犬猫はヤーコンを食べても大丈夫!フラクトオリゴ糖に腸内環境改善効果あり!

皆様は「ヤーコン」という食材をご存知でしょうか。

南米・アンデス高地原産が原産の食材で以下のような見た目をしています。

ヤーコン

ヤーコン

見た目はさつまいもにそっくりですが味や食感は別物で調理方法にも違いがあります。

そんなヤーコンは犬猫が食べても大丈夫なのでしょうか。

犬や猫はヤーコンを食べても大丈夫!

犬や猫はヤーコンを食べても大丈夫です。

栄養価が高くスーパーフードとして日本でも徐々に知名度が上がってきています。

ヤーコンを食べることによる犬猫への効果や与え方について解説していきたいと思います。

ヤーコンについて

ヤーコンについて聞き慣れない方もいらっしゃると思うので初めに少し説明したいと思います。

ヤーコンは見た目の通りイモ類の一種で根が肥大化したものですがクセが少なく生で食べることができる芋です。

実は同じイモ類のさつまいもやじゃがいもも生食することが出来ますがデンプン質が多く美味しくない場合が多いです。

それに比べヤーコンはデンプン質がほとんど含まれておらず水分量も多いため生でもおいしく食べることができます。

生のヤーコンの食感は梨に似ており「畑の梨」と呼ばれています。

犬猫も生食して大丈夫?

ヤーコンは生のまま食べることができると前述しましたが犬猫も生食することができます

生で与える際はヤーコンをスライスや千切りにし、数分間水にさらしてアク抜きをしてあげましょう。

アク抜きしたものをさらに消化しやすいように細かく刻んであげると消化にも優しくて良いです。

また、水にさらす時間が長すぎると栄養まで流れ出てしまうので注意しましょう。

与えすぎに注意!

ヤーコンはキク科の植物ですが、キク科の植物には「セスキテルペンラクトン」というアレルゲン物質が含まれています。

セスキテルペンラクトンを含む植物に長期的に触れていると接触性皮膚炎が起こる可能性があると言われています。

ですが同じキク科の植物である春菊を食べて中毒症状が発症したという症例は報告されていないため多量に食べない限りは心配ないと言えそうです。

また、セスキテルペンラクトンは適量であれば動脈硬化の予防や治療に役立つ成分でもあります。

ヤーコンに含まれる代表的な栄養素

塊根 生 可食部100gあたり

栄養素含有量
エネルギー52kcal
たんぱく質0.6g
脂質0.3g
炭水化物11.3g
カリウム240mg
カルシウム11mg
マグネシウム8mg

参考資料:八訂 食品成分表 2022

フラクトオリゴ糖

ヤーコンはイモ類なので糖質を含みますが、その多くは「フラクトオリゴ糖」というオリゴ糖の一種です。

ヤーコンはフラクトオリゴ糖の含有量が野菜の中でトップと言われています。

我々人間を含めた多くの動物は普通の砂糖(ショ糖)を消化吸収するとこができますがフラクトオリゴ糖は消化吸収することができません。

そのため甘味を感じながらも血糖値の上昇を抑えることができます。

さらにそれだけではなくフラクトオリゴ糖はからだにとって良い働きをします。

腸内環境改善

フラクトオリゴ糖は腸内細菌のエサになることによって善玉菌を増やす働きがあります。

ラットを使用した実験ではフラクトオリゴ糖を摂取することで悪玉菌の増殖が抑制され糞便量の増加が確認されています。

糞便量が増加すると排便が促進されるため有害物質を排出する作用があります。

また、腸内細菌のエサとなるフラクトオリゴ糖ですが悪玉菌のエサにはならず、善玉菌のみのエサとなることが確認されているのでご安心ください。

骨を強くする

フラクトオリゴ糖を摂取することによって腸内でのミネラル吸収が促進され、骨重量が増加することが確認されています。

骨を構成するカルシウム・リン・マグネシウムの吸収が促されることによって強い骨を作ることができるためです。

腎機能が低下している犬猫や老犬・老猫は骨が弱くなる傾向にあるため老化対策や腎臓ケアのためにもフラクトオリゴ糖はおすすめです。

ポリフェノール

ヤーコンにはクロロゲン酸などのポリフェノールが含まれています。

クロロゲン酸には抗酸化作用・血糖値の調節・脂質代謝の促進・高血圧の改善などからだにとって様々な嬉しい働きがあります。

犬や猫へヤーコンを与える際の注意点

犬猫にヤーコンを与える際の注意点を紹介します。

加熱すると食べやすくなる

前述したようにヤーコンは生のままでも食べることができますが過熱すると繊維が柔らかくなり食べやすくなります。

また、胃に優しくなり、消化にもよくなるので加熱して与えるのもおすすめです。

初めて食べるときは少量にしよう

犬猫はキク科の植物にアレルギーを持っている場合もあるため初めて与える場合は少量にしておきましょう。

もしも皮膚の赤みやかゆみ・下痢などのアレルギー症状が見られた場合はそれ以上与えずに症状が酷くなる場合は獣医師へ相談しましょう。

犬や猫へのヤーコンの与え方

犬猫にヤーコンを与える場合は生のまま細かく刻んだものか茹でて柔らかくしたものをフードにトッピングしてあげるのが良いでしょう。

また、ヤーコンは水分量が多いので水分補給やおやつ代わりとしてもおすすめです。

【まとめ】犬猫はヤーコンを食べても大丈夫

犬猫はヤーコンを食べても大丈夫です。ご紹介した内容をおさらいしましょう。

  • さつまいもにそっくりだがデンプン量が少なく生のまま食べても大丈夫
  • セスキテルペンラクトンというアレルゲン物質が含まれているため与えすぎに注意
  • 腸内環境改善効果があるフラクトオリゴ糖がとても豊富に含まれている

今回は犬や猫にヤーコンを与える注意点を解説しました。

なかなかスーパーなどではお目にかかれませんが手に入った際は是非愛犬・愛猫と一緒にヤーコンを楽しんでみてください。

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鈴木 利奈

鈴木 利奈RINA SUZUKI - PET FOOD ADVISER

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ペットレシピ.jpの記事を執筆・監修しています。

キャットフード勉強会・ドッグフード勉強会を運営している鈴木です。大好きな犬猫とペットフードについて深く学ぶため、講師を呼んで勉強会を開いています。ペットフード販売士、ペット栄養管理士、愛玩動物飼養管理士2級、化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)等の資格を取得。

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