「葛粉」は山野に自生する「葛」という植物から作られるデンプン粉です。
水と混ぜてから加熱することで透明になり冷やすと固まるという性質を持っており、お菓子の生地や料理のとろみ付けなどに用いられます。
犬猫に葛粉を食べさせても大丈夫!
漢方薬「葛根湯」の成分としても有名で、様々な健康効果が期待できます。
こちらの記事では
- 葛粉はどのように作られる?
- 葛粉が犬猫にもたらす効能やメリット
- 愛犬愛猫用の葛粉を使った手作りフードレシピ
などについてお話ししていきます。
葛粉は犬猫の下痢に効果がある?
葛粉には胃腸の粘膜を保護働きがあるので、下痢の改善にも効果があると考えられます。
その他の詳しい効能につきましては後ほどお話します。
葛粉はどのように作られる?
葛粉は葛という植物を原材料としている
冒頭で述べたように葛粉は葛(くず)という、つる性の多年草を加工して作られます。
葛自体は、山野や公園など日本中の至る所に群生しています。
薬用や食用にも利用されますが、繁殖力が強く駆除が困難な雑草でもあります。
葛から葛粉への加工の工程
- 取り出した葛の根を水で綺麗に洗い、叩いて繊維質にします
- 真水でよくもみ洗いをし、ザルで濾した後に一晩おきます
- 葛粉が沈殿するので、上に溜まっている変色した水を捨てます
- 新しい水を入れ、また一晩おきます
- ②~④の流れを何度か繰り返し、不純物が除かれ真っ白な粉だけになったら完成です
葛はどこにでも生えていて入手も容易ですが、加工にたくさんの手間と暇が必要な上に取れる量がほんの少しなので「葛粉」は高価になっています。
葛粉を犬猫に食べさせた時に考えられる効能
葛には「イソフラボン」や「サポニン」が豊富に含まれており、これらの成分により様々な効能に期待が持てます。
考えられる主なメリットを、簡単にまとめます。
- 更年期障害や骨粗鬆症の予防・改善
- 血流を改善し、血をサラサラにする
- 血管に付着したコレステロールや中性脂肪を洗い流し、肥満予防
- 毛や皮膚を綺麗に保つ
- 生活習慣病の予防・改善効果
- 胃腸の粘膜保護
- 体を温める
- 便秘や下痢の改善
- 免疫力を高める
- 肝臓機能の強化
- 咳や痰の抑制
食事にとろみを付けることで、シニアの犬猫の食事を助けられるメリットも
犬猫の中には年老いて上手く食事を食べられなくなってしまう子や、元々食べることがあまり得意でない子がいます。
こうした嚥下能力の低下した子の食事に葛粉や片栗粉を用いることでとろみをつけ、食べやすくすることができます。
葛粉の場合は単にとろみをつけるだけではなく、前項でお話したような効能も期待できるので、体の弱っている犬猫には特に有効です。
葛粉を犬猫に与える時の注意点
葛以外が使われているかも?原材料はよく確認を
スーパーやインターネットなどで販売されている「葛粉」は実は大きく2種類に分かれています。
- 商品名やパッケージ面に「葛粉」とだけあるもの ⇒ 葛粉に対してさつまいもやじゃがいものデンプンを混ぜた商品
- 商品名やパッケージ面に「本葛」とあるもの ⇒ 100%葛粉のみで作られた商品
既にお話している通り葛粉は葛の根から精製されるものですが、加工に手間が掛かり高価です。
そこで、そのコストの高さを抑えるために、他のデンプンを加えたものが現在市場に流通しています。
購入するときはその商品が「葛粉」なのか「本葛」なのかは必ず確認するようにしましょう。
まずは手軽に与えてみたいという時は「葛粉」とだけある商品を、葛粉の効能をより期待する場合は「本葛」を選ぶようにすると良いでしょう。
粉のままの誤食に気を付ける
粉のまま食べさせることはないかと思いますが、誤食には十分注意しましょう。
こぼしたものを一舐めした程度でしたら大きな心配はないですが、一度に大量に口にすると下痢や嘔吐を引き起こしてしまいます。
もし誤食が起きてしまった場合は動物病院へ連絡し、指示を仰ぎましょう。
犬猫用の葛粉を使った手作りフードレシピ
当サイト掲載の葛粉を使ったレシピを2つ紹介します。
葛粉を溶かして作る葛湯に、梨を加えたレシピです。
食べやすく満腹感を得ることができるので、食欲の落ちたシニアの子やちょっとしたおやつに適しています。
アスパラと鶏そぼろの栄養を葛粉で食べやすくした、あんかけのレシピです。
少量使っているごま油の香りで食いつきにも期待できます。
【まとめ】犬猫に葛粉を食べさせても大丈夫!
犬猫に葛粉を食べさせても大丈夫です。
漢方薬の成分としても有名で、血流の改善、体を温める、下痢や便秘の改善など様々な効能に期待が持てます。
また、料理にとろみを付けることで食べやすくする効果もあります。
注意点を2つ紹介します。
- 葛粉の商品にはほかのデンプンを混ぜたものと、葛粉のみで作られた「本葛」の2種類があります。
- 粉のまま大量に口にすると、下痢や嘔吐を引き起こしてしまう可能性があります。誤食には気を付けましょう。
葛粉は少し高価ではありますが、愛犬愛猫の体調が気になる場合は獣医師さんと相談の上食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。