春になると黄色・白・ピンク・ムラサキなど、色とりどりの花を付けるフリージア。
原産地は南アフリカで、日本には江戸時代末期に渡来しました。
その花の美しさは当時から多くの人に愛されてきました。
そんなフリージアは犬猫がいる環境でも安心して育てることができるのでしょうか。
フリージアには有毒な成分が含まれている!
フリージアには有毒な成分が含まれているため犬猫が誤食してしまうと悪い影響を及ぼす可能性があります。
今回はフリージアに含まれている成分や、食べてしまった際の症状・対処法についてご紹介したいと思います。
フリージアの基本情報
学名
Freesia refracta
科・属
アヤメ科・フリージア属
原産地
南アフリカ
開花時期
3月~4月
別名
浅黄水仙(アサギスイセン)・香雪蘭(コウセツラン)・菖蒲水仙(ショウブスイセン)
花言葉
純潔・友情・信頼
フリージアに含まれる有毒な成分
フリージアにはアヤメ科の植物に含まれる「イリシジン」や「テクトロジン」といった有毒な成分が含まれています。
これらの成分はフリージアの根から花まで全てに含まれています。
犬猫がフリージアを食べた際の症状
フリージアに含まれるイリシジンやテクトロジンは炎症を起こす可能性のある成分です。
そのため、犬猫が食べると皮膚炎・口唇炎・胃腸炎などの症状を引き起こす可能性があります。
毒性はそこまで高くないようですが、犬猫の年齢や食べる量によっては重篤化するかもしれないので注意しましょう。
猫を買っている場合は特に注意
フリージアの誤食は特に猫を飼っている場合は注意すべきです。
なぜかというとフリージアの葉は細長く、尖ったような形状をしているためです。
猫が好んで食べる「猫草」も細長くて尖っているように、このような形状は猫が好んで食べようとするようです。
なぜ猫は草を食べるのか
完全肉食動物の猫が植物を積極的に食べようとする理由ははっきりとは判明していません。
今のところ、「毛玉を上手く吐き出すために胃を刺激している」という説が有力のようです。
猫は定期的に自分の体を舐める「グルーミング」という行為を取ります。
猫がグルーミングをする理由は以下のようにいわれています。
- 体についた汚れを取るため
- 毛玉が出来ないようにしている
- ノミ対策
- 唾液の蒸発効果で体温を下げようとしている
グルーミングの際に自身の被毛を飲み込んでしまうため吐き出す必要があります。
猫に慣れていない頃は嘔吐したのかと思って驚きますが猫の習性なので安心してください。
犬猫がフリージアを食べてしまわないために
犬猫がいる環境でフリージアを育てるのなら、犬猫と接触しないように十分注意しましょう。
基本的に日当たりの良い屋外で育てる植物なので、室内飼いの犬猫は接触の機会はあまりないかと思います。
犬の散歩の際やベランダに出て行った場合などは注意してください。
冬の管理について
フリージアは多年草なので、一度植えてきちんとお世話をしていると毎年春に花を見ることが出来ます。
しかし、フリージアは南アフリカの温暖な地域原産の植物で、耐寒性があまり高くないので冬に寒くなる地域では越冬対策が必要です。
- ビニールテントを被せて簡易的な温室を作る
- わらや腐葉土で保温する
- 日当たりの良い室内で管理する
などの方法がありますが、室内で管理する場合は犬猫と接触する可能性が上がるため注意しましょう。
夏は地上には見えないが
フリージアは夏になると枯れて休眠状態に入ります。
その間、地上には姿を現さないので犬猫が食べてしまう可能性も低くなります。
しかし、犬猫は土を掘り返すのが好きなので掘り返して球根を食べてしまうと危険です。
フリージアに含まれるイリシジンやテクトロジンといった成分は根に多く含まれているので注意しましょう。
もしも食べてしまったら
万が一犬猫がフリージアを食べてしまった場合、口の中を確認して見える範囲にある分は取り出してあげましょう。
少し食べてしまっただけでは重篤化することはあまりないと言えますが一時的に口の周りや口内を痒そうにする可能性はあります。
症状が治まらない場合や食べたのが少量でも心配な場合は獣医師へ連絡して意見を聞きましょう。
また、既に飲み込んでしまったものを素人が無理矢理吐き出させようとするのは犬猫の体の負担になって危険です。
自分で解決しようとせずに必ずプロに任せましょう。
【まとめ】フリージアには犬猫にとって有毒な成分が含まれている
フリージアは犬猫が誤って食べてしまうと危険な植物です。成分や危険性についておさらいしましょう。
- フリージアには「イリシジン」や「テクトロジン」といった口唇炎や胃腸炎を引き起こす成分が含まれている
- 猫はフリージアの葉のような先の尖った細長い葉を好んで食べる傾向にあるので注意
- 越冬の際など室内で管理しないといけないタイミングがある場合は接触の可能性が上がるので注意
今回は犬猫に対するフリージアの危険性についてご紹介しました。
フリージアの毒性はそれほど強力なものではないと言われていますが犬猫が少しでも苦しまないようにしてあげましょう。