トビウオは尾びれや背びれが翼のようにとても大きく、水上を飛ぶこともある魚です。
一般的なスーパーではたまにしか見かけませんが、近年はネット通販を利用することで生のものや加工品を比較的容易に購入することができます。
食べる時は刺身や塩焼きといったシンプルな調理方法がスタンダードですが、ムニエル・マリネ・ハンバーグ・さつま揚げ・なめろうなど多様な調理方法も考案されています。
犬猫はトビウオを食べても大丈夫!
一部のメーカーからはトビウオを使用した犬猫用ふりかけなども販売されています。
こちらの記事では
- どうして飛ぶの?トビウオについて
- トビウオの持つ栄養素や犬猫に与えるメリット
- トビウオを使った犬猫用の手作りレシピ
などについてお話していきます。
どうして飛ぶの?トビウオについて
トビウオはダツ目トビウオ亜科トビウオ科ハマトビウオ属の青魚です。
アキツトビウオ、アゴ、コトビ、トビノウオなど別名がいくつかあり、英語ではそのままflying fishと呼ばれています。
トビウオから取れただし「あごだし」が人気のため、アゴという名前はご存じの方も多いのではないでしょうか。
冒頭で述べたように最大の特徴は翼の様に大きな背びれと尾びれを持ち、海上を飛ぶことです。
トビウオが飛ぶ理由は、
- 大型の魚の捕食から逃れるため
- 船などに驚いたため
- 寄生虫によるかゆみのため
など、いくつかの説が考えられています。
飛行距離は100~200m普通ですが、45秒間飛行を続け約400m飛んだトビウオがギネス記録として登録されています。
トビウオってどんな味?
淡泊でさっぱりとしていますが、旨味もしっかりと持ち合わせています。
飛ぶために体を軽くする必要があることから身は引き締まりしっかりとした歯ごたえがあり、脂は少なめになっています。
旬はいつ頃?
6月から8月ごろの夏がトビウオの旬だと言われています。
トビウオが産卵する時期で、体に栄養を蓄えています。
産卵の際は沿岸部にトビウオが回遊してくるので、漁獲量も多くなります。
トビウオを犬猫に食べさせるメリット
トビウオ(生)100gあたりに含まれる主な栄養素表
栄養素 含有量
エネルギー 89kcal
たんぱく質 18.0g
脂質 0.5g
カリウム 320mg
リン 340mg
ビタミンE 2.3mg
ナイアシン 11.0mg
ビタミンB6 0.47mg
参考資料:八訂 食品成分表 2022
トビウオは魚らしくたんぱく質豊富で、その他ビタミンE・ナイアシン・ビタミンB6などが特に優れています。
高たんぱく低脂質でダイエットにぴったり!
既に触れておりますが、トビウオは海上を飛ぶために身が引き締まり脂も少なくなっています。
脂質の含有量は0.5gと非常に少なく、たんぱく質は18.0gと豊富なので、ダイエット中の体を引き締めるための食事にぴったりと言えます。
ビタミンEによる抗酸化作用
ビタミンEは非常に強力な抗酸化作用を持ち、脂質の酸化を防ぐので老化予防に効果があります。
これ以外にも、がん・心疾患・動脈硬化の予防作用もあると考えられています。
ビタミンEが欠乏すると食欲不振や免疫力・筋力などの低下を招いてしまいます。
ナイアシンによる代謝促進や脳のサポート
ナイアシンはビタミンB群の一種です。
体内に入ると糖質や脂質の代謝を促進する補酵素として機能します。
脳の神経物質の生成にも不可欠で、脳神経の働きをサポートする役目も持っています。
ビタミンB6による肝臓脂肪の蓄積予防
ビタミンB6は脂質の代謝を促進し、肝臓への脂肪の蓄積を抑制する働きを持っています。
不足すると皮膚炎や貧血、食欲不振による発育不良が見られます。
トビウオを犬猫に食べさせる時の注意点
小骨が多いのでしっかり取り除きましょう
トビウオは非常に小骨の多い魚です。
こうした小骨を犬猫が飲み込んでしまうと、体内で刺さって思わぬ怪我を招いてしまうことがあります。
少し手間ではありますが、犬猫に怪我をさせないためにも小骨は一本一本抜いて丁寧に処理をしましょう。
寄生虫を宿している可能性!不安なら加熱など処理を
トビウオは「ティモゾイド吸虫」と「アニサキス」といった寄生虫を宿している可能性があります。
「ティモゾイド吸虫」は万が一食べてしまったとしても無害のことが多く、そこまで心配なものではありません。
問題は「アニサキス」です。
こちらはご存じの方も多いと思いますが、犬猫が口にしてしまった場合も
- 激しい腹痛
- 嘔吐
といった症状を招いてしまいます。
これらの寄生虫はしっかり火を通したり、包丁などで細かくきざむことで死滅します。
食べさせることに不安を感じるときはこうした処理を行うようにしましょう。
犬猫用の魚を使った手作りフードのレシピ
こちらはさば缶を使ったレシピですが、トビウオの身に置き換えて作ることもできます。
夏が旬のトビウオにトマトやオクラといった夏野菜を合わせ、美味しく栄養にも優れた一品です。
【まとめ】犬猫にトビウオを食べさせても大丈夫!
犬猫はトビウオを食べても大丈夫です。
低脂質高たんぱくでビタミンEやナイアシンを多く含み、ダイエットや老化予防、代謝促進などの効果に期待できます。
本記事で紹介した犬猫に食べさせる時の注意点は2つです。
- 小骨が多いので一本一本丁寧に取り除きましょう。
- 寄生虫を宿している可能性があるので、加熱などの処理をしっかりしましょう。
翼の様に大きい背びれを持ち、優雅な見た目のトビウオ。
一般的なスーパーで見かけることはあまりないとは思いますが、新鮮なものが手に入った時は犬猫の食事に与えてみてはいかがでしょうか。
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