。
他の食材との栄誉バランスをよく考え、はたはたのみでお腹いっぱいにならないように気を付けましょう。
おやつとして与える場合は一口から二口程度の少量を与え、食べさせすぎないように。
与える時は骨・内臓をしっかりと処理し、よく加熱した身のみにすることが好ましいです。
はたはたのジャーキーは基本的にまるごと与えることができますが、製品によって硬さが違うので、愛犬愛猫が食べられるのか不安な場合は細かくしたり茹でで柔らかくしたりといった処理を行いましょう。
【まとめ】犬猫にはたはたを食べさせても大丈夫!
犬猫にはたはたを食べさせても大丈夫です。
たんぱく質やビタミンE、ビタミンB12などをはじめ栄養素が豊富で、体作りや老化防止など様々な健康効果に期待できます。
注意点を3つ紹介します。
- 寄生虫のリスクがあるので、なるべく加熱して与えましょう。
- 骨・内臓・卵は避けることが好ましいです。
- 食物アレルギーの可能性を考慮し、初めて与える時は少量からにしましょう。
秋田県の名産品である「はたはた」。
手軽に購入出来るところは限れますが、新鮮なものを購入できた場合は愛犬愛猫の手作り料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
【魚介類の記事】